GOOD DESIGN AWARD

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2007

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
油一 [東京藝術大学・ホルベイン工業株式会社共同開発、理想的な油絵の具「油一」]
部門/分類
コミュニケーションデザイン部門 - コミュニケーションデザイン
受賞企業
東京藝術大学 美術学部 絵画科油画 油画技法・材料研究室 (東京都)
ホルベイン工業株式会社 (大阪府)
受賞番号
07C01019
受賞概要
2007年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

本商品は「油絵の具本来の姿、あるべき姿」を探る、東京藝術大学とホルベイン工業株式会社の共同研究から始まっている。6年の研究の末「彩度、透明性、粘度、着色力、安定性」において超高品質油絵の具「油一」が仕上がった。「油一」はマーケットを強く意識した商品ではない。絵具の研究からブランディング、デザイン開発に至るまで全てが大学の研究事業として行われ、その成果を純粋な形で商品として成立させた点において存在そのものが独創性に満ちている。また「油一」は日本独自の油画技術のあり様を世界に発信・表明しようという「日本ブランド」としての位置も持っており、それに相応しい装いを目指している。

プロデューサー

東京藝術大学 美術学部 絵画科油画 油画技法・材料研究室 教授 佐藤 一郎/准教授 大西 博

ディレクター

東京藝術大学 美術学部 デザイン科 視覚・伝達研究室 准教授 松下 計

デザイナー

東京藝術大学 美術学部 デザイン科 視覚・伝達研究室 准教授 松下 計/大学院二年 村上 雅士/美術学部 デザイン科 研究助手 飯村 豊子

左から松下 計、村上 雅士、飯村 豊子

開始日
2007年5月8日

受賞対象の詳細

デザイナーのコメント

油絵の具「油一」は東京藝術大学とホルベイン工業株式会社が6年に渡り「理想的な油絵の具」の研究を共同で行ってきた成果を初めて製品化したものである。絵具のそのものの中身から商品としての外観に至るまで「日本発」を強く意識した「東京藝術大学ブランド」として装っている。「研究」を下地とし、目的の純度も、これまでに例を見ない新しい立ち方の商品である。

デザインサイドに提示された要求・要望
1.大学(東京藝術大学)とメーカ(ホルベイン工業株式会社)が6年余連綿と積み上げてきた油絵の具の技材研究の成果に対し、それに相応しい的確な質を与え可視化させ、社会的存在に具現することが求められた。
2.絵具自体に大きくコストがのっているためパッケージ、チューブ、ラベル、キャップ等には可能な限りコストをかけない方向で成立させることが求められた。
3.固まってしまったキャップを開ける時などに起こる、チューブの機能をデザインで解決することが求められた。
使用者、社会等への取り組み

ユーザーの使いやすさや商品の親切さの向上のためにデザインが特に取り組んだ事項

単に外観を制御するのではなく、技材開発チームの「原型を探る」思想を継続させ同時に品質・価格に見合う上質感・本物感を実現させる必要があった。素材を強く感じさせ重量感のある意匠はその結論である。

製品の寿命を長くするための工夫、あるいは寿命を全うした商品が廃棄される段階での対応

「日本初」を意識させるデザインが必要であった。通常絵具チューブは英語でデザインされるなか、ネーミング始めラベルデザインに至るまで全てが「日本語中心」でデザインされた。

デザインが技術・販売等に対して行った提案

絵具硬化時に、ユーザが市販のモンキーでキャップが開けられるよう、キャップサイズをそれに合わせた6角形が用いられている。

審査委員の評価

発注者と受注者という関係ではなく、メーカと大学が連携し共同研究からスタートし、商品化を実現させた産学協同の良き成果として、またその試み自体に新しさを感じる点を評価した。モンキーレンチが使えるようナットサイズに合わせキャップは、美しい造形であり、油絵の具に意匠性を持たすことに成功している点も評価できる。

担当審査委員| 永井 一史   佐藤 可士和   佐藤 卓  

評価ポイント( :評価された項目)
1. 良いデザインであるか (グッドデザイン商品、建築・環境等に求められる基本要素)
  • 美しさがある
  • 誠実である
  • 独創的である
  • 機能・性能がよい
  • 使いやすさ・親切さがある
  • 安全への配慮がなされている
  • 使用環境への配慮が行き届いている
  • 生活者のニーズに答えている
  • 価値に見合う価格である
  • 魅力が感じられる

2. 優れたデザインであるか (商品、建築・環境等の特に優れた点を明らかにするポイント)
  • デザインコンセプトが優れている
  • デザインのプロセス、マネージメントが優れている
  • 斬新な造形表現がなされている
  • デザインの総合的な完成度に優れている
  • ユーザーのかかえている問題を高い次元で解決している
  • 「ユニバーサルデザイン」を実践している
  • 新しい作法、マナーを提案している
  • 多機能・高機能をわかりやすく伝えている
  • 使いはじめてからの維持、改良、発展に配慮している
  • 新技術・新素材をたくみに利用している
  • システム化による解決を提案している
  • 高い技能を活用している
  • 新しいものづくりを提案している
  • 新しい売り方、提供の仕方を実現している
  • 地域の産業の発展を導いている
  • 人と人との新しいコミュニケーションを提案している
  • 長く使えるデザインがなされている
  • 「エコロジーデザイン」を実践している
  • 調和のとれた景観を提案している

3. 未来を拓くデザインであるか (デザインが生活・産業・社会の未来に向けて積極的に取り組んでいることを評価するポイント)
  • 時代をリードする表現が発見されている
  • 次世代のグローバルスタンダードを誘発している
  • 日本的アイデンティティの形成を導いている
  • 生活者の創造性を誘発している
  • 次世代のライフスタイルを創造している
  • 新しい技術を誘発している
  • 技術の人間化を導いている
  • 新産業、新ビジネスの創出に貢献している
  • 社会・文化的な価値を誘発している
  • 社会基盤の拡充に貢献している
  • 持続可能な社会の実現に貢献している

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