今回は、建築・環境デザイン部門の環境デザインユニットの審査ユニット長をお願いする内藤廣氏をお招きし、本年度の試みとして建築分野と分割して取り組む環境デザインの審査へ向けての抱負を語っていただきました。(編集部)
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内藤 廣
建築家
内藤廣建築設計事務所
代表 |
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川崎 和男
名古屋市立大学
教授
2002年度グッドデザイン賞審査委員長 |

| 川崎: |
ウィリアム・J・ミッチェルの『シティ・オブ・ビット』以来、建築という領域に情報や環境を取り込みながら、環境という中での建築、建築を通した環境といった双方向的な考え方が現れてきたと思います。グッドデザイン賞の中でも建築デザインと環境デザインを分けて審査することで、環境デザインとは何ぞや、それに対して建築デザインとは何ぞやということを、この制度から見つめ直すことができると考えています。そいういうことで内藤さんには環境デザインの審査ユニットを引き受けていただいたわけですが、まずは、そのあたりの感想も含めながらお話をうかがいたいと思います。 |
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| 内藤: |
デザインの歴史の中でGマークは、手つかずの分野をどう評価するかに挑んできたという印象を持っています。もともと日本で「デザイン」という言葉すら認知されていなかった時代から、その概念なりデザイナーといった職能なりをどうやって伝えていくかという運動体だったと思うんです。そういう文脈において、環境という名前が適切であるかどうかはわかりませんが、未だ評価が確立されていない分野で、「環境デザイン」という括りから考えてみるのは面白いことだと思います。
この間、小林康夫さんと対談したのですが、非常に面白いことを言っていました。いままで建築については、建築家自身だったり、評論家であったりと、いろいろな人がいろいろなことを語ってきた。しかし、本当に論じなければいけないものがあるのではないか。たとえば、金がかかったということは言うけれども、文化的な側面でいいか悪いか、あるいは土木構造物、大きなランドスケーピングについて十分に言及されていないのではないか。大事については論じない、小事について論じるのではまずい。そういうことを意識化していく作業が必要ではないか。その言及の仕方は、方法論的にもいろいろ考えなければいけないけれども、それはこれからの領域としてやらなければいけないとおしゃっていました。
過去の高度成長期、GDP拡大傾向の世の中では、今日よりも明日がよいはずだから、少しでもいい車に乗りたい、少しでもいい生活環境を得たいと考えてきた。しかし、それは「私にとって」なんですね。世の中が成熟してきて意識を外側に向けてみたとき、われわれが普通に歩いている街路などがどうかというと、あまりにお粗末なことになっている。だから、次なる領域として、そういうものが一般の人たちにもっと意識され、その結果、いいものが出ていくるということがどうしても必要だと思っています。新しい審査ユニットをつくる意味もそこにあるという気がします。 |
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