GOOD DESIGN AWARD

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CC

2018

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
住宅 [伝統工法の小さな家]
事業主体名
個人
分類
戸建て住宅
受賞企業
HAG環境デザイン (長崎県)
受賞番号
18G100833
受賞概要
2018年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

敷地は福江島の中心市街地から車で10分ほどのところにある静かな集落の中にあります。施主は島のおおらかな空気の流れる環境にあって、近年五島で失われつつある伝統工法の家づくりを望まれていました。土壁と手刻みの軸組によって造られる伝統工法の家は建築金物を使わず、職人の腕だけで造られる、日本の風土が造り上げた創りです。玄関からキッチンまで続く通り土間、近所で取り壊された古民家から流用した大松の古木、パッシブソーラーによる換気システムなど、小さいながらも、創意と工夫を凝らした、大きな暮らしのできる、豊かな平屋建ての家が完成しました。

デザイナー

HAG環境デザイン 代表 橋口剛

橋口剛

詳細情報

http://www.hag.co.jp

利用開始
2017年8月1日
設置場所

長崎県五島市

受賞対象の詳細

背景

五島列島福江島は、その自然豊かで、独特の文化の残る土地柄から、近年では全国的にも注目を集めています。しかしながら、福江島で建てられる家々の多くは新建材などを主体として建てられており、地域性に乏しい家づくりが主流となっています。施主は、五島市を拠点に活動しているデザイナーとして、まちづくりに関わる中で、そうした住宅事情に危機感を募らせていました。これからの五島にふさわしい家づくりとは何か考える中で到達したのが、建築金物を使わない伝統工法による家づくりでした。壁には庭の土を用い、そのほとんどの素材が将来的にはその土地に返っていく。そのような家づくりを志向しました。施工単価が高い伝統工法による家づくりは、予算の限られた本件においては、住宅を狭小化することによって、問題を回避しましたが、そのことによって家族が小さな暮らしをすることにならないよう汎用性と回遊性の高いプランを試みました。

経緯とその成果

島の豊かな暮らしを実現できる伝統工法による小さな家

デザイナーの想い

五島列島は台風銀座と呼ばれるほど、昔から台風の被害が多い土地柄であり、この住宅の設計においても台風への対策が求められました。建築金物を使わない伝統工法による家づくりを行うに当たり、壁倍率の低い土壁耐力壁を建物全体にバランスよく配置するとともに、台風の吹上による屋根への被害を抑制するため、風方向に対しては軒高を極力低く抑え、屋根が大地から突出しないようなデザイン上の工夫を行ないました。また、大工及び左官職人の技術を活かしつつ、木や土の素材感を存分に感じることのできるよう、ディテールへの配慮を行いました。 この建物は、この土地で暮らすことを問うた施主家族の思いの現れとして作られたものであり、小さいながらも、この集落の将来の在り方を問うような道標として在り続けることを期待しています。

仕様

敷地面積:441.66m2、建築面積:70.19m2、延床面積:70.19m2 工法:木造渡顎工法土壁造、階数:平屋建て

どこで購入できるか、
どこで見られるか

HAG環境デザイン 大工池上算規
HAG

審査委員の評価

五島の気候風土・環境を読み解き、耐力壁の配置や軒先の高さ、屋根勾配や向きなどに配慮された住宅で、丁寧に設計されており好感が持てる。外構を含め、デザインの余地はまだあるように見受けられる点が課題ではあるが、伝統工法や伝統的な間取り、自然素材を用いた仕上げなど、地域に根ざした家づくりの技術を継承しようとする試みは高く評価できる。地域の風景や気候風土に寄り添い、その場所にふさわしい暮らしを営む(楽しむ)ことへの需要はますます高まっていくと思われる。地方の小さな住宅ではあるが、このような取り組みを評価することで、地域に根付いた丁寧なものづくりを後押ししたい。

担当審査委員| 仲 俊治   小見 康夫   手塚 由比   栃澤 麻利  

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