| 山本: | 僕が実際に建築の設計を始めた頃、もう30年も前ですが、基本的には純粋な建築をつくりたいという思いが、建築家には強かったように思います。 |
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| 森山: | そうなんです。布は不純、アルミはまがいものだという風潮はありました。 |
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| 山本: | たしかにアルミと布は最も純粋さに合わない素材でした。だから、建築雑誌に載るほとんどの住宅にはカーテンがなかった。サッシュはできれば木でつくりたい、あるいはスチールでつくりたいという方は多かったですね。スチールは見付け(編集部注:窓枠などの、見えている面の厚みのこと)や見込み(編集部注:窓枠などの奥行きのこと)をものすごく細くできますが、アルミだと見付けも見込みも大きくなってしまう。既製品の住宅用のアルミだと少し小さくなるけれども、ブヨブヨの感じで精緻感がない。 |
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| 森山: | アルミは選択肢の中にあまり入ってこないということですね。実際にご自分で使われたのはいつですか。 |
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| 山本: | 20年程前ですかね。ドイツ製のものを住宅に使ったのが最初でした。すごく高価だったのですが、巨大な一枚のガラスが納められたので、そのメカニズムとともにアルミはおもしろいなとは思いました。ただ、そのときはサッシとしてであって、建築の構造として考えたわけではありません。当時は、アルミで住宅をつくることができるとは想像すらできませんでしたね。 |
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| 森山: | 柱や梁をはじめ構造体のすべてをアルミでつくった桜上水K邸の話を伊東豊雄さんから聞いたことがありますし、難波和彦さんはアルミエコハウスという実験住宅を手掛けられたりしていますが、建築家の中にアルミ派と呼べる人たちがいるんですか。 |
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| 山本: |
以前、アルミを使った建築を実際に手掛けられている、難波さん、伊東さんの両方から別々にお話を聞いたことがありまして、それがおもしろかった。難波さんは「伊東さんはシステムをわかっていない。アルミでつくるのだから、アルミという押出材のシステムに則ってつくらなければいけない。伊東さんはすぐシステムから脱線してしまう」と言うわけです。 |
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| 森山: | 「僕はテクノロジーとディテールには何の興味もないが、アルミの家はおもしろかった」という伊東豊雄さんのコメントもあります。 |
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| 山本: | 逆に伊東さんは「俺は、建築をつくっているのであって、システムをつくっているのではない」と言う。僕は2人から別々に聞いて、おもしろいなと思いましたね。 |
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| 森山: | 第三のアルミ派ですね(笑)。しかし、お二人からそれぞれ興味深いお話を聞いたとしても、そのとき自分でやろうとは思わなかったのでしょう。 |
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| 山本: | 他人事として興味深く聞いていた。2人からいいことを聞いたと思いましたけれど(笑)。私がアルミの建築をやるとは思ってもいませんでした。しかし、アルミはおもしろい材料だな、使い方によってはいろいろなことができそうだなということは考えました。チャンスがあればとは思っていましたが、実際、アルミを使える仕事を依頼されたのは本当に偶然なんです。 |
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| 森山: | では、ご自分から、好きだ、やってみたいと言っていたわけではないですね。 |
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| 山本: | そうです。たまたまその少し前に群馬県の邑楽町の町役場のコンペがあった。原広司さんが審査委員長で、住民の意見を吸収し、さまざまな見解を受け入れることができるシステムを募ったのが特徴のコンペでした。2002年ですね。僕らは最優秀作品に選ばれ、実施設計も終わって、いざ着工というときに町長が代わって、いま止まったままです。 |
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| 森山: | よくあることですね(笑)。システムはどのような提案だったのですか。 |
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| 山本: | 50ミリ角の鉄パイプで、750×2250ミリという基本ユニットをつくって、これを組み合わせて建築をつくろうというものです。いわばレゴブロックのようなものです。レゴブロックのように基本ユニットを積み重ねていって、ゲート型のストラクチャーをつくり、建築をつくっていきましょうというプロジェクトでした。外側にはいろいろなパネルを自由に貼っていく。それはガラスでもいいし、断熱材でもいい。施工にあたっては、二つの材料を結ぶのに、梱包屋さんが使うスチールベルトでギュッと巻く方式を採用しました。ミカン箱やリンゴ箱でスチールで巻いていますが、あの巨大なものでぐっと引っ張ると二つのユニットが結合されます。そういうかたちで、構造も大臣認定を取って、溶接なしで建てられるように考えた。これはArup Japanという構造設計事務所と一緒に考えました。(詳細は山本理顕設計工場のHPの作品年表中「邑楽町役場庁舎」をご覧ください) |
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| 森山: | その考え方は今回のプロジェクトに直結していますね。まさにエコムスハウスの原型と言えるでしょう。 |
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| 山本: | 同じような感じです。これが新聞に掲載されて、SUSの社長、石田さんがそれをご覧になって、お話をいただいたのだと思います。最初はアルミ製家具のプロデュースをしてほしいという話でした。 |
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| 森山: | なかなか鋭い眼力をお持ちのようです。SUSさん自身がアルミをつくっているわけではないのですよね。 |
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| 山本: |
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| 森山: | すき間産業的に丸ごと、包括ニッチみたいなものですね。 |
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| 山本: | SUSは、大量にストックされているアルミ押し出し成形部品を利用して、家具の製造、販売もされていました。ちょうどそのころ清水で家具のショールームをつくろうと、デザイナーと一緒に家具の開発をしていたんです。この家具のプロデュース、そしてそのショールーム、また、九州の鳥栖の工場、さまざまなアルミの型材を置くためのストックヤード。これらをアルミでつくりたいというのが石田さんの要望でした。このうちのショールームがエコムスハウスとなるものです。 このショールームについては、最初のイメージでは工場の隅につくるような感じで、将来的には住宅に応用したいという展望も持っていらっしゃった。そのときに私は、工場とショールームは分けて考えて、ショールーム機能を持った住宅、モデルハウスをつくったらどうかという提案をした。アルミの家具を実際に使っている場面をモデルハウスで見られるようにした方が良いのではないかと考えたからです。これが受け入れられて、住宅のモデルハウスをつくろうという話になります。 |
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| 森山: | 非常に多岐にわたる依頼内容だったのですね。工場やショールーム、住宅までを視野に入れた構造のシステムを考えることが出発点だった。そうして「X」字型のアルミ押出材をスライスしたものが考えられていくのですね。 |
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| 山本: | 住宅というイメージが最初にあったわけではなく、まずは新しいストラクチャーをつくろうということが先にあった。工場やショールーム、住宅に共通で利用できる、アルミのストラクチャーのシステムをつくるとしたら、どういうかたちがありうるのかというところから出発しています。難波さんや伊東さんがアルミの住宅をすでにつくられていましたが、押し出し方向に材料を使っておられる。スチールでできているものをアルミに置き換えたようなものです。これとは違う方法で、もっと軽量につくる良い構造がないかと考えました。 |
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| 森山: | 「X」字のアルミ押出材をスライスして組み合わせるという、この形状は当初からのアイデアだったのですか。 |
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| 山本: | バリエーションが多数ありますが、「X」字を組み合わせるというアイデアは当初からありました。斜め方向に筋交いを入れないと横方向の荷重が受けられませんので、斜め材を入れるというスタディを当初からしていました。 |
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| 森山: | 台風のときもつっかいをすると大丈夫ですものね。 |
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| 山本: | つっかい棒がないとできませんからね。押出材をスライスしたものを積み上げるということも、初めから考えていたことです。一番最初は、正方形の内側に斜めの線を一本だけ入れた断面形状のアルミ押出材の基本ユニットを、単純に積み上げてパネルをつくろうと考えていた。この基本ユニットを4つ組み合わせると、正方形の中に、「X」字と「十」字が入っているようなかたちになります[図1]。これだと相当に材料が無駄になりますし、平米当たりの重量も重い。そこで、正方形の内側に「X」字を入れた形の基本ユニットを千鳥格子に積み上げていくという方式を考えた[図2]。
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| 森山: | そうすると随分軽くなりそうですね。 |
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| 山本: | ところが、これでもまだ材料の無駄が多いんですね。正方形と「X」で構成した基本ユニットの正方形の部分はいらない。「X」字の端同士を拘束してあげれば、鉛直荷重も、水平荷重も充分に受けられるので、これでいけるわけです[図3]。そうなると、今度はその「X」字に4つある端をどのように結び付ければよいのかということで、その接合部分のディテールを考えるのが非常に大変でしたね。
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| 森山: | 構造体が水平、垂直でないところに、私は非常に感動しました。 |
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| 山本: | ワークショップをやりながら議論していく中で、事務所の若いスタッフが、両側から握手をするようなかたちで接合して、その中心にタッピングビスをねじ込むことで、握手している部分が外側に開き、しっかりと固定できるのではないかというアイデアを思い付いた。このアイデアを構造事務所に相談しました。飯嶋俊比古さんです。難波さんのアルミの住宅の構造も手掛けられた方です。沖縄の海洋博のときから、アルミの建築をつくっておられたそうで、日本で一番のベテランといえる方です。飯嶋さんとの共同作業で試行錯誤を繰り返した末に納得のゆく形状を生み出すことができ、それが試験の結果、非常に高い強度を持っていましたので、これでいけるなと思った。
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| 森山: | スライスしたところも実はとてもすごいアイデアです。ふつうアルミをスライスして使おうとは思わない。 |
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| 山本: | 最近わかったことですが、アルミ押出材の場合、材料の押し出しの方向が重要で、方向が同じものを接合するのはやさしいのですが、方向が異なるものを接合するのはものすごく難しい。押し出し方向が同じものは相互にディテールをつくることができますが、押し出し方向が違うものはディテールをつくることができない。その意味で、アルミ押出材をスライスしたものを組み合わせて1200ミリ角のラチスパネルをつくったことは、すごくうまくいきましたね。
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| 森山: | 押し出しの方向の違うものを組み合わせようとすると、接合部を斜めにするか、噛み合わせるかということになりますから、それは押し出しのときには設計できない。後工程になってしまうからだめなんでしょうね。1200ミリというサイズはどういうふうに決まったんですか。 |
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| 山本: | 確固たる理由があったわけではないのですが、2枚で2400ミリ、3枚で3600ミリですので、住宅のモジュールとしてはまあまあいいサイズかなということです。また、240ミリの「X」を組み合わせていくとちょうどいい寸法になるということもあります。このラチスパネルも、千鳥格子状に積み上げていくだけで、十分な構造耐力が出ます。 |
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| 森山: | 20世紀初頭、オランダのデ・ステイル運動においてモンドリアンは水平・垂直線、ファン・ドゥースブルフは斜線を主張して議論となったことが伝えられていますが、とりわけ建築の分野で、斜線が造形の主要な要素になっているケースは意外とありませんね。エコムスハウスでは、斜めのアルミに光が当たったときの感じが、特別なのではないかという気がします。 斜めに感動するということは、ほとんど記憶にないでしょう。つっかい棒の話でいえば、斜めは必然的なことだけど、それが構造体として見えるという経験は建築空間としてではない。その斜めがスチールではなくアルミということは、われわれが意識しない深いところで、われわれを刺激する要素があるような気がして仕方がないんです。 |
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| 山本: | だいたい縦横で構成しますし、たしかに近代建築には斜めは少ないですね。ブレース(編集部注:建築の構造材のうち、筋交いのこと)にきくので斜めにしようと思ったけれども、そんなに強い表情になっているという意識はありませんでした。 |
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| 森山: | 造形としての斜めを求めたのではないところが、逆にプラスだったのだと思う。斜線をきれいに見せようと懲りだすと、こうはならない。 |
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| 山本: | そうですね。やっていておもしろかったのは、構造材だけど、透明感があるということです。どこに透明ガラスを持ってきてもいいし、逆に隠してもいい。外壁材を選ばないという自由な感じ、解放された感じがある。 |
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| 森山: |
ジャン・ヌーベルが設計したパリのアラブ世界研究所は、模様に見えて模様ではなく、機能じゃないですか。あれが感動的ですよね。遠くから見ると、薔薇窓を連想させたりする。これを見た時に受けるのと同様の、私たちの何かを刺激する要素がエコムスにはあるような気がしてしょうがない。 |
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| 山本: | たしかに構造に対する考え方はいままでとは相当違いますね。ラーメン構造のような剛接合をつくるのと違って、積んだだけで横方向と縦方向の荷重を受けるというのは、おもしろい構造になったと思います。 |
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| 森山: | スライスした面が私たちの目に触れる。それはコーティングしてないから、素材そのものの光です。私はそれが正しかったと思っている。コーティングしてない、カットした面のエッジの光り具合が斜めと非常に調和している。スチールだったらこのようなことはしませんでしたよね。アルミの表面のコーティングはどうなさっていますか。 |
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| 山本: | アルマイト加工をしています。カット面は加工していません。断面に関しては、最初にSUSのストックヤードを見にいったときに、大から小まで、ありとあらゆると言っていいくらいのアルミ押出材が並んでいたんです。それがすごくきれいだった。アルミの断面の美しさを実感した。この印象があったので、断面方向で使いたいとは漠然と考えていました。 |
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| 森山: | 塗らない装飾。技術表現主義ではないけれども、結果的にそう見える。表面のテクスチャーも含め色彩が、期せずしてツートンになっている。何もしてないけど、磨いたのと同等の効果がある。 |
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| 山本: | 自分でもそれは気がつかなかった(笑)。 |
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| 森山: | でも、言われてみるとそういう気がしませんか。それがものとしての魅力なのだと思う。手をかけてない、0なんだけれども、+2に見える。不思議だなと思う。 |
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| 山本: | 指摘されてなるほどと思いました。アルミ押出材の断面はなかなか見せないですよね。でも、この方向のアルミの精密さはすごいんですよ。こんなことができてしまいますからね。しかもいくら精密につくっても値段が変わらない。重量でいくらなんですね。ここをうまく利用すると、いろいろな可能性がまだまだあるということだと思います。 |
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| 森山: | スライスによって、機能が表現に転化している。私はそこに感動します。隈研吾さんも書いている。「石山修武さんが言ったショートケーキハウスのような、家族を美しくレトリックで伝えない限り売れないような住宅はアウト・オブ・デートなので、これは別の道を開くだろう」。このような考え方、ショートケーキハウスと揶揄される家族専用住居のあり方を変えたい。失礼かもしれませんが、開発の最初からそれを考えてつくられたわけではありませんよね。アルミのきれいさから始まって、開発の途中では考えられるかもしれませんが、そのためにやったのではない。 |
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| 山本: | 住宅をつくることがメインで考え始めたわけではありませんでしたし、ストラクチャーがまず先にありましたからね。X字型のアルミ押出材でモデルハウスをつくろう。ではどういうモデルハウスにしようかという順序ですね。 |
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| 森山: | どういう言葉をどの順序にしたら、みんなが理解してくれるか、伝わりやすいか、考えてくれるかということは、ものづくりでは当然ですよ。 |
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| 山本: |
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| 森山: | SOHO的な暮らしに馴染みそうですしね。ものというのは、そういうふうにできていくのだと思う。つまりバーチャルではないわけだから、システムとかライフスタイルとか言っても、そのもの自体にある種の感動がなければ広がっていかないでしょう。きれいだったら、何を言われてもみんな納得すると思う。 |
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| 山本: | それが先にないとプロジェクト自体が成り立たないですね。私たちは応援団ではないから、実際につくらなければいけない。 |
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| 森山: | 私はエコムスの応援団になってしまいそう(笑)。ユニットが軽いからすぐに送れる、しかも工期も短い、流通を含め可能性が広いですね。 |
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| 山本: | アルミとはいっても、一つのパネルが1200ミリ角ありますので、重両は30キログラムぐらいですけどね。これをストックして、どこでも持っていけますよという売り方をしたらどうかという話はあります。これに関連して今、3坪ハウスをつくろうかという話をしています(笑)。 |
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| 森山: | 3坪というと6畳。待庵は2畳ですから、立派なものですよ(笑)。 |
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| 山本: | 200万円以下で3坪ハウスができないかなと考えています。増築は自由ですし、いろいろなおもしろい展開ができると考えています。ただ、実際にやろうとすると、アルミという材料が高価であることがネックになりますね。 |
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| 森山: | アルミはリサイクルできる点でエコロジカルだといわれますが、ボーキサイトからの製造段階のエネルギー消費量は大ですから、全体としてはどうなんでしょう。 |
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| 山本: | たしかにサイクルをトータルで見たときにどうなのかはよくわからないところがあります。ただ、最初の電気分解がなければアルミが生まれませんし、既に流通しているものもあるわけです。そういう点で、どのくらい流通していて、将来的にどのくらいの量が必要なのか、きちんと試算してみる必要はあります。自動車はリサイクル率が非常に高くなってきているけど、建築はだめなんですよね。 |
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| 森山: |
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| 山本: | そうですね。その点で、アルミという素材を使うことが正しいのか正しくないのかは、今の時点では難しいところですね。アルミが産業廃棄物になっているところは、リサイクルの市場に入ってこないといけない。それが多少でもリサイクルの市場の側に動いてくれればいいかなと思います。アルミのリサイクル市場が大きくなれば、かなりいいと思います。このようなことを見据えた上で、リサイクルが可能ですよという住宅をつくるのは、提案としてはありうる。 |
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| 森山: | その通りです。しかし、すべての問題が解決されるうな、正義の味方的な解決は、現実的本質的には難しい面があることは確かです。 |
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| 山本: | 良いと思えることをした裏側には、往々にして意図していないマイナス面が潜んでいますからね。森山さんがおっしゃるとおりで、一つは最初にライフスタイルがあって、この形を考えたわけではないわけですし。アルミ住宅が全面的に正しいと言うつもりもありませんが、その可能性は非常に大きいと思います。 |
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| 森山: | それが美しい。その完成度が、次々と感動を誘発するんです。私はちょっと特殊かもしれませんが(笑)。 |
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(2005年2月17日 東京・赤坂アーク森ビルにて収録) |
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●山本理顕 ●森山明子
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