GOOD DESIGN AWARD

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CC

2018

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
自然葬地 [清凉院 樹林墓苑]
事業主体名
宗教法人東長寺
分類
ランドスケープ、土木・構造物
受賞企業
宗教法人東長寺 (東京都)
宗教法人清凉院 (宮城県)
株式会社ヒュマス (東京都)
受賞番号
18G121061
受賞概要
2018年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

清凉院の樹林墓苑は、当地に相応しい自然葬地の在り方として海への眺望を活かし、健全な林内環境を管理・育成することで、景観および植生の豊かな樹林そのものを墓苑としている。既存のスギ林を間伐して林床を整備した上で、残ったスギの大木に埋葬地が寄り添う「森の墓苑」と、列状間伐により海への眺望が開かれた丘に在来植生の草花と共に埋葬される「草原の墓苑」を造成した。寺院が墓苑を創り、見守り続けるという行為によりその自然環境が育まれ、更に供養料の一部が地域支援活動にも充てられる。墓を媒介として故人の意思が地域の未来に繋がるという試みは、多死社会を迎える日本での新しい葬制の姿を示そうとするものである。

プロデューサー

東長寺 住職 瀧澤遥風

ディレクター

東長寺 手島涼仁

デザイナー

千葉大学 准教授 霜田亮祐+株式会社ヒュマス 髙沖哉

霜田亮祐/髙沖哉

詳細情報

http://www.humus.la/

利用開始
2016年11月
価格

300,000 ~ 800,000円 (東長寺「結の会」入会費用は80万円。管理費及び年会費は不要。 清凉院「結の会」入会費用は30万円。別途、護持会費が年間5,000円。)

設置場所

宮城県気仙沼市本吉町大森17番地

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

時間と空間の遠近を重ねる「風景墓苑」

背景

現代社会における葬制の変化を以下に挙げる。1.家族形態の変容;核家族化により新たな墓が必要となってきた。2.人口移動;都市人口が地方からの流入により急増し、それに伴って墓地も増加した。3.個人化への対応;結婚しない、あるいは少子社会による個人化によって従来の墓制度では対応できなくなりつつある。4.宗教への不信;様々な宗教における事件等が相次ぎ、不信が増したことによって寺墓地(入檀)が減少し、無宗教墓地が増えている。5.祭祀の継承;祭祀を継承する行為、あるいは祭祀自体に意味を見いだせなくなってきている。このような変化に対して公営墓地や寺院を含む民間墓地は多様性を持たせることで対応してきたが、中には拾骨を放棄し、墓を持たず葬儀も勤めない直葬を選ぶ人も増えている。多死社会を迎えるにあたり弔いの本質的な意味を深く考えることが重要であるとの視点により、現代日本の葬制の在り方を問うことが起点となった。

デザイナーの想い

計画の前提として、墓地をつくるという行為が地域の自然環境保全につながるような新たな葬制に取り組んでいきたいという施主の理念があった。管理放棄されたスギ林の将来として、徐々に枯損・倒木が進行し、やがては他の樹木が生長してその地域本来の姿、当地においては常落混交林へと成り代わっていくものと想定される。ただ、それが自然界の成り行きで進行するには、何十年、何百年と予測しがたい年月も必要である。スギ林がやがて常落混交林に遷移すると想定したストーリーのもと、墓地としての利用がその過程において補助的役割を担うことを方針として計画した。樹林墓苑は単なる自然志向によるものではなく、自然環境のあるべき姿を回復・保全するものと考える。それが地域全体の環境保全へとつながることを願う。

仕様

墓地形態 集合型個別墓/敷地面積 約3,000㎡/区画数 約500区画/埋葬形式 区画は0.75mピッチ(スギの植林間隔に基づく)の格子状に配置される。遺骨を布(木綿等)で包んで土中に埋葬する。埋葬後の区画には俗名を刻字した碑(直径12cmの円柱型黒御影石・天端本磨き仕上)を設置する。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

東京都新宿区四谷 曹洞宗萬亀山東長寺 または 宮城県気仙沼市本吉 曹洞宗平磯山清凉院
東長寺 結の会|曹洞宗 萬亀山 東長寺

審査委員の評価

樹木葬と植林地の更新や管理という異なる行為を交差させたプロジェクト。墓地の供養も植林地の管理も長い時間がかかる行為である。供養を「森の時間」に沿わせることで、新しい埋葬のありかたも示唆するデザインとなっている。今後の墓地の変化をゆっくり見守りたいプロジェクト。

担当審査委員| 山梨 知彦   浅子 佳英   石川 初   色部 義昭   永山 祐子   Gary Chang  

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