GOOD DESIGN AWARD

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2020

GOOD DESIGN|グッドデザイン・ベスト100

受賞対象名
市役所市民ロビー改装 [神戸市役所1号館1階市民ロビー]
事業主体名
神戸市
分類
公共の建築・空間
受賞企業
神戸市 (兵庫県)
株式会社中村竜治建築設計事務所 (東京都)
受賞番号
20G171084
受賞概要
2020年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

待合や打合せや隣接するカフェの喫茶席などの機能をもつ市役所ロビーの改装である。建物はそのままとし、角が無く平らで大きさも素材も様々な45個の家具群によって機能や空間や風景をつくる試みである。高さを揃えることで、状況や解釈次第でベンチにもテーブルにもなり、多様な場所を生むと同時に自ら使い方を考えられる空間をつくりだす。

デザインのポイント
1.全て高さを揃え、椅子と机の区別をなくし、使い方によってその都度異なる機能が立ち現れるようにしている。
2.個々の平面を長方形と楕円形の中間ぐらいの形とし、配置や使い方の方向性が無くなるようにしている。
3.使われた様々な地元産木材の樹種名を天板側面に焼印し、質感と名前を結び付けて感じられるようにしている。
プロデューサー

神戸市 企画調整局

ディレクター

株式会社中村竜治建築設計事務所 中村竜治、若木麻希子

デザイナー

株式会社中村竜治建築設計事務所 中村竜治、若木麻希子

詳細情報

https://design.city.kobe.lg.jp/category/project/city-hall-design/

利用開始
2017年10月
販売地域

日本国内向け

設置場所

兵庫県神戸市中央区加納町6-5-1神戸市役所1号館1階

受賞対象の詳細

背景

神戸市が推進する「デザイン都市・神戸」の創造会議での意見をもとに始まった「庁舎の見直し計画」の一環である。小規模な改装ながらプロポーザルコンペが行われ、市役所のロビーというだけではなく、デザイン都市・神戸の顔としての空間が求められた。待合、休憩、簡単な打合せ、隣接するカフェの喫茶席等の機能をもち、一体的に使え、将来の変化にも対応できる柔軟性も必要とされた。従来の様に予め決められた機能や空間があり、それに従って使うというやり方では、今の人々の振る舞いや感覚には合わないことが容易に想像された。そこで、用がなくても誰もが気軽に立ち寄れ休んでいける野原や公園の様な場所で、自ら能動的に居場所や使い方を考えられる空間にしようと考えた。

経緯とその成果

ロビーはエントランスホールなど他の場所と緩く繋がっている上にあまり傷んでもいなかったため、建物はほぼそのままとし、必要となるベンチやテーブル群によって揺れ動き輪郭の無い空間をつくることを考えた。水面に漂う無数の木の葉の様に、木製の板が同じ高さでくっ付いたり離れたりしながら不均質に散らばっている状態をイメージした。主に4つの操作(高さを揃える、角を無くす、大きさを全て変える、樹種を多数使う)による方向性がなく様々な配置が可能なベンチともテーブルともつかない家具群は、1つのまとまりをつくりながら多様な居場所をつくると同時に使う人に様々な使い方を促し、その結果、思いがけない風景が日々生まれている。また、神戸市が保管する六甲山や市内の整備で出た木をできるだけ使い、その樹種名も焼印することで、木の質感と名前を結びつけながら感じられ、木やそれが育つ山に親しみや興味をもつきっかけをつくっている。

仕様

延床面積:340㎡ 家具平面寸法:400x400〜1200x2400㎜ 家具高さ寸法:440㎜ 天板素材:銀杏、朴、楢、棈、椎、桜、楠、榎、樅、檜、杉(地元産材)

どこで購入できるか、
どこで見られるか

神戸市役所1号館1階市民ロビー(兵庫県神戸市中央区加納町6-5-1)
デザイン都市・神戸ウェブサイト

審査委員の評価

市民に開かれたロビーの改修計画。建築の劣化が進んでいなかったため家具を中心とした改修計画となったが、そこに導入された家具のデザインがユニークな作品。通常は、並べ変えや収納のために、テーブルの形状は矩形となりモジュール設計されることが多い。均等均質の座席配置を実現できるため、効率が重視される空間では疑われることないありがちなデザインである。ただし、均質であるがゆえに、部屋の空間の方向性(上座や下座)により強いヒエラルキーが生まれてしまいがちでもあるのだが、これに対するデザイナーのカウンターアクションは少なかった。ここでは、楕円と長方形の中間的な形状をもつ、通常であればスタンドアロンでつかわれるかたちをもったテーブルが、大きさも材質も異なる複数のものが配置されることで、これまでに見たことがない個性的で多様な個人の居場所が生みだされている。その結果、座席の一つづつはオンリーワンの居場所を持ちながらもヒエラルキーが消えて、市民のための空間にふさわしい新しい平等性が生まれている点がユニーク。

担当審査委員| 伊藤 香織   五十嵐 太郎   山崎 亮   山梨 知彦  

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