GOOD DESIGN AWARD

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2020

GOOD DESIGN|グッドデザイン・ベスト100

受賞対象名
大学の国際学生寮 [まちのような国際学生寮(神奈川大学新国際学生寮・栗田谷アカデメイア)]
事業主体名
学校法人神奈川大学
分類
中〜大規模集合住宅
受賞企業
学校法人神奈川大学 (神奈川県)
株式会社オンデザインパートナーズ (神奈川県)
オーヴ・アラップ ・アンド・パートナーズ・ジャパン・リミテッド (東京都)
受賞番号
20G140911
受賞概要
2020年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

住む人ひとりひとりの個性に期待し、集まって住む悦びを再考したい。この建築は、異なるバックグラウンドを持つ学生が国内外から集まり、共同生活を通して交流し学ぶ国際学生寮である。日常の中で育まれる「持続可能な交流のかたち」をテーマに、個が集合し、郡となることで生まれる、ひらかれた生活環境(共用部)の創造を目指した。

デザインのポイント
1.生活場面のほとんどを共用部に持ち出し、居住者の日常生活自体が交流の機会となる交流空間としての共用部
2.求心性のある居場所(ポットと呼ぶ)を吹抜けに立体的に点在させ、多中心に広がる生活風景を創り出した
3.吹抜のトップライトがつくる不均質な光環境が、居住者の自由な振る舞いを促す外的な内部環境を実現した
プロデューサー

神奈川大学キャンパス整備計画委員会

ディレクター

神奈川大学キャンパス整備計画委員会専門委員 重村力、石田敏明、内田青蔵、山家京子、曽我部昌史、中井邦夫

デザイナー

株式会社オンデザインパートナーズ 萬玉直子、西田司、神永侑子、西田幸平、岩崎修+Arup 徳渕正毅+安宅防災設計+STGK Inc.+岡安泉照明設計+KMD Inc.+藤森泰司アトリエ

オンデザインパートナーズ のデザイナー

詳細情報

https://www.kanagawa-u.ac.jp/campuslife/living/akademeia/

利用開始
2019年7月15日
設置場所

神奈川県横浜市神奈川区

受賞対象の詳細

背景

コミュニケーションを生む建築とはどのようなものだろうか?入居者同士の交流、地域との交流など、昨今、多様な交流を前提とした共用部が求められるなかで「人が集まることのできる箱を用意=交流空間」と捉えられがちである。集まって住むビルディングタイプの中でも、住む人を想定しやすく、どんどんメンバーが更新されていき、より日常的な交流が期待される「寮」において、空間側が生活単位や交流単位を限定せずに、入居者の日常的で主体的な振る舞いから、小さな交流が同時多発的に生まれる共用部を目指した。この「まちのような国際学生寮」では、床と壁で区切られた空間単位ではなく「居場所と居場所がつながるような多中心な全体性を持つ共用部」のデザインを考えた。設計段階より、学生との居場所アイデアWSの実施や、建築学科の教授陣をはじめとした多くの教職員とのハード/ソフト一体的な検討の積み重ねにより建築の具現化を進めた。

経緯とその成果

210室の個室は最小限の空間とし、共用部を最大化させることで、生活のほとんどが共用部に溢れ出す面積配分と機能配置とした。共用部は、料理・食事・洗濯・入浴・学習・団欒など様々な生活活動を受けとめるため「パブリック空間のひとりでも居られる居場所のデザイン」に注力した。形式としては1〜4階まで繋がる吹き抜け空間のまわりに個室が並ぶ「吹き抜け付き中廊下タイプ」である。廊下には吹き抜けに対してバルコニーのようにスラブが張り出した居場所(コーナーポット)があり、上下階を繋ぐ多方向にかかった階段の踊り場を居場所(ポット)化している。それぞれの居場所(ポット)の仕上げや腰壁高さや家具などを違ったデザインとし、大きな吹き抜け空間の中に求心性ある場が展開した。この吹き抜け空間は、避難動線を外部階段やバルコニーで解くことによって設計の自由度を獲得している。1階は敷地形状に合わせたストリート状の共用部としている。

仕様

敷地面積:5,492.47㎡/建築面積:2,233.94㎡/延床面積:6,065.63㎡/建蔽率:40.67%/容積率:109.25%/階数:地上4階/最高高:14,350mm/軒高:13,520mm/主体構造:鉄筋コンクリート造+鉄骨造/杭基礎:直接基礎/地域地区:第一種中高住居専用地域,準防火地域,第三種高度地区

どこで購入できるか、
どこで見られるか

神奈川県横浜市神奈川区栗田谷
神奈川大学 公式ウェブサイト
栗田谷アカデメイア Instagram 寮生運用アカウント

審査委員の評価

この作品は、大学の国際化に伴って最近増えつつある国際学生寮の1つだが、学生らの交流を本気で考え、それが共用空間のありようさえも変えたという意味で注目に値する。4層吹き抜けの共用空間の踊り場には「ポット」と呼ぶ、10㎡程度のシェアスペースが19か所も設けられ、それらが立体路地の様に重層的に散りばめられている。狭い個室よりそれらの場所に居た方がずっと楽しいと思わせる空間構成は巧みで、今後の寮のあり方に一石を投じるに違いない。コロナ禍で住まいのあり方が見直されるようになったが、学生寮も然りである。そんな今を「予見」していたかのような先見性も感じられる作品である。

担当審査委員| 手塚 由比   小見 康夫   千葉 学   山﨑 健太郎  

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