GOOD DESIGN AWARD

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CC

2019

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
戦争遺構を伝えるオープンエアミュージアム [にしき秘密基地ミュージアム]
事業主体名
球磨郡錦町
分類
公共の建築・空間
受賞企業
中西ひろむ建築設計事務所 (京都府)
荻原雅史建築設計事務所 (東京都)
角田哲也 (東京都)
錦町 (熊本県)
受賞番号
19G141118
受賞概要
2019年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

本計画はかつて存在した人吉海軍航空基地跡に位置します。滑走路跡や地下壕跡と共に地域全体をオープンエアミュージアムとして捉え、展示やガイドツアー、VR体験を交えて戦争の歴史を伝えています。拠点施設は翼のような軽快な木架構からなり、施設足元に広がる滑走路跡や、周辺に点在している遺構を浮かび上がらせることを意図しています。

デザインのポイント
1.周辺遺構が散在する中、本計画が地域一帯のシンボルとなり、オープンエアミュージアムの拠点となります。
2.滑走路の遺構跡に翼のような架構を設け、滑走路も含めた周辺の遺構を浮かび上がらせることを意図しました。
3.地場産杉の小径材を用いた軽い木架構により、人力のみによる短工期・低コストの建て方を可能としました。
プロデューサー

中西ひろむ建築設計事務所 中西ひろむ+荻原雅史建築設計事務所 荻原雅史+角田哲也

デザイナー

中西ひろむ建築設計事務所 中西ひろむ、加藤亜矢+荻原雅史建築設計事務所 荻原雅史+角田哲也+関西木材工業 植森貞友+KAKKO E 合同会社 中村親也、山口歩那

詳細情報

https://132base.jp/

利用開始
2018年8月
設置場所

熊本県球磨郡錦町大字木上西字上杉2-107

受賞対象の詳細

背景

計画地周辺には第二次大戦中に人吉海軍航空基地が存在しました。そこでは6000名以上が飛行機整備術を学びました。基地は戦況悪化につれて教育施設から特攻訓練基地、本土防衛基地へと役割を変えていきました。上空では赤とんぼと呼ばれた練習機が特攻訓練に励み、地上では膨大な数の地下施設建設が進められたと伝えられます。 しかし、戦後70年以上が経ち、地域でもその存在を知る者は少なくなりました。また、その全容はいまだ十分に把握されておらず、関係者の多くが亡くなられていく中で、大切な歴史を次世代に繋いで行く機運が高まりました。一方、九州では他に「知覧特攻平和会館」や「長崎原爆資料館」等が戦争関連の展示施設として充実しています。本計画では、他の戦争展示施設では得られない資料を提示することを重視し、周辺に残る飛行訓練場の滑走路跡や多くの地下壕を巡るガイドツアーと共に、戦時下の日常を提示することを目的としました。

経緯とその成果

展示施設としての面積が限られる中、広大な滑走路跡や膨大な数の地下壕を交え、地域全体をオープンエアミュージアムとして戦時下の日常を伝えることが目標でした。そこで、本施設内での展示はミュージアム全体への導入と捉え、約20人ごとにレクチャーやVR展示、地下壕ガイドツアーを行うことを想定し、計画を進めました。 エリア全体をミュージアムと捉える中で、建築自体は極力軽やかに、またプラグマティックに構成したいと考えました。そこで、ちょうど飛行機の翼の骨組のように、細い線材のみから効率的に組みたてられた架構とし、建築物の足元に広がるかつての滑走路を際立たせています。 熊本では着工前年に熊本地震があり、その復興のために業者や重機の確保が進まず施工費も大きく上昇している状況でした。そこで、地場産の杉規格品の小径材に抑えることで人力のみで建て方を済ませ、短工期・低コストの計画を無事完工させることが出来ました。

仕様

敷地面積:6862.76m2 、建築面積:171.30m2、延床面積:152.37m2 、 主体構造・工法・規模:木造平屋

どこで購入できるか、
どこで見られるか

熊本県球磨郡錦町大字木上西字上杉2-107
にしき ひみつ基地ミュージアム
山の中の海軍の町 にしき ひみつ基地ミュージアム

審査委員の評価

人吉海軍航空基地跡に残る、滑走路跡や地下壕跡を生かしたオープンエアミュージアムのプロジェクトである。ミュージアムというと、担当建築家はとかく力が入りすぎ、地域特性や予定集客数を顧みず、オーバースペックなつくりをした結果、地域経済に負担を担わせる足枷になってしまうことが多いのだが、ここでは遺構の存在を生かすために、拠点施設は軽快な木造で、ローコストを生かした施設計画となっている点が評価された。

担当審査委員| 永山 祐子   浅子 佳英   林 厚見   山梨 知彦  

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