川崎和男 対談バックナンバー

KAZUO'S VOICE
 

川崎: ネオボールが持っている美しさは、柳宗理さんなどがよくおっしゃっていた、アンコンシャス・ビューティ、無意識の美しさというような形容が相応しいと思うんです。この美しさというものは一朝一夕にうまれるものではなく、インハウスのデザインで20年にわたって蓄積されてきた経過という歴史が後ろから支えている部分がかなりありますね。これまで多くのデザイナーたちが、それに向かって生き生きとやってきた成果の積み重ねが確実に表れているのかもしれません。それはIDのデザイナーとしては非常にうれしく思います。個人的にはグッドデザイン大賞は常に掌の上に乗るものを選びたいところですが、大型施設になったり、IDのものでなかったりとなると、IDの仲間たちからはいわば裏切り者的な言い方でつつかれますしね(笑)。僕は、デザインは日常を支えている空気みたいな存在で見えない存在だと言っていたものですから、そういう意味ではかっこうの製品がグランプリ候補になったということで、デザイナーとして個人的には一番落ち着いたという感じはしました。
   
大野: ありがとうございます。東芝の歴史は明かりの歴史ともいえます。前身はランプからスタートし、1890年(明治23年)に日本で初めて白熱電球を、1940年(昭和15年)には日本で初めて蛍光ランプを商品化しました明かりのパイオニアなんです。東芝ライテック自体は、東芝の照明事業が分社したかたちで1989年(平成元年)に発足しましたが、明かりのパイオニアとしての自負はデザイナーたちにも受け継がれていると思いますし、川崎さんがおっしゃったような土壌があるのは確かです。

今回エコロジーデザイン賞を受賞したのは、電球形蛍光ランプ「ネオボールZ」のレフランプ形ですが、今までのネオボールシリーズの開発につきましては、1980年、世界で初めて電球形蛍光ランプを発売したときに遡ります。以来、電球サイズを実現するという高い目標を持って継続的に開発に取り組んできました。同時に、デザイナーが密接に商品企画に関与しリードしてきた歴史があります。なかでも1980年に最初の電球形蛍光ランプを開発した時に担当であった女性デザイナーの頑張りは今でも社内の伝説となっているんです。当時の東京芝浦電気株式会社・意匠部には難波さんという女性デザイナーが管球デザインを担当していました。開発当初は、蛍光ランプを曲げてグローブの中に入れる技術がなく、それを初めて東芝が開発したわけですので、その過程で、技術屋さんからハード主体のいろいろな形の提案があったらしいのですが、それに満足しない彼女が技術屋さんと喧々諤々、けんかをしたそうです。「ランプは絶対にシンプルな真球形状でなければだめ。電球代替光源としてあくまで電球のイメージにこだわり、日用品として、誰もが簡単に扱えるシンプルな形が一番いい」と一歩も譲らず主張し続けた結果、とうとう技術屋さんが折れて、真球にするために難しい技術のハードルをクリアし世界初の商品化が実現できたそうです。

1998年に初代ネオボールZでグッドデザイン金賞を取ったときに祝賀会を開いたのですが、発売当時からこれだけ進化して、小さくなって、金賞もいただいて、事業にも大変に貢献したということで、その成果を是非とも難波さんと共に喜びたいと当時、彼女とやりあった技術屋さんの取締役から粋な発案があり、もう結婚され退職していた難波さんを会社の祝賀会にご招待したほどです。そういう意味では、最初のスタートの時点で彼女が強くデザインを主張しなかったら、もっと違った形になっていたかもしれないですね。この歴史があったからこそ現在の小型でほぼ電球サイズの美しいフォルムのシンプルなデザインが開発できたと思っています。こうしたデザイナーのDNAが延々と受け継がれ、グッドデザイン金賞そして今回のレフタイプ形のエコロジーデザイン賞受賞につながったと思っています。
   
川崎: 僕も東芝にいたことがあるからよくわかるんですが、東芝はスタイリングをつくっても、プレゼンテーションなどで、かなり論理性を求められますよね。僕がいたときも、戦略意匠というある期間を設定して、その期間には集中的にアドバンスをやっていました。そのときにかなり論理を組み立てて、事業部などに見せて説得できないと、まず社内ではねられてしまう。しかし、デザイン部門内で論理が完結した造形ということになれば、かなり力を持って、技術部門、事業部門への説得性をデザイン部門全体が応援する体制になっていく。そういう背景を持っていることが、東芝のデザイン部門の非常にすぐれた部分だということです、これは、フリーランスデザイナーになってみてよくわかったんですよ。
   
大野: そうですね。論理性もそうですし、説得力のある提案性も重視しています。たとえば、デザインは事業部からの依頼テーマに対応するとともに、事業部に対して先行デザインの提案を「デザインプロポーザル展」というかたちで半期に一度、継続的に開催していました。

これは「ネオボール」から「ネオボールZ」の開発に至る話しになりますが、「ネオボール」の発売後、他社も追随してきたため一挙に普及してきたのですが、その分開発競争も激しいものになりました。本当に数ミリの寸法の小型化や高効率化、ほんのちょっとした差異で、半年から一年の短期間で開発競争を繰り広げており、非常に儲からない、シェアも上がらないという厳しい状況が続いていました。これに対して、デザイン部門では電球の代替としてのネオボールのコンセプトは絶対、コンパクトな電球形フォルムが目標だと主張し、研究所と一緒にずっと検討し、試作を作り、その成果を「デザインプロポーザル展」に2回出展したのですが、なかなか受け入れられませんでした。しかし、3回目の出展の際に、そのときの管球事業部長が非常に決断力のある人で、「よし、これでいこう」とその場で決断してくれまして、その場に企画と技術の方を集めていただき、プレゼンテーションをして、商品化のスタートにGOがかかったんです。そこから一気に進みまして、2年後に初代の「ネオボールZ」が商品化され爆発的に売れました。そして、当社で初めて照明関係でグッドデザイン金賞も受賞できたわけです。おかげさまで電球形蛍光ランプのシェアは急上昇し、業界トップになったほどで、業績賞もいただきました。

ですから、デザイナーとしては商品化決定するまで、絶対に諦めない忍耐と継続的な提案が非常に重要で、経営者としては事業的な勘というか決断力、先見性が非常に大事だと思いました。そういう状況がうまくかみ合った時に、初めていいものが生まれてくるという感じがしています。こうしたサクセスストーリーはデザイナーも会社も元気にしますので、難しいですがこういう不景気な時こそ、どんどんそうした成功事例を創っていきたいですね。「デザインプロポーザル展」の開催は、ルーチン業務をこなしながらですので、デザイナーには大変な労力がかかるのですが、デザイナーは条件が少なく、逆に自由な発想でデザインできますのでいきいきと活性化されています。この先行デザイン提案からはいくつかの商品が実現され事業貢献に繋がっています。
   
川崎: そういうことから見ると、残念なのは一般の人たちはその効能なり、すごさなりをなかなかわかってくれないということがあります。それこそ本来ストレートな蛍光灯が鞍のような形にたたまれてグローブの中に入っていて、それが従来の電球のサイズになっているというような。今回のものは、電球と同じ明るさで、消費電力は5分の1です。電球と口金が一緒なのだから、いまの電球をみんなが替えてくれれば、日本全体が相当の省エネルギーになりますね。エネルギー問題は一番大きな問題ですから、そこは生活の根本の根本としてプロモーションが必要なのかなと感じました。
   
大野: おかげさまで電球型蛍光ランプは、不況のなかでも伸長率が伸びています。他の光源が相当に伸び率が鈍化しているなかで、この電球形蛍光ランプだけは元気がいいんです。これは、一般の方の省エネに対する意識も高まってきていますし、この商品に対する理解も深まってきたのかなという感じはしています。

もちろん、われわれは資源を有効に活用することから、省エネなどの環境調和形商品が今後ますます重要なテーマとなってくると考えています。照明では、「生産」「使用」「廃棄」「再生」のサイクルの中で、「使用」の電力消費が一番に環境負荷が高いため、省エネ商品の開発に一番力を注いでいます。家庭用の照明用消費電力比ではエアコン、冷蔵庫に次ぐ3番目で、割合にして約16パーセントと高いため一層の省エネ化が必要で、ランプ、器具、インバータのトータルな改善が必要とされています。また、資源の再利用としまして蛍光ランプのリサイクルもすすめています。

一般の電球は年間約1億個が販売されていますが。たとえば、60Wの一般電球の80パーセントをネオボールZに置き換えるだけで、年間の消費電力量で約16.8億KWhも低減させることができます。これは原油換算で44万kl、CO2換算だと年間約74万トンに当たります。ということで、ネオボールZに取り替えていただくだけで手軽に省エネができるんです。確かに電球に比べて価格は高いのですが、トータルコストで考えていただければいいんです。寿命まで全部使っていただいたと考えると、経済計算では確実に安い。そのへんをユーザーの方に理解されてきたのか、売りの数字に繋がってきていますので私はいい傾向だと思っています。
   
川崎: 今日、これまで審査委員長をやられた先生方の会合がありまして、それこそ図案の話からデザインの領域が拡大している話があった中で、空間のデザインという言い方が多くなってきたけれども、正しくは「空気のデザイン」なのではないか、これからは、「間」も当然大事だが、「気」のようなことをデザインしなければいけない、という話がありました。ネオボールは、たぶん空間と空気を変えてしまう製品だという気がしますが、このような関係性はどのように捉えられていますか。
   
大野: 照明、あかり、というのは、「形のないデザイン」「形にすべきでないデザイン」というのが、究極のコンセプトだと考えています。ネオボールZとしての造形はありますが、実際に器具に搭載されて、それが発する光が空間を演出します。最終的には、その空間演出にこそランプの存在意義がある。つまり、いろいろな生活なり人々の営みがあって、その中で人々がいかに快適に暮らせる視環境を作り出せるかが最終コンセプトです。そういう意味で、電球というのは、光っていても黒子的存在でいいと思っています(笑)。

それから、私は常々、照明を「光具」と定義しています。いまでもお年寄りは、「電気を消して」とか「電気をつけて」というじゃないですか。「照明を消して」とか「照明をつけて」とはあまり言わない。どうして電気といわれてしまうのか、まだまだ日本は照明の認識が低い。欧米では照明は必ず家具と一緒の売場で雰囲気を売っていますが、日本の場合は、秋葉原や量販店、スーパーの店頭でランプ単体が売られている。光源というのはあくまでも人がいて家具があって、空間があって、その中で光をどう演出するかで、そのときに初めてひかりの効果が出るものです。そういう意味では日本人はまだまだ照明に対する意識が低いと思っています。特に住宅に関してはそうですね。照明というのは空間の演出が大事で、照明一つによって部屋が全然違った雰囲気になります。そういう意味ではもっともっと照明に関心を持ってもらい快適な住環境を作ってもらいたいですね。われわれメーカーももっと照明の快適性や重要性について啓蒙していかなければいけません。ですから、まだやることがいっぱいあると思っています。
   
川崎: 空間空間設計でいっても、インテリアとしての光環境デザインの面で、よくわかっていると思わせてくれる空間デザインは本当に少ないですね。そこに照明デザイナーを入れて、光環境デザインをやるときにも、デザイナーがどれぐらい光源の知識を持っているかというと、光や照明の根本的な知識不足のインテリアデザイナーがものすごく多いと思います。

西洋の場合には、新築するのではなく古い建物の内装を変えて、いかに光を大事にするかということを考えている。逆にいうと、日本人のほうがそれこそ谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」ではないですが、光がどれほど重要かということをよく知っていた。僕は大学を卒業するとき、光か音かどちらかをやろうと思っていたくらいで、結局、音を選んで東芝に行ったんですが、卒業制作は光と音を組み合わせたオーディオシステムをつくりました。光源については趣味的にも好きなので、そういうものにはついつい目がいってしまいます。そのへんで見ていると、照明器具商品でも、光と明かりの関係を全然わかっていないようなものが多いですし、インテリアデザインの作品を見てがっかりすることもあります。構成は良いのに何か気持ち悪いなと思うと、光りが照らすだけ照らしてあって、影が全く出ていない。光と影の関係や光と明かりの関係、明るさと影が考えられていないものが多いように感じます。ウォールウォッシャーなど、ある面一面が明るければ、心理的な明るさをかんじるというような光演出の手法など、もっともっと応用されるべきことがあるはずですよね。
   
大野: 照明はその国の文化のバロメータともいわれていますが、それは単に明るければ良いという「量」だけの問題ではなく「質」とのバランスが重要なんです。その昔、提灯、行灯、障子を通した間接光など生活空間での明かりに対して日本人は非常に繊細な感性を持っていましたしあかりの文化がありました。しかしこのようなすばらしいあかりの文化も第二次大戦後に廃れていってしまいます。当時普及した蛍光灯照明により、より明るい照明が好まれるようになり、光りの「量」主体の明かりが主流となってしまったんです。

なぜ蛍光灯が一気に普及したかというと、諸説がありますが、日本の気候風土と光色の関係、それから日本の部屋の多目的な使用方法、そして資源のない国ですから省エネに敏感、あとは戦争に敗れて暗かったので、明るい光にあこがれていたため一気に普及したとも言われています。そうしたところから日本の蛍光灯の文化がかたちづくられたわけです。すなわち、蛍光灯で一室一灯で天井真中取り付けという日本独特な照明環境ができ上がったのではないでしょうか。

しかし、欧米のほうが照明の質が高いとよく言われますが、それをそのまま真似することが日本の住空間の快適さに繋がるとは思えません。日本の歴史や日本人の感性、気候、建築、暮らしにあった最適な光源なり照明デザイン、手法があるはずですし、それをベースとして、ここちよい照明環境を創れる日本オリジナルなあかり文化があるはずです。それはわれわれがリードしていかなくてはいけないと考えています。

そうした意味で日本の明かりの「質」の部分はまだまだの部分がありますが、それを何とか底上げしようということで、地道ではありますが、われわれは一生懸命やっているんです。たとえば,ランプの光色にしても十人十色ではなくて、最終的には一人一色が理想的だと思うんです。この考えにそって10月に新商品として光色を新しくした「メロウZクリア」を発売しました、商談では非常に好評に推移していますし、あかりの質にこだわるユーザーには最適だと思っています。これは、いままで昼光色と昼白色と電球色の3色からしか選べなかったものを、倍の6色から選べるようにしたもので、お客さんは好みの光色をチョイスしやすくなる。こうした面からもあかりの「質」を高めていく努力をしています。

これをさらに進めていくためには、ユーザーオリエンテッドの考えかたに立って、明かりによってもっと生活を楽しく、潤いを与え、快適な住空間を作るための「質」の高い「あかり文化」を提供していきたいと考えています。ユーザーが受ける「ここちよさ」を常に中心に考えていくことが必要だと思います。いろいろな先進技術なりIT化なりをうまく使いながらのシステム志向も重要で、あらゆるニーズに対する最適な照明環境を提供するのが我々の使命だと考えています。
   
川崎: ネオボールとして完全な球体から、今回のレフランプの形態に変貌していますね。形態のないデザイン、これを非形態としてのデザインと呼んでもいいだろうと思います。
レフランプの形態に持っていく造形的な流れは、歴史的に見ると研究の成果なのか、あるいはデザイナーからのアプローチなのか。それが融合していった形態だろうと思いますが、そのへんはどういうふうにしてやってこられたんですか。
   
大野: 電球型蛍光ランプは、まず「電球に近づける」というデザイン、開発のプロセスがありました。一般電球は「ナス球」といわれていますが、それにだいぶ近づいてきて、その代替需要、代替光源としての基本形はできあがった。それを面として広げていくためには、一般電球で使われている電球はいろいろありますが、その中で特に使われているレフランプとかビームランプという、前のほうに光を照射する機能のラインナップも必要と考えました。

蛍光灯はどちらかというと面光源ですから、全体的に明るくなります。そういう照明が求められる空間は良いのですが、部分的に光がほしいところには使えません。また、蛍光灯はシャープに光を絞ることが難しい。そういうことを踏まえ、レフランプのように前のほうに光が行く、光を制御した蛍光ランプを作ろうということで開発しました。今回のレフランプは1.6倍も前方の照度が上がるんで、店舗向けの省エネなスポットライトには最適です。

フォルムに関しては、中の発光管と光学設計のバランスを考えて一番いいカーブを引いて、ああいう形になったわけです。目標は電球の代替として一般電球、次はレフランプという経緯はありますが、ただ全く同じ形にはできないので、蛍光灯としてのオリジナルな形を追求していった成果だと思います。
   
川崎: 日本の場合には、どちらかというと蛍光灯は冷たい光で、レストランには合いませんよという。ある種、白熱灯でないとだめではないかみたいな錯覚が、まだ全体的な常識となっているでしょう。ところが、技術的には蛍光灯でもネオボールが出てきたこと、もう一つインバーター回路が入っていることで、技術進化がものすごく、光や明かりの質そのものを変えている現実があるわけです。繰り返しになってしまいますが、残念な部分は、そのプロモーションですね。

手前みそになってしまいますが、今年デザインイニシアティブというかたちで企画展示の場を設けました。あれは学習の場という性格もありますので、来年はぜひともああいうブースも構えていただいてやっていただいて、グランプリ候補になったこと、エコロジーであるということを語っていただけるとGマークが生きるなと思います。また、今回のレフランプの形をしてこれだけの効率でということを、それをつけた照明器具、装置化されたもの、いろいろなところの照明計画で訴えていただけると、広い意味での教育の良いケーススタディになるだろうと思います。
   
大野: 蛍光ランプも随分進化していまして、ほとんど電球と同じの光色がそろっていますので、これからは地球環境も考えてどんどんネオボールZを使ってもらいたいと思いますし、またこのランプを搭載した照明器具もカタログに沢山掲載されています。あかりの質にこだわるヨーロッパでもやはり環境を優先的に考え、随分この電球色の電球形蛍光ランプが普及していますので、更にお客様のニーズにあった新商品を開発し、ここちよい環境を提供していきたいと思っています。おっしゃるとおりプロモーションも大事で、業界を挙げていろいろな媒体を使い、工夫しながらPRをやっていますので、だいぶ浸透してきてはいますがまだまだ努力が足りないと思っています。

価格もこのデフレでだいぶ下がりお求め安くなってきていますのでこれからは普及に弾みがつくと思いますが、メーカーは原価低減に追いまくられ大変な状況です(笑)。この照明業界も景気が悪く、Gマークへの照明メーカーの参加も減少していまして非常に寂しい感じがしていましたが、このような大賞をいただきましたので、照明業界としても元気を出してやっていきたいと思います。

ランプは家電や自動車などと比べますと地味ですが、まだまだ進化していますし次世代のあかりとしてLEDや有機ELのようなものも出てきており、光源の形が変化しますと器具も照明デザインも大きく変化しますのでこの開発に携わるデザイナーにとって非常に楽しみであり、まだまだやることがいっぱいあります。照明、ランプのデザインでこれからも継続してグッドデザイン賞を目指したいし、エコロジーな環境調和形商品もどんどん作って地球環境に貢献したいと思っています。そして日本の新しい照明文化づくりに微力ながら貢献していきたいとと思っています。今回は、東芝というとどうしても地味な感じがしますが、こつこつと「新しい価値の創造」をデザイナーなり技術者がやっているということを知ってもらったという点でも、今回の受賞はおおいに意義があると思っています(笑)。
   
川崎: 今回Gマークにとっては、インダストリアルデザイン部門でグランプリ候補になったことは、インダストリアルデザインの「ひかり」になりました。まさしく形容詞的に、今後のデザイン開発のプロセスで、20年という歴史をかけてでもここまでやれるのだというデザイン力の「ひかり」部が見えた。つまり、形態のないデザイン、されど「非形態としてのデザイン」という具体的な製品の進化を見ることことができました。それは明るい話題で一番よかったのではないかと思います。今度はぜひグランプリをねらってください。
本日はお忙しいところをありがとうございました。
   
  (2002年11月15日 東京・品川プリンスホテルにて収録)
   
●大野 肇
東芝ライテック株式会社 技術統括部 研究所 デザイン担当 グループ長

●川崎 和男
名古屋市立大学大学院 芸術工学研究科 教授
大阪大学大学院 阪大フロティア研究機構 特任教授
2002年度グッドデザイン賞 審査委員長
   
東芝ライテックのHP:
http://www.tlt.co.jp/tlt/index_j.htm
ネオボールZ レフランプ形の紹介:
http://www.g-mark.org/winners/grand-prize/kouho06.html
名古屋市立大学大学院 芸術工学研究科 川崎和男研究室のHP:
http://www.kz-design.net/