GOOD DESIGN AWARD

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CC

2018

GOOD DESIGN|グッドデザイン・ベスト100

受賞対象名
ポータブルX線撮影装置 [FUJIFILM CALNEO Xair]
事業主体名
富士フイルム株式会社
分類
医療用機器・設備
受賞企業
富士フイルム株式会社 (東京都)
受賞番号
18G080737
受賞概要
2018年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

富士フイルム初となる在宅医療での使用に適したポータブルX線撮影装置である。近年の受像部の高感度化により、X線出力・バッテリを大幅に低減、可搬性/操作性に優れた小型で3.5kgの超軽量「ハンディスタイル」デザインのX線撮影装置を実現した。これにより、在宅検査を行う医師や技師の移動や撮影準備等の身体的負荷低減と患者の放射線被曝低減に貢献する等、今後の高齢化社会伸展により増加が予測される在宅診療に最適な医療現場のワークフローを提供する。

プロデューサー

富士フイルム株式会社 メディカルシステム事業部

ディレクター

富士フイルム株式会社 デザインセンター長 堀切和久

デザイナー

富士フイルム株式会社 デザインセンター 小倉良介、髙橋慶一郎

発売予定
2018年10月
販売地域

日本国内向け

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

近年の受像部の高感度化を活かした従来にない超小型・軽量のハンディスタイルのX線装置。

背景

高齢化社会伸展による国の医療費抑制施策により、今後在宅診療増加が予想されている。また高齢者層増加により、高齢者に症例の多い肺炎やイレウス(腸閉塞)、腰椎や四肢骨折等の診断に必要なX線検査の需要増加も見込まれている。この傾向は国内だけでなく、アジア諸国を中心に世界的にも見込まれている。現在の在宅X線検査では、汎用型のポータブルX線撮影装置が活用されており、多用途向けの高出力のX線装置であることから、7kg以上と重く大型のため、在宅現場で撮影する医師、技師の身体的負担の大きい検査となっている。そこで今後の社会的ニーズに対応すべく現場に最適な商品を作り上げることとなった。

デザイナーの想い

開発当初、在宅X線検査そのものの実施事例が少ない在宅診療での現場の潜在ニーズを抽出すべく、日本全国から在宅診療を実施している医師、技師をピックアップし、ヒアリングや現場観察を繰り返し行った。そこから、トータル20kg以上のX線撮影機材の運搬(撮影装置、装置固定用の4脚矢倉、カセッテ、コンソールPC)や在宅の狭い環境下での撮影のための専用支持器の設置と装置の固定等、時間と労力が掛かる事が見えてきた。また身体的不自由な高齢患者は寝た状態で撮影することも多く、受像部(カセッテ)を背中に挿入するだけで痛みがあり、1秒でも早く撮影を終えたいというニーズも見えてきた。そこで、小型軽量化だけでなく、移動時の取り回しやすさや片付け時の清掃性まで含め検査全体の一連のワークフローに配慮したX線撮影装置のデザインを目指した。

仕様

外形寸法:301(W) x 257(D) x 144(H) 、本体重量:3.5kg、出力:450W、X線管:焦点サイズ 0.8/ターゲット 16° /陽極熱容量7.0 kJ、コリメータ:ランプ LED/ランプタイマー30秒、バッテリー:リチウムポリマー

審査委員の評価

世の中にある在宅医療のフローそのものを刷新し、大きな変革の可能性を秘めた超小型X線撮影装置である。小さく軽く取り回しが効き、外観も操作性も優れている。この製品が特に素晴らしいのは、表層的なアプローチではなく、在宅医療の実態とそこにある問題を解決する為に、自社の技術が今までにないかたちで有機的に繋がり、一つのプロダクトへと美しく集約された点にある。過去の資産を生かしながら本質的価値を問い直し、革新的な開発に挑戦する姿勢は、多くの企業や社会に勇気を与えるであろう。医療現場のみならず様々なフィールドで活躍することを予感させ、このデザインの持つ可能性を感じた。

担当審査委員| 田子 學   石川 善樹   内田 まほろ   重野 貴   Sertaç Ersayın  

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