今回は松下電器産業株式会社を中心として構造改革を進められるパナソニックデザイン社より社長 植松豊行氏をお招きし、松下グループとしてのデザインのビジョンについてご対談いただきました。(編集部)
 |
植松 豊行
松下電器産業株式会社
パナソニックデザイン社 社長 |
 |
川崎 和男
名古屋市立大学 教授
2002年度グッドデザイン賞審査委員長 |

| 川崎: |
松下電器さんは近年「破壊と創造」によって「超・製造業」へ自己革新するというコンセプトのもとで企業全体にわたる大胆な改革をされてきました。
この流れの中で、グループ各社に分散していたデザインセクションをひとつに統合し、この春、社内分社のかたちでパナソニックデザイン社として独立されたわけです。松下電器グループ全体を統括するデザイン部門として新たなスタートを切り、植松さんはこの設立と同時に社長に就任されました。
社長に就任されてまだ間もないのですが、まずはその設立の経緯、
また、家電が厳しい状況にある中で、決め手はデザインであることは間違いありませんので、そこでどのような戦略を持ってそこに立ち向かおうとされているのか。そのあたりをうかがわせていただければと思います。 |
| |
|
| 植松: |
松下電器は21世紀型の企業に生まれ変わるという大方針のもとで、大きな経営改革を進めております。昨年来、中村社長の「破壊と創造」という非常にわかりやすいコンセプト、つまり、これまでの20世紀型のモノづくり、経営構造や組織運営などを含め、あらゆるものを一度破壊して、お客様第一の視点からモノやサービスを提供することを第一に、それを実現するデバイスに強く、スピーディなモノづくり対応力を持つという21世紀型の姿に変えていこうという方向性が示されています。その中で、いままでのたとえば冷蔵庫なら冷蔵庫という、モノを中心としたグルーピングではなく、生活の場、またはそのベースにあるネットワークに関連するような新しい生活の提案というくくりで事業を設計していこうという戦略的な視点から、いろいろな古い体質・制度を破壊してきました。
こうした流れの中で、われわれは創造集団ですから、破壊の後の創造への取り組みの柱になると認識し、新たな価値創造を担っていくことを大きな狙いとして、これを進めていくために社内分社や関係会社に分散していたデザイナーのマネジメントを一元化し、ブランド戦略やデザイン総合戦略の推進、リソースの最適配置を行うパナソニックデザイン社を新設したわけです。パナソニックデザイン社は、新しい経営基盤において、新しい価値作りを、一元化されたデザイン集団によってリードしていくという、新しいミッションを実現することにあるわけです。松下電器分社および松下電器グループ関係会社、九州松下、松下寿電子、松下冷機、松下精工、松下電送システムのデザイナーを含めて、262名の組織としてこの4月1日に発足させました。 |
|
 |
|