GOOD DESIGN AWARD

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2018

GOOD DESIGN|グッドフォーカス賞 [地域社会デザイン]

受賞対象名
喫茶店 [喫茶ランドリー]
事業主体名
株式会社グランドレベル
分類
商業のための建築・空間・サインシステム
受賞企業
株式会社グランドレベル (東京都)
株式会社ブルースタジオ (東京都)
石井大吾デザイン室一級建築士事務所 (千葉県)
受賞番号
18G121001
受賞概要
2018年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

洗濯機やミシン、アイロンなどもある喫茶店で、株式会社グランドレベルのオフィスを兼ねる。構想の原点は「私設の公民館」だ。想定した利用者は、あまねく人々。単一ではなく複数、複雑な目的で、さまざまな人々がここを訪れるようにしたかった。洗濯機などのある通称「まちの家事室」には水場の清潔感を、喫茶は男性やおひとりさま、お年寄りにも抵抗のないよう、また乳児連れにも使いやすいように、椅子やテーブルを中古で揃え、その高さも制限した。街からも店内からも互いの様子が楽しく視認できるデザインで、存在が街の風景としても機能することを意識した。0歳から80代まで多様な人々が訪れる、都市を凝縮したような空間となっている。

プロデューサー

株式会社グランドレベル 田中元子

ディレクター

株式会社グランドレベル 田中元子

デザイナー

株式会社グランドレベル 田中元子+株式会社ブルースタジオ 大島芳彦、吉川英之+石井大吾デザイン室一級建築士事務所 石井大吾

詳細情報

http://kissalaundry.com/

利用開始
2018年1月5日
設置場所

東京都墨田区千歳2-6-9 イマケンビル1階

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

私設公民館。補助線の空間化。能動性のための「うつわ」。「どんなひとにも、自由なくつろぎ」

背景

立地である墨田区千歳は、かつて倉庫や工場が並び、ここ10年ほどでそれらが急速にマンションへと建て変わっているエリアである。エリアの人口密度は急激に高まったはずだが、街にはエントランスホールやガレージが並んだだけで、ひとけのさみしさは変わらない。株式会社グランドレベルは、1階はひとけの感じられる場所であるべきという観点から「喫茶ランドリー」を企画した。実際は、このエリアには昔から住む地元民から転居してきたひと、在勤者、お年寄り、ファミリーから単身者、元気な人から病める人、さまざまな人が暮らしているはずで、そのことが可視化できる空間とすべく、ターゲティングせず、あまねく人々を対象とした。また、ここに来る人々が受動/消費ではなく、何らか能動/生産する存在となることを強く意識した。物や情報が飽和状態の世の中で、人々は、どこに行っても受動/消費しかできないことに、もう飽きていると考えたからだ。

デザイナーの想い

真っ白な画用紙ではなく、うっすらと引かれた補助線から描けるものが見つかるように、この店をまちや利用者のための補助線的な存在にしたかった。プログラムやコンテンツを店側が完璧に用意するのではなく、利用者自身が自由に見立て、読解し、自分の道具のように使いこなしてくれる空間でありたい。そのためにできるデザインとは何かを熟考した。参加可能性や可変性のために、仕上げすぎない、作り込まないことは、途中でやめたり手を抜くことではなく、場所性によるヒューマンスケールを考え、それに従った洗練度や完成度のバランスを追求することであった。概念を実践することは属人的に思われがちだが、デザインにしかできないこともある。「喫茶ランドリー」のように、ひとの能動性を喚起し、それを受け容れるアクティブな場所は、本来ならばまちの公共空間で自然に存在するべきで、そのようになるために自分たちができることを、今後も展開していきたい。

仕様

【建築概要】 敷地面積:159.14㎡ 建築面積:113.40㎡ 延床面積:354.78㎡ 店舗面積:94.86㎡(1階) 構造:鉄筋コンクリート造4階建 【主な仕上】 床:コンクリートスラブの上クリア塗装(カフェ)、置床の上Pタイル(ランドリー) 壁:躯体表し(カフェ)、躯体の上EMOpaint すじ雲(ランドリー)、丸モザイクタイル貼り(ランドリー) 天井:躯体表し【施工】株式会社ルーヴィス

どこで購入できるか、
どこで見られるか

東京都墨田区千歳2-6-9 イマケンビル1階
喫茶ランドリー

審査委員の評価

その名の通り喫茶店とランドリーを融合させたスペースなのだが、その実際はイベントスペースであり、地域の公民館のようでもあり、今までにないスペースだけに言葉で形容することが難しい。流行りの言葉で言えばサードスペースということになるのだろうが、それともやはりちょっと違う。子供がいるかと思えば老人も学生も主婦もサラリーマンもいてまさに多様な人々が自然と集まってくる場所になっている。だからといって彼らが交流しているかといえば、そういう訳でもなく、逆に自分とは違った人がいても放っておいてくれる場所。多様で寛容という現在最も必要でデザインすることが困難な空間を見事に実現させている。

担当審査委員| 山梨 知彦   浅子 佳英   石川 初   色部 義昭   永山 祐子   Gary Chang  

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