川崎和男 対談バックナンバー

KAZUO'S VOICE
 
KAZUO'S VOICE 034「サスティナビリティという建築」

今回は「電通本社ビル」で、2003年度グッドデザイン金賞を受賞した電通、大林組から、それぞれ、盛和春氏、猪飼富雄氏をお招きし、同ビルの建設の背景や建築のサスティナビリティについてお話しいただきました。(編集部)

盛 和春猪飼 富雄 川崎和男
盛 和春(写真左)
株式会社電通 プロジェクト・
プロデュース局 シニアプロデューサー

猪飼 富雄(写真右)
株式会社大林組 東京本社 設計本部
設計部 制作設計グループ長
川崎 和男
名古屋市立大学大学院
芸術工学研究科 教授
大阪大学大学院
フロンティア研究機構 特任教授
2003年度グッドデザイン賞
審査委員長

川崎: 2003年度のグッドデザイン賞の建築・環境デザイン部門のなかで、僕にとって印象的だった受賞対象が3点ありました。まず、六本木ヒルズは本来行政がやるべきことを民間が長い月日をかけて実現したものであり、建築そのものというよりはその周辺の計画まで景観化したものとして評価できます。次に、土砂崩れを止めるグリーンベンチ工法です。これは歴史的な技能でもあったのですが自然再生の考え方に基づいた、画期的な敷地造成手法として非常に優れたものだと思います。そして、3つめの電通ビルは素直に素敵なビルだなと言える、その美しさが印象的でした。担当審査委員の間でも非常に評価が高く、電通さんの本社ビルは、2003年度グッドデザイン金賞を受賞されています。

グッドデザイン賞の建築部門は、単に建築意匠の素晴らしさを評価するというよりは、その背景や運用などソフト的な面を評価する点が特徴だといえます。たとえば、2001年度のグッドデザイン大賞を受賞した仙台市のせんだいメディアテークは、もちろん建築も美しいのですが、それだけで評価したわけではありません。システム全体、つくり方、行政の公民館のソフトウェアをひっくるめての評価でした。今回の電通ビルの場合、その機能や性能、意匠の美しさが建築物単体として高く評価された、最初のものではないかと思います。

もちろん、美しさだけでグッドデザイン金賞は受賞できませんので、今日はそうしたお話もお聞きできればと思っています。まずは、受賞された社内的な反響をおうかがいしたいと思います。

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