GOOD DESIGN AWARD

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CC

2016

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
住宅 [ペッタンコハウス]
事業主体名
アトリエ・エムフォオ / 前田大作
分類
住宅・住空間
受賞企業
田辺雄之一級建築士事務所 (神奈川県)
株式会社武井組 (長野県)
林友ハウス工業株式会社 (長野県)
アトリエ・エムフォオ株式会社 (長野県)
受賞番号
16G100810
受賞概要
2016年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

長野県松本市に位置する夫婦と子供のためのペッタンコな住宅です。敷地は西側と北側が道路、南側が川であるため三方が開かれています。工芸家の建主のため一部をギャラリーとしても利用できるよう計画しました。平面計画は短手四間長手六間の矩形。長手方向に水勾配をとる切妻屋根で、中央の高くなった部分に2階を持ちます。川が流れる南から北に向ってパブリック(ギャラリー兼居間)からプライベート(寝間)へとゾーンが移り変わります。そして地元カラマツ材によるコンパクトな地産地消を実現しました。また信頼できる建主との協働により、家具、建具、キッチン、浴槽、庇などが半ば自動的に決定されてゆくプロジェクトでした。

ディレクター

田辺雄之一級建築士事務所 田辺雄之

デザイナー

田辺雄之一級建築士事務所 田辺雄之

田辺雄之 Yuji Tanabe

詳細情報

http://www.yuji-tanabe.com

利用開始
2015年11月
販売地域

日本国内向け

設置場所

長野県松本市

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

光が降り注ぎ風が抜け、四間x六間の床面積を確保しながらもローコストである地産地消のペッタンコな住宅。

背景

この家の構造材、床材、外壁材には長野県松本市の東部に位置する美ヶ原の中腹、三城地域の山で伐採されたカラマツ材を使っています。三城は工芸家である建主が育った住宅兼工房があります。このエリアは現在限界集落であり子供を育てるには厳しい環境です。そこで建主が松本市街地に住みこの山の工房へ通う生活を選びました。そこで市街地に床面積を確保しながらもローコストであり、かつ地産地消が行える建物が望まれました。

デザイナーの想い

フォルム至上主義というわけではないのですが、どのような建物でも周辺の環境と結果的に影響し合うのであれば、当然のことながら人びとに愛でられる建物(造形物)であるべきだと思います。住宅もまた例外ではありません。その時の家主だけでなく、さまざまな人に親しみを持たれる建物であれば、たとえ家主が変わったとしても、建築として引き継がれていくと考えています。

企画・開発の意義

地元の工務店かハウスメーカーの建売がメインの選択肢である地方都市において、周囲の環境に適応しながらもローコストでありかつシンプルな構成で、居間のギャラリー兼用を念頭にパブリックなエリアからプライベートなエリアをワンフロアー内に実現することが課題でした。またカラマツ材については製材業者と共に企画から携わることで、構造材への使用や外壁材や床材の材料取りを工夫することで歩留りを上げる開発を行いました。

創意工夫

コストを抑えるために、材料取りの良い4m以下の柱材で納まる建物高さにしました。そのため、この家は“ペッタンコ”です。1階の床は基礎の上端より低く、地盤面とほぼ同じ高さです。それにより、4m以下の柱材でも空間を高く感じさせ、1㎡当たり約15万円のローコスト化を実現しました。平面計画ではギャラリーとして居間を使用する際は平入り、通常の玄関は妻入りと2つのアプローチを設けました。熱環境は、夏季の川側から吹く風を取り込み屋根に設けたドーマーから熱気を逃がします。冬季においては、間仕切りを減らすことでほぼワンルームと化した建物を薪ストーブ一台で暖めます。外部の仕上げでは外壁に歩留りを上げるために製材業者と共に開発した芯付近の材を用い、屋根には小波板をリブに沿って折り曲げることで役物を無くした納まりとしました。また建主が制作できる部分(家具、建具、キッチン、浴槽、庇等)は建主が制作することとしました。

仕様

所在地:長野県松本市、敷地面積:230.32㎡、建築面積:86.12㎡、延床面積:106.00㎡、階数:地上2階、構造:木造在来工法、外部仕上:屋根/ガルバリウム鋼板小波板t=0.4mm、外壁/カラマツサイディングt=21mm、開口部/アルミサッシ、内部仕上:床/カラマツフローリングt=20mm(うづくり+ラフソーン仕上)、壁/石膏ボード+AEP、タイル貼り、天井/石膏ボード+AEP

どこで購入できるか、
どこで見られるか

田辺雄之一級建築士事務所
atelier m4

審査委員の評価

小さいながらも地域の中で住宅はいかに作られるべきか、という大きなデザインテーマを扱った建築である。地域の材料を歩留まり良く利用することや、近隣からも愛される小さく平べったい外観など、デザインにおける社会性が感じられる。また、ギャラリーなど住むだけではない機能がとりこまれることで、緩やかに開かれた小空間がシンプルに実現している。

担当審査委員| 手塚 由比   石川 初   長坂 常   日野 雅司   松村 秀一   Gary Chang  

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