GOOD DESIGN AWARD

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CC

2020

GOOD DESIGN|グッドデザイン・ベスト100

受賞対象名
住宅団地 [大師堂住宅団地]
事業主体名
飯舘村
分類
小規模集合住宅
受賞企業
株式会社はりゅうウッドスタジオ (福島県)
飯舘村 (福島県)
関場建設株式会社 (福島県)
受賞番号
20G140921
受賞概要
2020年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

福島県で建設供給されたログハウス仮設住宅を移築再利用した公営住宅。仮設住宅として計画した段階から、ログハウスの構法的利点である解体・組み立てのしやすさを活かした再利用・転用を想定し、シンプルな間取り構成としていた。仮設時の壁位置はそのままに、当時の間取りも活かしながら飯舘村の公営住宅として新たな生活の場を計画した。

デザインのポイント
1.東日本大震災のログハウス型応急仮設住宅を解体・移築し、帰還者向け公営住宅として再利用した。
2.屋根・外壁・基礎外周部の断熱性能を向上させ、室内ではログハウスの木の素材が感じられるデザインとした。
3.1820mm程度の広さを付加し、軒下に縁側空間をつくり、住民同士が交流する場を計画した。
プロデューサー

飯舘村 菅野典雄

ディレクター

株式会社はりゅうウッドスタジオ 滑田崇志

デザイナー

株式会社はりゅうウッドスタジオ 滑田崇志、芳賀沼整、松本鉄平

利用開始
2020年4月
販売地域

日本国内向け

設置場所

福島県相馬郡飯舘村草野字大師堂113-21

受賞対象の詳細

背景

東日本大震災後の福島県において6000戸以上の木造仮設住宅が作られた。そのうち約600戸が丸太組構法によるものであった。 全国的にも珍しい事例であり、避難者にとってもプレハブ仮設住宅と比べて快適な居住環境が提供された。 一方でリユースのシステムのない木造仮設住宅の再利用は当初から懸念されていた。部材点数が少ないため再利用に適したログハウス型の仮設住宅は、本事例だけでなく、50戸以上の再利用に取り組んでいる。 飯舘村は原発事故後、全域の避難指示を受けた。現在も村の一部では帰還困難区域に指定される地域もある中、少しずつ帰還者数は増えつつある。村では避難者らを対象とした災害公営住宅を整備する方針を示し、県内で使われていたログハウスタイプの木造仮設住宅を再利用するプログラムが組まれた。 寒冷地でもあり、木の温かみをもった質感を残し、同時に居住環境性能を高めることを念頭に置いた。

経緯とその成果

二本松市と南相馬市の応急仮設住宅団地にあったログハウス仮設住宅の解体・移築を行った。本プロジェクトではログハウス躯体(ログシェル)の再利用と、仮設住宅から屋根・サッシ・設備などを一新して居住性能の向上を図った。室内側はログシェルをそのまま表し、開口部や間仕切り壁はその断面形状をみせる納まりにして特徴的な木の厚みを可視化した。 環境性能の向上としてログハウス躯体(ログシェル)の外側にグラスウール100mmの断熱補強を行い、高断熱・高気密住宅として生まれ変わらせ、冬季間でも床下に設置したエアコン1台での空調を目指した。 既存仮設住宅に風除室・軒下空間・外部デッキを付加してバリアフリー化を図り、ここで初めて生活する方々が互いに交流が持てるような場を設けた。間取りは仮設当初からのログシェルを活かした一室空間を基本として、様々な居住者の住まい方に対応できる空間を計画した。

仕様

敷地面積:2200.78㎡ 建築面積:531.38㎡ 延床面積:472.78㎡ 木造(丸太組構法) 平屋

どこで購入できるか、
どこで見られるか

福島県相馬郡飯舘村草野字大師堂113-21
はりゅうウッドスタジオ 大師堂住宅団地

審査委員の評価

自然災害は、もはや日常となってしまった。その意味で仮設住宅の必要性も、決して喜ばしいことではないが、日常性を帯びつつある。従来の仮設住宅は、迅速に着工/供給するためにプレハブ化され、役目を終えれば撤去され、再利用の可能性もまだ充分に検討が進んでいるとは言えない状況にあった。そのような背景の中で「大師堂住宅団地」は、再利用を前提に計画した仮設住宅を、公営住宅として計画し直したものである。ログハウスという比較的簡便な施工方法を採用したことで、多くの部材をそのまま活用することが可能となり、加えて環境性能の向上やコミュニティのためのコモンスペースなども創出しながら新たな住宅地に蘇らせている。設計も緻密かつ丁寧に行われていて素晴らしいが、何よりもこの資材循環の実現が社会的な意義としては大きい。今後のモデルになればと思う。

担当審査委員| 手塚 由比   小見 康夫   千葉 学   山﨑 健太郎  

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