川崎和男 対談バックナンバー

KAZUO'S VOICE
 


今回は自動車分野の審査の中でデザインに関する躍進が話題を呼んだ三菱自動車工業株式会社より、乗用車デザイン本部プロダクトデザイン部長 水谷弘氏をお招きし、全社に及ぶ組織改革についてご対談いただきました。

(編集部)

水谷 弘 川崎 和男
水谷 弘
三菱自動車工業株式会社 乗用車デザイン本部
プロダクトデザイン部長
川崎 和男
名古屋市立大学 教授
2001年度グッドデザイン賞審査委員長

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川崎: 自動車というのは、プロダクトデザインあるいはインダストリアルデザインの代表格で、その時代時代を的確に表現する、言ってみれば20世紀に培った要素が統合化されたかたちで出てくる商品アイテムであると思います。それゆえに抱えている問題も多岐にわたります。とりわけ、企業環境、また地球環境、その背景にある石油文明をひっくるめて、環境と人間の暮らしという中で車の存在はどうあるべきかということに関しては常に問われ続けている課題です。一方、ものすごく成功しようとしている会社、あるいは経営的に再復活しようとしている会社など、これまでひとくくりにできた日本の自動車メーカーがそれぞれのオリジナリティを発揮していこうとしている。そのときに、デザインは不可欠の要素であり、デザインがその牽引力になっていくことは明らかだと思っています。

こうした状況のなかで三菱自動車さんは、さらに非常に苦しいところからの脱却を図られている。その脱却されていこうとする姿勢が、2001年度のGマークに選ばれたものに少しずつ見え始めていると感じました。その背後では、デザイン部としても相当の覚悟で改革に取り組んでいらっしゃるのではないか。三菱自動車のデザイナーにお会いすると「うちは変わりますよ」と皆さんキラキラとしておっしゃる。そこからは元気になろうという意気込みのようなものを強く感じます。企業はデザイナーの元気がないと活性化には取り組めないと思うんです。今回の対談では、ぜひとも元気の源についてお聞きしていきたいんです。
   
水谷: 2001年度のグッドデザイン賞では、eKワゴン、エアトレックという商品が受賞しましたが、これらは正確には「ターンアラウンド計画」(2001年2月26日に骨子を発表 →同社プレスインフォメーション)を開始してから構築した作品ではなく、まだ旧体制を引きずりつつ進んだという面もあります。最近は早くなったとはいえ、自動車は発売にこぎ着けるまで、デザインを決め、モデル固定してから1年半程かかりますからね。
   
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