川崎和男 対談バックナンバー

KAZUO'S VOICE
 


今回は商品デザイン部門で2件の2001年度グッドデザイン金賞を受賞したヤマハ発動機株式会社より、研究開発センター 清水健一氏とプール事業部 矢倉裕氏をお招きし、社内にデザイン開発部門を持たないデザインマネージメントについてご対談いただきました。

(編集部)

ヤマハ発動機 川崎 和男
清水 健一(左)
ヤマハ発動機株式会社
研究開発センター 企画室

矢倉 裕(右)
マハ発動機株式会社
プール事業部 営業部長
川崎 和男
名古屋市立大学 教授
2001年度グッドデザイン賞審査委員長

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川崎: 2001年度のグッドデザイン賞でヤマハ発動機さんは、大型スクーターのTMAXと仮設プールの水夢21でグッドデザイン金賞を獲得されました。ひとつの企業が金賞を一度に二つも取られるということは非常にまれです。一般的な企業イメージからいってもそうですが、根本的にはヤマハ発動機さんは極めてデザインオリエンテッドな考えを持っていて、うまくデザインを活用されている成果だと考えています。今日は、金賞を受賞されたもののなかでもひときわ評価が高かった水夢21の開発苦労話やヤマハ発動機のデザインマネージメントについてお話をうかがっていきたいと思います。

まずは、プールの話をうかがいますね。コンセプトは「ファストプール」ということでしたが、デザイナーは、実はデザインはプールの外観の心地よさを追いかけながら、プールの周囲40cm幅のところの波をどうするかというところにまでかかわっておられる。プールを使用する人にとっては、一方では競泳でスピードを出すためのトラックであり、もう一方ではシンクロナイズドスイミングのステージであるという、トラックとステージの両方の機能性を高いレベルで兼ね備えたものをデザインとして成功させたわけですよね。また、仮設構造による大幅な低コスト化を実現しながら、設置の合理性や精度も高水準というのは驚きです。非常に画期的な商品であり、これらの点が高く評価されての金賞受賞です。この開発プロセスに関して、ともかく苦労された点を、是非お聞かせ願えればと思います。
   
矢倉: 実はこの商品をつくりあげるまでに3年半かかっています。開発の最初期から「50mプールはこうでなければいけない」「競技用プールはこうでなければいけない」「建物はこういう条件だから、重さはこうしなければいけない」というように、はっきりしたスペックが要望されていました。3750トンの水をどう受け止めるのか、国際公認プールとしての設置精度をどうクリアするのか、仮設のプールとしていかに早く施工するかといった諸条件が明確にあったので、それを追究するというのが最初の2年間でした。
   
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