GOOD DESIGN AWARD

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CC

2016

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
繊維 [エリナチュレ]
事業主体名
シキボウ株式会社
分類
素材・部材/生産・開発・製造技術/製造法
受賞企業
シキボウ株式会社 (大阪府)
受賞番号
16G080645
受賞概要
2016年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

【エリナチュレは昆虫の力を活かした天然の機能性繊維】 アジア原産の野生の蛾であるエリサンの繭(=エリシルク)には不思議な力が宿っています。強い紫外線や鳥から中のサナギを守る為のUVカット機能や消臭機能。エリサンの繭はまさに天然のゆりかごです。しかしエリシルクを紡績する技術は確立されておらず、ヒトには見向きもされない素材でした。当社は綿紡績の技術を活かし繊維活用に成功。エリナチュレは肌に優しい天然の機能性繊維として主にベビー服や女性向けインナーに利用されています。またカンボジアでのエリサン養蚕事業の支援も行い、現地農家への支援にも繋がる、ヒトと自然、先進国と途上国の共生を目指す新たな繊維です。

プロデューサー

シキボウ株式会社 開発技術部 部長 辻本 裕

ディレクター

シキボウ株式会社 戦略素材企画推進室 課長 中条洋子

デザイナー

株式会社4CYCLE 田井中慎+有限会社ぺーパーバック 則武弥

発売
2011年4月
販売地域

日本国内向け

仕様

自然の力で機能性を持つ野生の蛾エリサン(ヤママユガ)の繭に着目。綿との混紡により、薬剤に頼らず、消臭性能とUVカット効果に優れた肌に優しい機能性天然繊維として開発。繊維製品(衣服・寝装品・雑貨 etc)にご使用いただける、織物・ニット生地をお客様のご希望に応じて製造販売

受賞対象の詳細

背景

かつて日本の基幹産業であった紡績産業は縮小の途を辿っています。当社は明治25年創業の綿紡績を主力とする繊維メーカーです。化学繊維の比率が高まる中、自然由来の繊維である綿やシルクをもう一度価値化することを目指しました。富岡製糸場が世界遺産となった現在、数少ない国内紡績工場を持つ強みを活かしシルクと綿をハイブリッドした当社にしか作れない繊維です。

デザインコンセプト

昆虫の力を活かした天然のUVカット機能、消臭機能を持つ、赤ちゃんの肌着にも使える優しい機能性繊維。

企画・開発の意義

UVカット機能、消臭機能をうたう繊維の多くは石油由来の化学薬品による後加工を行っています。「エリナチュレ」は野生の蛾エリサンの繭が持つ機能を活かし、自然の力による機能性繊維を開発しました。綿とシルクの天然素材を原料として作り出すことで、化学繊維が苦手な肌の弱い赤ちゃんや高齢者も使える繊維となり、また石油資源の利用を抑え、繊維は環境に負荷を与えない生産も実現しました。

創意工夫

【捨てられたモノを活かした産学連携】原料となるエリサンの繭エリシルクは繊維長が短く、これまで紡績には不向きなシルクとして活用されない素材でした。この捨てられていた素材が持つナノ構造に着目し研究を行っていた東京農業大学長島孝行教授との連携が新たな素材を生み出しました。また原料を調達する為のエリサン養蚕はキャッサバ芋の葉を餌にしています。芋を食用し、廃棄していた葉を利用した養蚕方法の開発も野蚕学会の研究の賜物です。【カンボジア農家との協働】エリサンの養蚕を行っている地域は世界でも未だ少なく原料調達が安定しません。そこで内戦からの復興を目指すカンボジア農家の支援も兼ねたエリサン養蚕委託生産の試験も行っています。日本の養蚕技術を支えてきた信州大学繊維学部と産学連携を結び、コンポンチャム州の農業学校にエリシルクスクールを設置。日本が培った養蚕技術をカンボジア農業の未来を担う学生へ伝承していきます。

デザイナーの想い

【持続可能産業の創出】 繊維素材「エリナチュレ」はその生産を通じて、ヒトと生き物の共生、日本の企業や大学とアジアの農家を結ぶ産学連携、そしてカンボジア農家の次世代の育成等、様々なつながりを創出していきます。我々シキボウは「エリナチュレ」の事業を当社の環境保全活動に位置づけ、単なる繊維製品の販売に留まらない自然の力をいかした繊維産業の創出を目指す「エリシルクプロジェクト」として推進しています。

審査委員の評価

繊維原料として用いることが困難な素材であったエリシルクをコットンと共に加工して製品化したことで、ユーザに優しい素材が提供されると共に、エリサンの原産地に新しい産業を興した点が評価された。

担当審査委員| 朝倉 重徳   内田 毅彦   加藤 麻樹   青木 俊介   CAI Jun  

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