喜多俊之 対談バックナンバー

 

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喜多 俊之
工業デザイナー
2004年度グッドデザイン賞審査委員長


戦後の経済復興の時代、輸出ブームによる外国からのバイヤーの注文などにも支えられ、産業はさらに加速。Gマーク制度が生まれたのは、ちょうどその真っただ中でした。まだ、デザインという言葉すら一般的ではない時代、日本商品による外国製品の模倣問題を背景に、模倣を防止するにはむしろ創造を奨励すべきとの視点からこの制度がスタートしました。
以来、日本のデザイン力の向上を目指すと同時に、一般のデザインに対する認識と、暮らしの質の向上を目指して半世紀。現在の日本の置かれた立場は、Gマークの創設の当時と比べて一変しました。この50年間に渡るGマークの効果は、コピー製品を排除し、品質の良い製品を輸出する国へと大きくイメージを変えたのです。

そして今、日本のデザインはさらに大きく発展しました。新しいデザインの時代、産業、経済、そして心豊かな暮らしの発展において、デザインということばがその内容をさらに拡げて、世界の国々が重要なキーワードとしてとらえ始めています。
オリジナル性の高い世界製品が経済に与える影響は計り知れないものがあります。
「ハイテクノロジーとハイセンス」、特にこれからの日本製品にはオリジナリティのあるものが要求されます。世界で輸出立国として受け入れ続けられるには、この2つの条件が要求されます。
使いやすく、安全性や経済性、そして地球環境を考えに入れ、美しくまとめられた創造性豊かな製品が良いデザインとされるのですが、さらに、それぞれの作り手の特徴やキャラクター性のあるものは、ブランド力を高めるに違いありません。
市場に受け入れられる一流製品の創造は、生活や企業発展を促すものと言えます。そういった意味で、大企業も中小企業も置かれた条件はまったく同じなのです。豊かな世界の市場は、品質の良いオリジナル製品に門戸を開いています。それぞれのアイデンティティを生かしたものづくりや、タイムリーな市場とのかけあい、そして、独自の技術や素材の特徴を生かしたものづくりは、人々に夢や希望をもたらし、新しい生活文化の創造にもつながります。
デザインの時代の「Gマーク」はそういう状況を背景にして、製品の信頼と次なる発展のシンボルとして人々に愛されるマークとして育まれることを願っています。

●喜多 俊之 工業デザイナー

1969 イタリア・ミラノと日本で制作活動を開始。生活環境をテーマとした研究を始める。
1975 JID賞 受賞。
1981 ニューヨーク近代美術館のパーマネント・コレクションに WINKチェアーが選定される。
1983 アメリカ・プロダクトデザイン協会賞 受賞。
1984 ニューヨーク近代美術館のパーマネント・コレクションに KICKテーブルが選定される。
1985 毎日デザイン賞 受賞。
1987 パリ・ポンピドーセンター10周年記念展招待作家として 未来空間を提案。
1988 バルセロナ及びウィーンにおいて個展。
1990 ミラノにおいて個展。スペインにおいて、デルタ・デ・オロ賞 金賞を受賞。
1991 広島市現代美術館において個展。
1992 セビリア万国博覧会日本館回転劇場のインテリア及び椅子のデザインを行う。
フィンランド・ヘルシンキにおいて個展。
1993 第6回国際デザイン・コンペティション審査委員長を務める。
ウィーンの芸術大学の客員教授として招かれる。
1995 通産省グッドデザイン総合審査委員長を務める。
1997 ニューヨーク近代美術館及びパリ・ポンピドーセンターのパーマネント・コレクションに MULTI LINGUAL CHAIR が選定される。
1998 フランスのサンティ・エティエンヌ近代美術館のパーマネントコレクションに作品13点が選定される。
1999 フィンランドにて個展及び基調公演を行う。北京にてアジアデザイン研究センターのデザインシンポジウム基調講演を行う。
ミラノ、べローナにて個展。
2000 イタリアにて個展。
2001 ドイツ・ハンブルグ美術工芸博物館にて展覧会。ミラノで個展 " l'anima del design "。
パリ・ポンピドーセンターのパーマネントコレクションに 28型ワイド液晶テレビAQUOS、WINKチェアーが選定される。
ミュンヘン州立近代美術館およびハンブルグ美術工芸博物館のパーマネントコレクションに 液晶テレビ AQUOSが選定される。
2002 パリ、シンガポール Four Seasons Hotel、ミラノにて個展。
2003 フランクフルト、バルセロナにて展覧会。
大阪デザインフォーラム 実行委員長
グッドデザイン賞金賞 受賞(液晶テレビAQUOS LC-37BT5)


環境及び空間、インダストリアル・デザインで国際的に活躍し、イタリア、ドイツ、オ−ストリア、北欧など、海外からも多くの作品を発表する。また和紙や漆などの日本の伝統工芸に取り組むほか、地場産業を活性化する仕事に関わっている。
作品集として、「喜多俊之のデザイン MOVEMENT AS CONCEPT」「和紙と漆・伝統と復活」「Toshiyuki KITA The Soul of design l'anima del design 」などがある。

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