GOOD DESIGN AWARD

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CC

2015

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
仕事場兼住宅 [木箱の家]
事業主体名
エル美容室
分類
住宅・住空間
受賞企業
一級建築士事務所すずき (東京都)
受賞番号
15G090883
受賞概要
2015年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

40年の長い間、地域に根ざした美容室を営むお母さんと 執筆活動を続けるお父さん、それぞれのための仕事場兼住宅である。1階には美容室とその奥に着付け部屋兼お母さんの寝室を設けている。窓を開け放てば、風が吹きぬける街に開かれた大きな軒下空間となる。この場から生まれる賑わいが街並みに活気を与えることを目論んでいる。2階には隣地の庭の借景を楽しめるお父さんの執筆部屋兼寝室と、夫婦の生活の中間地点ともなる茶の間が配置されている。長く連れ添ってきた二人の生活スタイルが生み出したシンプルな平面構成を持つ建築であるが、時の流れによって木材から生まれるアジワイや温かみが多様な姿を現す建築になる。

デザイナー

一級建築士事務所 す ず き 鈴木宏亮+山村尚子

鈴木宏亮(左)山村尚子(右)

利用開始
2015年5月
設置場所

埼玉県川口市

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

シンプルな平面構成でありながら、住と働が混在する、まるで木箱のような家。

背景

設計を始める前に、その当時の住まいと仕事場を拝見させていただき、お話も色々お伺いさせていただいた。その時間の中で見えてきたのは、住と働の空間が切っても切り離せない関係性の中で生活していらっしゃることであった。また、お店にはお母さんを慕って来るご近所の方や常連客との関わりが日常にあり、まるで井戸端会議の議場であるようにも感じた。その賑わいが、街並みにも活気を与えてくれる場になるよう設計を始めた。

デザイナーの想い

美しさとは常に、時の流れを超えたものだけが得られるものである。そう信じている。時代の変化と時の流れの中を生き抜いてきたご夫婦のように、時の流れを美しく映し出し、それを超えていく建築になってほしい。

企画・開発の意義

室となる空間を可能な限り無駄なく大きく取れるようにし、大きな開口をもうけられるようにした。一日中、日差しや風通しを得ることが可能となり、生活の場としても、仕事の場としても、一日中好ましい環境が得られるようになる。 夫婦のスペースを、上下階で独立できるものとし、 その中間地点を二人の生活の接点となる場として茶の間を配するものとした。夫婦それぞれの時間の流れの中で生活と仕事が出来るようにした。

創意工夫

ボリュームを道路側に可能な限り寄せて配置した。背面側には、庭を設けることができるようになり、1階における、庭側の採光も得られるようにした。住・働空間を兼用していくことで、可能な限りコンパクトなサイズにまとめるものとした。水周りや導線となるスペースを間口1間分に寄せ、室となる空間を可能な限り無駄なく、大きく取れるようにした。その部分で間口方向の構造壁を確保し、それ以外を構造から開放し、開口とした。構造、内・外仕上げに木材を多く使用した。開口からの日差しが、室内のあらわしの木梁に陰影を生み、空間に刻一刻と穏やかな変化を与える。経年変化も、生活の中に穏やかな変化を与えて行く。木材の魅力は、不揃いであることも、古くなることも、アジとなり、個性になり得ることである。自然の恩恵を大いに受け、多様な姿を現す建築になるはずである。

仕様

木造2階建て、建築面積39.75㎡、延床面積79.50㎡の仕事場兼用住宅。 敷地形状は、間口7.9m、奥行き10m。フラットな長方形。北西を幅員6mの道路に面し、南東には隣家の庭が広がる。平面サイズは、間口3間×奥行き4間。無駄な場は設けることはせず、住空間と働空間を兼用していく考え方で、可能な限りコンパクトなサイズにまとめるものとした。構造・室内外仕上げ共に木材を主に使用している。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

埼玉県川口市
すずき

審査委員の評価

店舗併用住宅だが、1階がまちに開かれた女性の空間、2階が少々私的な男性の空間になっているという明快な空間構成が、余計なものを排した外観に素直に表されている点に、設計者の力量が現れている。

担当審査委員| 古谷 誠章   篠原 聡子   中村 拓志   松村 秀一  

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