GOOD DESIGN AWARD

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CC

2020

GOOD DESIGN|グッドフォーカス賞 [地域社会デザイン]

受賞対象名
旅客船(高速船) [シースピカ]
事業主体名
株式会社瀬戸内島たびコーポレーション
分類
鉄道・船舶・航空機
受賞企業
株式会社瀬戸内島たびコーポレーション (広島県)
受賞番号
20G130851
受賞概要
2020年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

瀬戸内エリアの観光振興と地域の活性化を目的として、同エリアで事業を行うJR西日本グループと瀬戸内海汽船グループが、業界の垣根を越えて新造した双胴船。重量制限が厳しい高速船ながら、船内を自由に歩き回ることが可能で、瀬戸内海の多島美を楽しむための設備・インテリアを最大限盛り込み、スピーディで新しく豊かな旅を提供する。

デザインのポイント
1.シートベルトがなく、1階客室と2階デッキをバリアなく自由に歩き回ることが出来る新しい高速船
2.景色がすべての座席から楽しめるよう、窓側の背もたれを低くした新規開発座席など様々なタイプの座席群
3.瀬戸内海の旅の時間を大幅に短縮する高速船、クルーズ船に近い居住性・快適性・楽しさと装備を両立
プロデューサー

瀬戸内海汽船グループ+JR西日本グループ

ディレクター

株式会社イチバンセン 川西康之

デザイナー

株式会社イチバンセン 川西康之、興津みなみ

デザイナー 川西 康之, 興津みなみ

詳細情報

http://setonaikaikisen.co.jp/simatabi/

利用開始
2020年8月20日
価格

6,000円 (販売価格は「瀬戸内しまたびライン」コースご利用の場合の代表的な旅行商品価格の一例)

販売地域

日本国内向け

設置場所

広島県

受賞対象の詳細

背景

瀬戸内海エリアは「多島美」と呼ばれる世界有数の景観を有するが、現状は魅力的な観光コンテンツと周遊ルートが未整備なため、国内外の観光客の訪問先が特定の地域に偏って集中している。そこで、この課題解決と地域活性化を目指して、JR西日本、瀬戸内海汽船、国土交通省中国運輸局の3者で瀬戸内エリアの海事観光の振興に向けた連携協定を結び、観光コンテンツ開発や、MaaS導入の実証実験、地産品の発掘発信など新しい取り組みを始めた。本船導入はこの取組の目玉で、これまで日本にほぼ前例がない、国内外からの瀬戸内の島嶼部観光を主眼にした設備と性能を備えた高速クルーザーであるとともに、広島港と三原港を東西に結ぶ新しい観光航路を開設し、JR新型観光列車やアクセスバス、サイクリングと連携することで、新たな周遊ルートを創出する。加えて、地域自治体や観光事業者と連携した着地の観光開発も用意し、従来にない新しい瀬戸内を提案する。

経緯とその成果

本船の乗客にとって一番大事な価値は、瀬戸内海の景色だ。ただし、島嶼部の中小の港にも寄港できる全長の制約、高速性能ゆえの重量制限、定員約90名が採算上の条件とされたことから、平面プランは断面3-4-3の配列になり、中央部の座席からは景色を望むことが難しくなる。そこで、窓側席の背もたれを大幅に低くし、かつ向きを3度ほど窓側に振ることで、船体中央部からも景色をかなり感じられるように工夫した。軽量化のためリクライニング機構を排したソファ席を開発。限られた船内ながら様々なお客様に対応するため、グループ向け座席やボックス座席、ソファや案内カウンター、前方眺望・多言語案内用スクリーンを具備。揺れが少なく観光に適した双胴船とし、高速航行中でも自由に船内を歩き回れるため、より視界が広がる。2階へは車椅子対応のバリアフリー設備を備え、半屋外の暴露デッキにも様々なベンチを配し、スピード感あふれる景色を楽しめる。

仕様

長さ:25.70m 幅:6.80m 深さ:2.40m 総トン数:90トン 主機610kw×2機 速力:22ノット  材質:アルミニウム合金 最大搭載人員:旅客92人 船員3人 合計95人

どこで購入できるか、
どこで見られるか

広島市宇品港〜三原市三原港を主な発着地とし、西瀬戸内海海域を運航 母港は広島県江田島市小用港
JR西日本を中心に地域が連携しコンテンツと周遊ルート開発を推進する「せとうちパレットプロジェクト」
せとうち観光のためのMaaS『setowa』
本船の公式アンバサダー STU48

審査委員の評価

大都市が周囲に点在していながら、世界で最も美しいと言われる多島海である瀬戸内海の魅力を満喫しながら、船内でのくつろぎや、ほとんどの島を結べる移動手段としても使える高速観光クルーズ船はこれまでなかった。小さな島の港にも入港できるサイズ、採算のとれる席数、島々を俊敏に結ぶ巡航速度などさまざまな制約条件をデザインの力で克服した、新しい船の作り方を示した成功事例である。デザインの難しい双胴船にうまく曲線を使って優雅さとスピード感を表現したフォルムも素晴らしい。

担当審査委員| 根津 孝太   内田 まほろ   森川 高行  

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