GOOD DESIGN AWARD

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2013

GOOD DESIGN|グッドデザイン金賞

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受賞対象名
照明器具 [陰翳 IN-EI ISSEY MIYAKE]
事業主体名
株式会社三宅デザイン事務所
分類
家具・インテリア
受賞企業
株式会社三宅デザイン事務所 (東京都)
受賞番号
13G040324
受賞概要
2013年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

三宅一生が率いるReality Lab.が着想・開発し、アルテミデ社から製品化された「陰翳IN-EI ISSEY MIYAKE」。未来を見据え、環境や資源の問題を始めとする社会の課題に向き合いながらものづくりに取り組むReality Lab.が、「再生素材をいかに魅力的なものとして生かせるか」をテーマの一つに掲げたプロジェクトです。ペットボトル再生繊維から成る不織布に独自の改良を加えてシェードに使用。折りを生かしたシェードは精緻な手仕事で形づくられています。谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』にも記される陰翳の濃淡や明かりのニュアンスを大切に、現代の生活空間を照らす光の質を探求しました。

ディレクター

三宅一生

デザイナー

三宅一生+リアリティ ラボ

日本国内発売
2013年6月15日
価格

52,000 ~ 88,000円 (消費税抜き)

販売地域

国内・海外共通仕様

受賞対象の詳細

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

シェードのペットボトル再生素材は一般の紙に比べ形状保持性に優れ、破れにくい特性も備えています。さらに独自の加工によって和紙にも似た表情と強度、堅牢性を実現しました。それによりシェードそのものが構造体として自立し、フラットにたたむことも可能です。オリジナルのLED発光ユニットを始め必要最小限の部品で構成することで軽量化し、安心して扱えるようにすることや、調光器具も容易に操作できる点を重視しました。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

住環境の様々なシーンに対応できるよう、幅広い用途を配慮したうえで、柔和な明かりを特徴ある形で表現しました。テーブルタイプには調光機能を加え、灯具を共通にしたことで異なる形状のシェードとの互換性も備えています。灯具とシェードの取り付けに関しても検討を重ね、マグネットで簡単に着脱できる独自の仕組みを開発しました。使用しない時にはシェードを折りたたんでコンパクトに収納できます。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

シェードは手で折りたたむことで形づくられます。量産される工業製品と手仕事を結び、機械では実現しえない精緻な手の作業を取り入れることで、ものづくりの原点ともいうべき人間の存在、手の技の重要性を再認識できる工業製品のあり方を模索しました。またシェードに使われている不織布は、これまで印刷用途以外には採用されることのなかった素材であり、工業用資材の新規用途の開拓にも貢献しています。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

シェードには、使用済みペットボトルをマテリアルリサイクル技術で再生した素材を使用。資源の有効活用により、環境負荷の低減に貢献しています。光の質としては、日本古来の繊細な明かり文化を現代に生かしました。社会の課題に向きあう試みが、文化の再発見や喜びをもたらすことの重要性をも示す具体例となり、デザインと社会、文化との切り離せない関係を再考する機会の創出となればと考えています。

ユーザー・社会に伝えたいこと

資源・環境問題が深刻化する中、「デザイナーとして今何をすべきか」を念頭に、未来に目を向けた探求をしています。「陰翳 IN-EI ISSEY MIYAKE」ではペットボトル再生繊維をシェードに採用し、最適な素材とするべく開発を重ねました。この作業は光の質や表情を探る試みともなりました。現代のデザインでは、社会の課題に向きあうと同時に、心に響き、安らぐ空間を創出することが重要だと考えます。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

REALITY LAB. ISSEY MIYAKE 東京都港区南青山5-3-10 FROM-1st.
MIYAKE DESIGN STUDIO official site
陰翳 IN-EI ISSEY MIYAKE
Artemide - IN-EI ISSEY MIYAKE

審査委員の評価

世界の照明デザインの歴史に新たな概念を刻むような現代照明のエポック的製品となっている。日本の伝統文化を背景として生み出された伝統照明の存在を継承し、さらに高度な設計と加工技術によって生み出された製品としての完成度の高さにおいても、服飾の立体造形の設計技術と経験を駆使し、複雑な造形を精度の高い手仕事によって可能とし、彫刻のような美しい光の造形作品として完成させている。また、谷口潤一郎の陰翳礼賛と言う文学的文脈の光と影による陰翳と言う繊細な光のニュアンスを意識して製品の存在に内包するような光の質を探った照明器具として、また単体としての光の美術作品としても高い完成度を実現している。そのような様々な意味で、世界の照明の歴史に新しい照明の在り方の概念を提示した製品となっている。素材は和紙の表情のような再生ポリエステル繊維に改良を加えた生地の開発を行い、表情は柔らかいが、立体にした際の形状保持ができるように適度な固さと和紙のような透明感を備えている。また、立体造形の数理を生かした立体造形の折りたたみ手法によって、竹ヒゴなどの構造体をもつことなくシェードが自立し、フラットに折りたためることやマグネットで灯具とシェードの取り付けも簡単にできるようにな配慮もなされている。そのような点も含めて、照明製品としてだけでなく、服飾デザインの立体造形の美意識や光と影の陰翳が作り出す彫刻作品としての美しさ、そして谷崎文学の文脈になぞらえた詩的な光のニュアンスなど深い思考と様々な方向からのアプローチによるプロセスは、日本の目指すべき物作りを示唆するものとなっている。

担当審査委員| 五十嵐 久枝   橋田 規子   服部 滋樹   吉田 龍太郎  

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