GOOD DESIGN AWARD

キーワード
受賞年度
年度(から 年度まで)
特別賞
企業情報
CC

2016

GOOD DESIGN|グッドデザイン金賞

受賞対象名
BRT(バス高速輸送システム) [気仙沼線/ 大船渡線BRT]
事業主体名
東日本旅客鉄道株式会社
分類
移動用機器・設備
受賞企業
東日本旅客鉄道株式会社 (東京都)
受賞番号
16G070523
受賞概要
2016年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

BRT(バス高速輸送システム)とは、連節バス、公共車両優先システム、バス専用道、バスレーン等を組み合わせ、速達性・定時性の確保や輸送能力の増大が可能となる高次の機能を備えたバスシステムである。気仙沼線/大船渡線BRTは、東日本大震災の津波で大きな被害を受けた気仙沼線柳津・気仙沼間(後に前谷地・柳津間延伸)、大船渡線気仙沼・盛間において、専用道と一般道の併用により早期の運行開始を実現。鉄道敷の活用による速達性・定時性の確保や運行頻度を高める等利便性の向上、まちづくりの各段階に合わせたルート設定、駅の増設等の柔軟な対応を行い、地域の実情に合致した復興に貢献する持続可能な交通手段となっている。

プロデューサー

東日本旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 冨田哲郎

ディレクター

東日本旅客鉄道株式会社 復興企画部長 大口 豊

デザイナー

東日本旅客鉄道株式会社 復興企画部長 大口 豊

詳細情報

http://www.jreast.co.jp/railway/train/brt/

運行開始
2012年8月20日
販売地域

日本国内向け

設置場所

[宮城県]石巻市、登米市、南三陸町、気仙沼市、[岩手県]陸前高田市、大船渡市

仕様

営業キロ 116.5km

受賞対象の詳細

背景

東日本大震災後、気仙沼線・大船渡線の鉄道復旧には多くの課題があり、相当の時間を要することが想定された。地域の交通を担う事業者として、震災直後から振替輸送を実施してきたが、速達性や定時性、運行頻度などの点から、沿線の要望に十分に応えることができていなかったため、地域の復興の各段階に合わせた柔軟な対応として、輸送サービスを向上させる必要があるとの認識に至った。

デザインコンセプト

早期に安全で利便性の高い輸送サービスを提供して地域の交通を確保し復興に貢献する

企画・開発の意義

東日本大震災の津波による被害が極めて甚大かつ広範囲にわたった気仙沼線、大船渡線の鉄道復旧にあたっては、将来発生しうる津波に対する安全の確保や、沿線まちづくりとの整合、多額な復旧工事費の負担等課題が多く、復旧には長い期間を要することが見込まれた。そのため、早期に安全で利便性の高い輸送サービスを提供して地域の交通を確保し、地域の復興に貢献するため、BRTの運行を開始した。

創意工夫

BRTのメリットを最大限に活かし、①使いやすい運行本数(鉄道運行時の1.5~3倍)と等間隔ダイヤ、②専用道の整備による速達性・定時性の確保、③復興まちづくりに合わせた駅の新設・移設とルート変更を行ってきた。また、④運行状況が一目でわかるロケーションシステムの導入、⑤鉄道とBRTが同じホームに乗り入れるユニバーサルな新しい駅のカタチの実現、⑥車いす対応のノンステップ型ハイブリッド新車両の導入、⑦可能な限りトイレや運行モニターを備えた駅の整備、⑧利用者との意見交換を通じたよりニーズに合致した運行ダイヤの作成、など利便性の向上や⑨専用道の出入口部分にゲートを設けて一般車の誤進入が無いようにする等安全性の向上にも努めてきた。さらに、⑩沿線のご当地キャラクターなどをデザインした車両の導入や⑪社会見学の受け入れ、遠足・地域イベントへの協力などを通し、愛される路線を目指してきた。

デザイナーの想い

気仙沼線/大船渡線BRTは仮復旧という形で運行を開始したが、地域の実情に合致した交通手段となっており、地域のニーズに柔軟に応えることが可能であることから、復興まちづくりが本格化する中地域が更に発展していくために、復興に貢献する持続可能な交通手段として、BRTを継続して運行することに関し、全ての沿線自治体から合意を頂いた。今後もサービスの向上に努め、持続可能な交通手段としての役割を果たしていきたい。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

[宮城県]石巻市、登米市、南三陸町、気仙沼市、[岩手県]陸前高田市、大船渡市
JR東日本ホームページ(BRT)
JR東日本盛岡支社ホームページ(乗っちゃ王国 北東北)

審査委員の評価

東日本大震災の津波で被災した気仙沼線・大船渡線の鉄道敷を活用したBRT。復興の過程で地域の足の早期復旧のために導入されたが、従来より高い運行頻度、復興まちづくりの段階に応じた柔軟な路線・駅設定、鉄道とのシームレスな乗り換えを可能にするホーム設計など利点も多い。実績としてぼほ定時運行がなされている点も評価された。赤を基調としたハイブリッド車両はバリアフリーにも配慮されており、復興の途上にある地域に彩りを添えている。災害被災地に限らず、人口縮小する日本の地方都市で、鉄道か公共交通廃止かの二者択一ではなく、地域の足となる公共交通を維持していくためのひとつ選択肢を示した意義は大きい。今後は、鉄道とのダイヤ連携などさらなる利便性向上にも期待したい。

担当審査委員| 根津 孝太   伊藤 香織   岡崎 五朗   佐藤 弘喜   Juhyun Eune  

ページトップへ