GOOD DESIGN AWARD

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CC

2016

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
集会場と商業施設 [集落の集会場]
事業主体名
大槌町+復興まちづくり大槌株式会社+一般財団法人日本アムウェイOne by One財団
分類
公共用の建築・施設
受賞企業
大槌町 (岩手県)
復興まちづくり大槌株式会社 (岩手県)
一般財団法人日本アムウェイOne by One財団 (東京都)
株式会社ディー・サイン (東京都)
合同会社白川在建築設計事務所 (東京都)
受賞番号
16G110964
受賞概要
2016年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

東日本大震災で被害にあった地域の集会場である。設計施工一括発注(デザインビルド)方式のコンペであり、設計者と施工者が共同することにより、提案時に工事費までを算出することが前提となる。提案書の作成にはそれだけ多くの作業が要されるが、事業の特性上驚くほど短期間での堤出が求められた。ハウスメーカーのような確立した設計施工システムを持たなければ太刀打ちできないと感じながらも、復興していく街が単一的な方法でしか建設されないことに危機感を感じた。デザインが形や空間性だけのものではなく、社会に対して適切な回答を出す手段だとしたら、詳細設計を早い段階で行える提案が適当だと感じ、分棟形式の集会場を計画した。

プロデューサー

株式会社ディー・サイン 長尾成浩

ディレクター

合同会社白川在建築設計事務所 白川在

デザイナー

合同会社白川在建築設計事務所 白川在

利用開始
2016年4月17日
設置場所

岩手県上閉伊郡大槌町浪板第7地割

仕様

敷地面積/1662.00㎡ 建築面積/216.10㎡ 床面積/276.85㎡ 構造・階数/木造2階建て

受賞対象の詳細

背景

東日本大震災から5年の歳月が経ち、各々の街が少しずつ復興を進めている。現代の住宅規模の建築物は量産的な既成システムにより建設されているものが多いが、再生に迅速さが求められる復興地域は尚更その傾向が強い。必要な機能を早く供給するシステムは、街の中で効果的に作用するが、ある種の味気なさを伴うのも事実である。地域の風土や土地の条件を加味しながらも、街の成長に見合うスピード感を持つ計画の創出を目指した。

デザインコンセプト

デザインしたのは設計の順序である。詳細設計を早期に進められる分棟式にし、復興に適した早さを獲得した。

企画・開発の意義

この提案では、風土に根ざしながらも、復興のスピードに並走できる建築の作り方を考えた。震災から5年を経た被災地では、気がつけば郊外のような風景も少なくない。早期に再生を求めると画一的な街となり、地域固有の計画を練ればスピード感は失われる。そこで、分棟形式を一から計画することで、量産的手段にはない場所の雰囲気を獲得した。また、それらの配置により機能を満たしていく手法は、街の再生速度にも対応できる。

創意工夫

建築の設計には基本設計と実施設計という2つのフェーズがあり、順序を変えることは難しい。加えて、実施設計を終えてから工事費を算出する。すなわち、工事費の求められる設計施工一括発注(デザインビルド)方式のコンペでは、設計の大部分が終了してから設計者を選定するという逆転現象が起こる。時間的な制約も多く、既存の建設システムが有利なのは言うまでもない。 そこで、分棟形式によって施設をつくることと、単位棟の規模を先に決定した。それにより基本設計と実施設計をラップできる計画となり、見積作業もプロジェクトの早い段階で進めることが可能になる。復興国立公園内の景観にあった計画や材料選定を行い、国道45号線からランドマークになる平側が先に視認できる向きを先に決めた。それらが決まった後に各棟を並べ替え、集会場とテナント、そして2つの関係を計画していく手法とした。

デザイナーの想い

被災地での仕事に携わらせて頂くと、デザインなどというものは社会の基盤がより強固になってから考えるものだという声が頭をよぎる事がある。本当にそうだろうか。デザインが形や空間性だけのものではなく、街の再生する、建物を計画していく順序や早さもコントロールできるとしたら、そういう方法もあるかも知れない。逆説的だが、形や空間性の中にその時間の制御を込めることができたら、デザインの領域が広がるように思う。

審査委員の評価

短期間の設計施工一括発注という実務上の課題への対応と,豊かな震災復興への解答を両立し,美しい風景として立ち上げている。また,道と海をつなぐ場としても機能している。

担当審査委員| 山梨 知彦   千葉 学   中村 拓志   星野 裕司   Lee Siang Tai  

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