GOOD DESIGN AWARD

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2020

GOOD DESIGN|グッドフォーカス賞[防災・復興デザイン]

受賞対象名
建築 [熊本城特別見学通路]
事業主体名
熊本市
分類
公共の建築・空間
受賞企業
株式会社日本設計 (東京都)
受賞番号
20G171132
受賞概要
2020年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

熊本地震により熊本城は甚大な被害を受け、熊本城の復旧工事完了までは約20年の時間が必要となった。まちのシンボルである熊本城の復旧工事をクローズした工事ではなく、被災した城内で文化財の復旧過程をリアルに見る事が出来る建築を実現させる計画である。 この建築は、熊本城の復旧を見届ける20年間のみ存在する仮設の空中歩廊である。

デザインのポイント
1.20年間の文化財復旧の姿を見せる、日本初特別史跡内の建築物の実現/被災した熊本城の復旧工事の見学実現
2.熊本城の景観と調和したデザイン/既存樹の保存、透過性高いメッシュやフレーム採用、熊本城に残る色彩選定
3.ロングスパンアーチ構造、リングガーダー構造の採用により石垣を飛び越え、遺構に配慮した見学通路の実現
プロデューサー

熊本市

ディレクター

株式会社日本設計

デザイナー

塚川譲、堀駿/株式会社日本設計

左:塚川譲 右:堀駿 共に株式会社 日本設計

詳細情報

http://castle.kumamoto-guide.jp/

竣工
2020年3月
販売地域

国内・海外共通仕様

設置場所

熊本市中央区本丸地内

受賞対象の詳細

背景

【開かれた復旧工事を可能にする】 2016年4月の熊本地震により熊本城は甚大な被害を受け、熊本城の復旧工事完了までは約20年の時間が必要となった。本計画は、まちのシンボルである熊本城の復旧工事をクローズしたまま行うのではなく、被災した城内で文化財の復旧過程をリアルに見る事が出来る建築(開かれた復旧工事)を実現させる計画である。 この建築は、熊本城の復旧を見届ける20年間のみ存在する仮設の空中歩廊である。

経緯とその成果

特別史跡内の厳しい制限による設計条件をクリアし、熊本城の景観と調和した設計を行う必要があった。 敷地の地中及び地表には多くの遺構が確認されており、地面堀削や樹木伐根は不可であり、杭を打つ事も出来ないため、置き基礎とし遺構に配慮した。 敷地は継続的な復旧工事が続くため、工事車両動線と見学通路を立体交差させ、安全な見学空間の両立をさせている。 既存樹木は残したいと考え、3Dモデルで検討し最小限の伐採とした。 この場所に馴染むよう床板は熊本の桧とし、構造の軽量化にも役立てた。架構はラチスフレームで透過性の高い構造とした。欄干部はメッシュを組み合わせ、景色を透過する白屏風をデザインし、置き基礎は杉板化粧を施し主張しすぎない環境と一体となった佇まいを目指した。 針の穴を縫うように空間を繋ぎ合わせて行く作業を繰り返す事で、全長350m、高低差21mの一筆書きの柔らかな弧を描いた見学通路が出来上がった。

仕様

敷地面積:423,477.31m2  建築面積:927.42m2  延床面積:219.70m2  階数:地上1階 構造:S造 一部SRC造 地域地区:第二種住居地域、法22条区域、都市計画公園、特別史跡

どこで購入できるか、
どこで見られるか

熊本城
熊本城公式サイト

審査委員の評価

熊本地震により甚大な被害を受けた熊本城は、約20年を要する復旧工事のプロセスを一般公開することになった。本計画は、これを受けて復旧工事の見学ルートとなる仮設の空中歩廊のデザインである。仮設通路のデザインとなると、とかくありがちな傾向の一つはとにかくローコストを目指した乱暴な計画で、見学対象をスポイルするようなものである。一方で、行き過ぎたデザインにより見学対象より目立ってしまい、同じく見学対象をスポイルしてしまうケースである。残念なことではあるが、多くの仮設計画では、これら2つのいずれかに至ってしまうことが多いように思われる。この計画では、極めて丁寧なデザインで、見学対象物の邪魔になることもなく、それでいて仮設物単体としても極めて美しい建築物となっている稀なる事例であり、そのデザインを高く評価したい。

担当審査委員| 伊藤 香織   五十嵐 太郎   山崎 亮   山梨 知彦  

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