川崎和男 対談バックナンバー

KAZUO'S VOICE
 


今回は、2002年度エコロジーデザイン賞を「ネオボールZ レフランプ形」で受賞した東芝ライテックから同社研究所デザイン担当の大野肇氏をお招きし、20年以上におよぶ電球形蛍光ランプの開発などについて対談いただきました。(編集部)

石崎 弘文 大野 肇

東芝ライテック株式会社
技術統括部 研究所 
デザイン担当 グループ長
 
川崎和男 川崎 和男

名古屋市立大学 
大学院 教授
2002年度 
グッドデザイン賞 
審査委員長

川崎: 2002年度のエコロジーデザイン賞を受賞した、「ネオボールZ」は省エネルギーや環境に対する配慮、経済的な効果、そういうものをひっくるめて、技術に対してデザイナーがある種の指導力を発揮しながら時間をかけてやりとげてきた成果といえる素晴らしいものです。大賞候補に選ばれながら惜しくもグランプリは逃されましたが、あの6点に入るということはグランプリに値する価値をもっているものと思っています。

電球の球、光源という、演出の小道具として裏方の部分であるにもかかわらず、非常に重要なところを担っているものに対して、デザイナーがどう参画し、あるいはデザイナーがどう主導権を持ち、技術とかかわってきたのか。また、ネオボールは20年来継続して開発されていて、まさに熟成されたデザインだと思いますので、今回は、ネオボールのこれまでの開発の経緯などを中心にお話をうかがっていきたいと思います。まずは、エコロジーデザイン賞を受賞された感想や社内での反響などはいかがでしたか。
   
大野: 東芝は歴史的にも日本における光源のパイオニアで、1980年に世界初の電球形蛍光ランプを開発して以来、常に改良を重ねて新しい価値ある光を追求してきました結果、今回このネオボールZがエコロジーデザイン賞を受賞でき、更にグッドデザイン大賞にもノミネートされ大変に名誉なことであり、社長をはじめ全社で喜んでおります。まさか、このような地味な日用品が大賞候補までなるとは思ってもいませんでしたので大変な騒ぎとなりました。また、われわれ以上に、今回の審査委員の方々を含め一般の方々からも、このエコロジーなネオボールZに対して非常に高い評価をいただいたのに驚きました。メーカーとして日常的にいろいろな開発を手がけていると、逆にその商品性の良さに麻痺してしまって、過小評価してしまう面があるんです。そういう意味で、エコロジーデザインとして環境にやさしいすばらしい商品だということを外部から高く評価していただいたことは新鮮でしたし、この商品の良さを再認識する良い機会となりました。われわれはもっとこのネオボールZに自信を持って、商品をPRして売っていかなければならないと強く感じました。また、Gマークは、単なるハードのデザインだけではなく、その裏にある社会性や環境に対する企業の姿勢そして環境貢献などのソフト面やバックボーンの部分が重要で、これからのGマークの審査に大きく影響するということを再認識させられました。

わが社のGマークに対する活動は、デザイン部門が中心となり全社横断的なGマーク委員会という組織を設けて進めています。この活動の目的は「商品性向上運動」として全社の商品企画担当と連動し進めているもので、デザインだけでなく機能や品質、コストなど総合的な商品性の向上を目指した運動の一環として位置付けています。つまり、最初からGマークを目指すのではなく、あくまでも質が高く価値のある新商品開発を目標として、その開発の延長線上としてGマークが取れれば良いとのスタンスで全社的なモノづくりを進めています。

そういう意味でも今回、結果が非常によかったということで、当社管球商品の商品性が総合的に上がってきているという感触を得ました。われわれデザイナーも自信がつきましたし、一緒に開発した商品企画や技術の担当もすごく喜んでくれました。さらに、その中でもランプのような日用品であり成熟商品における差別化機能としてデザインの重要性が社内で再認識されたと思っています。こういう大きい賞を取るとインパクトが強く、波及効果の大きさを改めて実感しました。

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