GOOD DESIGN AWARD

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CC

2018

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
集合住宅 [高輪の集合住宅]
事業主体名
佐野香代惠
分類
小規模集合住宅
受賞企業
佐野たかね (東京都)
倉本剛建築設計事務所 (東京都)
受賞番号
18G100899
受賞概要
2018年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

都市の比較的高密度な地域に建つ、賃貸9戸とオーナー住戸からなる集合住宅。敷地は曲がった道と坂道に囲まれた角地で不整形である。周囲に目を移すと、曲がった道沿いに遠くまで見通せたり、敷地と直交する道の先にある品川駅ビル群が臨めたり、隣の大きな木が印象的であったり、あるいは隣の建物の窓がこちらを向いていたりと、様々な風景が展開していることに気づく。そのような周囲とのより良い関係をつくろうと考えた結果、屏風のように折れ曲がる外壁と屋根が導き出され、窓やバルコニーなどの開口部の位置や大きさに動きが生じた。各住戸にはそれぞれ異なる方向に開かれた窓があり、人の暮らしが都市に滲み出るような佇まいとなった。

プロデューサー

株式会社東京組 代表取締役 中野渡利八郎

ディレクター

株式会社東京組 広瀬ひとみ

デザイナー

倉本剛建築設計事務所 倉本剛、平賀卓也(元所員)

詳細情報

http://www.gkaa.jp

利用開始
2015年9月
販売地域

日本国内向け

設置場所

東京都港区高輪

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

屏風のように折れ曲がる壁と屋根、多様な風景を取り込む開口部により、活き活きとした都市の住まいをつくる

背景

人と人、人と周辺地域、人と自然など、他者との関係性を育む建築を日々考えている。近代化は様々な発展に寄与し、その恩恵は計り知れないが、その一方で近代化は、それまで受け継いできた家族や地域社会、あるいは自然との複雑で微妙な関係性を、昔ながらのグラデーショナルな境界を持つ建築のつくり方とともに、急速に解体してきた。そのスピードに翻弄されているうちに、他者との関係性に歪みが生じたのが現代社会なのではないか。ここで私はこの歪みを、次へのステップに必要なこととして、ポジティブに捉えたい。様々な社会問題、あるいは自然災害を通して、私たちの心は、健全な社会には他者との関係をもつことが必要不可欠であることに気づいている。私は日常生活の器をデザインする者として、何気ない日常が人に与える影響の大きさを自覚しつつ、これからの他者との関係の在り方を、建築を通して提示していきたい。

デザイナーの想い

クライアントからの要望のなかで、地域のランドマークになるような建物というものがあった。ランドマークとはある特定の地域を特徴づける目印を意味するが、単に目立つというのではなく、その地域ならではの建ち方の顕在化が必要だと考えた。従ってここでは、周囲と積極的に関係を持ち、且つ目印になるような建ち現れ方をするという、微妙なバランスをどう実現するかが課題となった。一方、事業性の確保も必須であることから、比較的高密度な建ち現れ方になることが分かっていた。外壁や屋根を屏風のように折り曲げることで、各種法的条件と面積をクリアしつつ、周辺の道路や地形と呼応し、窓から遠くを見通せる風景をつくり出し、道路沿いにまとまった緑地帯を確保することができた。折れ曲り平行のない壁面群は各々微妙に色が異なるため、周囲への圧迫感を軽減させる効果も期待した。その表面は杉板浮造りの打放型枠によって繊細な影をつくりだしている。

仕様

敷地面積330.59m2、建築面積231.31m2、延床面積824.98m2、鉄筋コンクリート造・壁式工法、地上3階、地下1階

どこで購入できるか、
どこで見られるか

東京都港区高輪
株式会社 東京組
倉本剛建築設計事務所

審査委員の評価

変則的な三叉路の角地の不整形敷地に建つ集合住宅。敷地形状、周囲の建物との関係、道路へとつながる視線などから、建物形状や開口部の位置・大きさなどが直截的に導き出され、それが逆に建物の個性を引き立たせている。このようなコンテクスチュアルなデザイン手法による建て替えを積み重ねることにより、アイデンティティが失われた既存市街地を徐々に修復していくことが期待されるが、その好例として評価できる。

担当審査委員| 仲 俊治   小見 康夫   手塚 由比   栃澤 麻利  

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