GOOD DESIGN AWARD

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CC

2016

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
建築物 [回向院 念仏堂]
事業主体名
宗教法人回向院
分類
業務用の建築・施設
受賞企業
宗教法人回向院 (東京都)
受賞番号
16G110968
受賞概要
2016年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

回向院は、明暦大火の犠牲者10万人以上を葬り弔うように徳川家綱の命で念仏堂が建立されたのを起源とし、以後も天災地変等の被災者など、あらゆる生命を埋葬・供養し続け、「有縁・無縁に関わらず、生あるすべてのものへの仏の慈悲を説く」ことを理念とする寺院である。今回の念仏堂の再建でも、人々の心の拠り所であり続けることに主眼を置き、構造もピロティ状の建物とすることで人々が集う境内の空地を広げ、また参道から連続する竹林を空中に浮かせて御堂を覆うことで立体的に緑を増幅し行き交う人々の心に安らぎを届ける。竹林の中の数珠柱から発せられる七色のプリズムに導かれ自然と御堂に足が向かうよう意図している。

プロデューサー

回向院 本多将敬

デザイナー

河原泰建築研究室 河原泰

デザイナーの写真

詳細情報

http://www.ykds.jp/

利用開始
2013年4月11日
設置場所

東京都墨田区両国2-8-10

仕様

敷地面積3888.55㎡ 建築面積300.23㎡ 延床面積496.69㎡ 混構造(S造・RC造) 3階建て

受賞対象の詳細

背景

江戸時代より無縁寺として多くの参拝と信仰を集め、また境内では出開帳や相撲興行など多くの賑わいを創出したが、東京大空襲を受けて全焼後、境内も縮小、地域の憩いの場であった緑地も徐々に減り、行事で人が境内からあふれる状態が続く。近隣にはビルが立ち並ぶがその谷間を利用して創出される閑静な空間を緑で彩ることで、念仏する堂内では非日常空間が創出され、現代人に必要な「生きる」ことを考える時間と空間を提供する。

デザインコンセプト

境内に広場をつくるピロティ。その上の建物を覆う空中竹林は緑を立体的に増幅させてオアシスをつくる。

企画・開発の意義

ピロティ形式による空中竹林をもつこの建物は、狭い境内地を広げて行事に訪れる多くの人を受け入れ、緑を立体的に増幅させて地域の人々の憩いの場となり、スワロフスキーの七宝樹林を巡る回廊により壇信徒を極楽浄土にいざなう役割を果たす。 実用的な機能と自然を活用した心理的効果、宗教的な思想を一体的に提案しようと考えた。

創意工夫

広げた境内地を行事などで自由に活用するために空中竹林の楚となるピロティ庇は4mのキャンティレバーとしている。空中竹林は、地上からも良く見えるように傾斜をつけつつ、土留めの存在が目立たない工夫を行っている。成長が早く旺盛な繁殖力をもつ竹の生育をコントロールするため、3重の防根対策を行っている。毎年新しい若竹が生育するため、経年的に新しい竹に置き換える工夫を行っている。過去に例がないスワロフスキーのガラス珠を外部に使用した数珠つなぎの柱は、ヨットの技術を用いて安全対策を施している。

デザイナーの想い

境内が徐々に削られて狭くなっていくこと、まわりをビルに囲まれてしまうことは、都心に建つ寺院の宿命であるが、その中においても寺院が文化発信の場として、また地域の憩いの場として、さらには壇信徒の心の支えの場としてあり続けるために、導き出したデザインである。法然共生をメッセージシンボルとしている浄土宗寺院にふさわしいデザインとなったと考えている。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

回向院 東京都墨田区両国2-8-10
回向院ホームページ

審査委員の評価

社寺仏閣は、人々の心の歴史とともにある宗教空間であるから、その存続は重要だが、一方で都市部においては、狭隘な敷地条件のために、本来のような空間性を獲得するのは困難である。そのような現実を前にこの回向院は、念仏堂や経堂、僧坊などを立体的に組み立て、そこに至る回廊を参道の延長として生み出している。形式としては極めて現代的でありながら、体験としては伝統を継承する今日的な取り組みとして、高く評価したい。

担当審査委員| 山梨 知彦   千葉 学   中村 拓志   星野 裕司   Lee Siang Tai  

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