GOOD DESIGN AWARD

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2015

GOOD DESIGN|グッドデザイン・未来づくりデザイン賞

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受賞対象名
作業補助装置 [iArmS]
事業主体名
株式会社デンソー
分類
医療用の機器・設備
受賞企業
株式会社デンソー (愛知県)
受賞番号
15G070720
受賞概要
2015年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

本製品は、外科手術時の執刀医の腕をその動きに合わせて動きながら支える医療用装置。医師が大きく腕を動かす際にはその動きを妨げることなく支持アームが滑らかに追従し、切開・縫合などの精密な手技を行う際にはアームが固定され手首を確りと支える。特に長時間手術・微細手術などにおける医師の疲労軽減、集中力と手技精度維持・向上を実現する。これにより手術時間の短縮が見込まれ、医師の負担を軽減する。万一の誤作動や停電時の動作不良に配慮して電気モータを動力に使わず、重力とリンク機構によってのみ追従動作を実現している。

プロデューサー

株式会社デンソー ヘルスケア事業室

ディレクター

株式会社デンソー デザイン部 室長 春田登紀雄、土屋裕志

デザイナー

株式会社デンソー デザイン部 折笠弦、コントラプンクト ボー・リンネマン

発売
2015年4月1日
価格

10,584,000円 (消費税込み)

販売地域

日本国内向け

仕様

幅605mm奥行640mm高さ1250mm重量100kg

受賞対象の詳細

背景

脳外科や耳鼻咽喉科等における微細手術は高度技能を持つ限られた医師でなければ施術できない上に時に十数時間にもおよび、執刀医は休むことなく精密かつ安定した手技が要求される。このため医師にかかる精神的、肉体的負担は大きく、これに起因した外科医の減少が社会的な問題となっている。当社は産業用ロボットで培った技術を応用した手術支援装置によって医師の労働環境を改善、外科医減少の抑止を図りたい。

デザインコンセプト

医師の集中と作業を妨げない雑音のない動き・デザイン

企画・開発の意義

手術という極限の状況の中に新しい道具が介在する時、その存在を感じない程に馴染み、扱い易くあることが理想の姿だと考えた。それゆえ医師の集中を妨げる余分な所作や要素を排する事に注力し、手術に没頭する医師を静かに支える理想的な関係を目指している。

創意工夫

本製品は術者の意思・動きに同調したラグのない滑らかなアシスト実現のため、前腕の荷重操作を採用した。電磁ロックを解除することでフリーとなるアームは、錘とバランス、リンク機構の絶妙な設計によって腕の動きに吸い付くように追従する。そのため内部機構は、モータアクチュエータ式に比べ各リンクの動作軌跡の分、実体よりも大きな空間を占有する。さらに外形は患者・施術部位への万一の接触の可能性を低減するため、前端に向かって1ミリでも小さく細くすることが求められた。これら与件の中でカバーリングの形状は、内部機構の軌跡を包み込むミニマルな造形によって視覚的な整理を行っている。これにより達成した端正な外観は視覚的・物理的外乱が極めて少なく、医師の集中と作業を妨げない。

デザイナーの想い

医師の集中を高める静かなデザインであることを心掛けながらも、一人でも多くの患者を救いたいという想いを使い心地と機能への配慮に込めました。実際の現場で使い込む中でそのメッセージを感じられるような良い道具となっていれば嬉しいです。

審査委員の評価

縦型のタッチスクリーンやジェスチャー式のインタフェースを、腕を掲げた格好で長時間使用し続けた場合に、疲労で腕が重く感じられるようになる現象をゴリラアーム問題という。本製品は、腕を掲げた状態で行なう医療作業においてこの問題を解決するものである。作業者が腕を大きく動かす場合はそれに滑らかに追従し、微細な作業を行なう場合は静止してしっかりと支持するなど、医療作業中の様々な状況に対する適切な補助を、誤動作や停電時の動作不良の心配の無い、重力とリンク機構の組合せを基本として実現している。優れた手ぶれ抑制効果と負担軽減というメリットを医師を通じ患者にももたらす優れたデザインとして、高く評価した。

担当審査委員| 小林 昭世   内田 毅彦   内田 まほろ   緒方 壽人   村上 存  

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