GOOD DESIGN AWARD

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2017

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

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受賞対象名
侵入防止システム [シカ踏切]
事業主体名
近畿日本鉄道株式会社
分類
社会基盤システム/インフラストラクチャー
受賞企業
株式会社京三製作所 (神奈川県)
受賞番号
17G151312
受賞概要
2017年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

鹿と列車の接触を防止するシステムです。侵入防止ネットを使用し、鹿の線路への侵入経路(獣道)を限定の上、超音波により鹿の線路侵入を制御します。超音波の発信は列車運行がある時間帯とし、その間の鹿の線路侵入を抑止します。逆に列車運行が無い時間帯は超音波の発信を止めることで、鹿は自由に線路へ侵入し、安全に横断することが出来ます。

プロデューサー

近畿日本鉄道株式会社 匹田雄史、齋藤達司

ディレクター

株式会社京三製作所 伊藤正樹

デザイナー

株式会社モハラテクニカ 根岸弘行+株式会社京三製作所 宮澤弘孝

詳細情報

http://www.kyosan.co.jp/

利用開始
2016年5月18日
販売地域

日本国内向け

設置場所

鉄道線路敷地内

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

鹿も人も困らない、自然環境と共に生きる鉄道事業の取り組み

背景

鹿と列車との接触事故は、全国で年々増加しています。その件数は、この20年で約10倍に増えたといわれる鹿個体数の増加と比例しています。近鉄全線では、平成17年の事故件数57件に対し、平成27年には288件と、その数は直近の10年で5倍を越えました。この間に実施した「線路脇の侵入防止ロープ敷設」、「忌避用赤色LED灯の設置」などの侵入防止対策は、いずれも効果が認められませんでした。接触事故は、「乗客・乗務員の危険な状況」、「都度の列車遅延」、「車両など設備の損害」を引き起こします。鉄道事業の最大の使命である「安全・安定輸送」に対する脅威の増加を、どうにかして解決する必要がありました。

デザイナーの想い

分析結果の考察では、鹿目線の必要性を感じていました。事実、「侵入防止もしくは抑止」のみを観点とした過去の対策は、いずれも効果を上げていませんでした。ここで「時間帯を限定し、侵入をあえて許容する」こととした逆転の発想が、創意工夫の根幹です。自然環境と人、双方が不利益を受けない関係を築けたことは嬉しいです。このシステムは、自然環境と共生を図りつつ、全国の鉄道事業にも貢献できるはずです。そもそもは、人が自然環境への侵入者であることを、忘れてはならないと思います。

仕様

超音波出力装置、侵入防止ネットの組み合わせ

どこで購入できるか、
どこで見られるか

株式会社京三製作所
株式会社京三製作所
株式会社モハラテクニカ

審査委員の評価

野生動物の保護は大切なことであるが、野生動物の急速な増殖は社会問題を招いている。改めて人間と野生動物との共生には、解決すべき様々な難しい問題があることを気付かさせてくれる。「シカ踏切」は、鉄道と野生動物の関係について、野生動物の視点で考えることの大切さを教えてくれた。人間が安全な踏切を必要なように、鹿にも安全な踏切が必要である。優しい発想で鹿のための踏切システムを提案している。多くの犠牲となった鹿の存在により、鹿について知ることができ、鹿の目線で問題を捉えることができたという、デザインにおける視点の重要性を示唆する好例である。

担当審査委員| 廣田 尚子   青山 和浩   小林 茂   ナカムラ ケンタ   林 千晶  

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