GOOD DESIGN AWARD

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CC

2015

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
集合住宅 [パークナードならまち東城戸]
事業主体名
パナホーム株式会社
分類
住宅・住空間
受賞企業
パナホーム株式会社 (大阪府)
株式会社IAO竹田設計 (大阪府)
受賞番号
15G090903
受賞概要
2015年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

本計画地は奈良町歴史的景観形成重点地区に指定された伝統的で情緒豊かな景観を保つ希少なエリアに位置しており、計画地東側部分の中街道には江戸時代に建築された当時の町屋があった。世代交代の流れの中で空き家となった家屋が、工業建材で覆われた面構えに建て替えられ、当時の情景を消失する様子は奈良町でも例外ではない。空き家となった当該旧町屋を「現代の視点」で在りし頃の景観を復元させることは、(多様な歴史と文化の持続的な発展を経て得た佇まいの)奈良町を未来へと結びつける象徴になると考えた。そして、ここに集う新たな居住者の感性によって、町並みの形成が「再び」育まれていく、その起点となることを目指した。

プロデューサー

パナホーム株式会社

ディレクター

パナホーム株式会社+株式会社IAO竹田設計 樋口洋一

デザイナー

株式会社IAO竹田設計 山口隆幸、三好亮、宮下真人、新出水大藏

利用開始
2014年12月13日
販売地域

日本国内向け

設置場所

奈良県奈良市東城戸町21-1

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

伝統的町屋の意匠を承継し、洗練された上質な空間として新しい魅力を創造する、奈良町にふさわしい住まい。

背景

江戸時代以降の町屋の面影が残る奈良町にありながら、現代経済の一辺倒な効率優先により町屋のコミュニティや暮らしと風景が所々で欠落している様子が見受けられた。そこで奈良町の伝統と知恵を取り込んだ集合住宅で地域に新たな息吹を吹き込み、景観への配慮と同時に、有事に備えた地域防災の強化や、豊かな自然と風情を享受し、人と環境に優しく経済性にも優れた魅力あるものがいかにつくりあげられるかが開発の始まりであった。

デザイナーの想い

現代の経済的な時間軸のみに振り回されず、地域環境や生活習慣を育んだ従前からの時間軸に一旦身を置いてみることで、先人たちが培ってきた技術や手間と工夫の意味が見えてくる。その想いを、このたび形にすることで地域社会への意識付けがなされ、自ずと心地良い町並みが統一形成されていく連鎖を生み、新旧それぞれが共鳴し合い、そこで暮らす人と訪れる人々に感動を与えられるような町づくりになることを願った。

企画・開発の意義

この計画により、古都としての歴史や文化を尊び、大切に守り受け継いでいくという思いが駆り立てられ、その環境に暮らすことで得る寛ぎや、心で感じる情景・目に見える景観が感性に働きかける。歴史に触れ奈良町の潜在的な価値を再認識することで、地域への誇りと愛着を育むことになる。この計画が、歴史や文化を守り受け継ぐ思いを広く連鎖し、情操豊かに、より一層魅力的なものへ導く担い手となることを願った。

創意工夫

奈良町の中街道に面したエントランスには格子や瓦屋根、町屋の特徴である格子状の虫籠窓や屋根の上に小屋根を乗せた煙出し等、従前建物の意匠性を復元し、趣深い和の伝統美を現代に継承した。また、古材の再生として外部には鬼瓦等の瓦や石灯篭、内部では大黒柱や梁、木製格子建具や箱階段を、また、近隣自治会の大國主命神社の片隅で眠っていた手水鉢を譲り受けて棟内に使用し、新たな活用の場を設けた。このように、従前建物で使用されていた材を丁寧に保管し、再利用することで、目には見えない時間の刻印を視覚化させた。また、間口が狭く奥行のある奈良町特有の敷地を有効に利用し、路地を思わせる細長い通路に興を添える坪庭を設け、澱みを排除し清涼感を演出した。計画地南側部分には万葉集に詠われている花々と和歌を書き添えたプレートを共に設え、古の感受性に触れながら四季の変化を楽しむアプローチを配置した。

仕様

敷地面積:2,169.29㎡、建築面積:1,594.47㎡、延床面積:7,916.79㎡、鉄筋コンクリート造、地上8階建、総戸数70戸

審査委員の評価

古い町並みの残るまちでのマンション開発だが、街道沿いに伝統的な町屋の意匠を継承し、従前の部材を再利用した部分を設けることで、町並みとの協調を実現しようとしている点が評価できる。

担当審査委員| 古谷 誠章   篠原 聡子   中村 拓志   松村 秀一  

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