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今回は新たに審査副委員長をお願いする森山明子氏をお招きし、2002年度の審査に先駆けて「Gマーク」を使ったデザインプロモーションの在り方についてご対談いただきました。
(編集部)
森山 明子
武蔵野美術大学 教授
2002年度グッドデザイン賞審査副委員長
川崎 和男
名古屋市立大学 教授
2002年度グッドデザイン賞審査委員長
川崎:
個人的には、森山さんが特許庁の審査官をされていたときにもお目にかかっているし、随分長いおつきあいになりますね。『日経デザイン』の編集長をされていたときにインタビューも受けているし、ほかのデザイン関係のものでもインタビューを受けていますが、今回初めて僕が森山さんにインタビューをする側になります。よろしくお願いします。
僕は今年、デザイナーとして30周年を迎えました。グッドデザイン賞ではその半分ぐらい間、審査委員をやらせていただいて、審査委員長は今年で2年目です。その間、デザインとは何かということを語り続けてきたつもりです。インハウスのときはインハウスの中で語り続けてきたし、フリーランスになったらフリーランスで語り続けてきて、大学人になってからも同様です。しかし、まだまだデザインが理解されていない状況があります。だから僕は今年からテレビにいっぱい出ようと思って、依頼は全部引き受けているんです。森山さんもこれまで、特許庁の審査官として、デザインジャーナリストとして、武蔵野美術大学の教授として、デザインという領域で、それぞれの社会的な役割を担われてこられたと思います。お互いに世の中に向けてデザインはこういうものなんですよということを語ってきた仲間だと思うんですね。今回グッドデザイン賞の審査副委員長になられましたが、僕としてはこの部分を共有していだいて、改めてグッドデザイン賞を通してデザインとはこういうものですよということを、今年、来年と一緒に考え、語っていただきたいと思います。
まずは、これまでの審査委員の経験を通して、グッドデザイン賞をどんなふうに見ておられるのかをおうかがいしたいと思います。
森山:
グッドデザイン賞は、デザインを語るということもあるし、デザインがどうなってほしいということもあるんだけど、いま川崎さんがおっしゃったように、デザイン批評的なものも含めてデザイン振興、プロモーションというフィールドできちんと考えを整理していったほうがいいだろうと思っています。去年の試みの中では、『私の選んだ一品』という本が新しいグッドデザイン賞のシンボリックな試みで、なかなかおもしろくて、今回は川崎さんとこの話をしようと思ってきたところがあります。この本の何が良いかというと、グッドデザイン賞の審査員の方々の文章が非常によくまとまっている。好ましい文章にまとまっているという点です。また、当然デザインについて語っているわけですが、このデザインについて語る60人の語り口が、いままでとちょっと違うんだなと思ったところがあるんです。というのは、グッドデザイン賞で最も大事なのはもちろんセレクション、選考することですが、その結果としての年鑑、1冊の『グッドデザインアワード・イヤーブック』は、インダストリアルデザインについてのデザインの観点からのドキュメントとしてこの世にこれ以外にないという面を持っています。それに類する資料としては、あとは企業のカタログぐらいしかない。このイヤーブックのように網羅的であることはとても大事で、あれには部門を代表する審査委員のパブリックな言葉でまとめられた、審査講評が掲載されている。これが、それまでの語り口であったわけです。
ところが、『私の選んだ一品』は、「私の選んだ」とタイトルになっているので、「部門を代表して」というほど重いものを背負っているわけではない。グッドデザイン賞あるいはデザインを語る語り口が、まさにパブリックなパーソンとして語る語り口と、パブリックだけれども「私」で言い切っていい語り口が、2001年度に川崎さんのもとで奇しくも形になったのがシンボリックだなと思いました。
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