GOOD DESIGN AWARD

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CC

2015

GOOD DESIGN|グッドデザイン・ベスト100

受賞対象名
次世代エネルギー事業開発プロジェクト [自立型水素エネルギー供給システム H2One]
事業主体名
株式会社東芝
分類
業務用公共機器・設備
受賞企業
株式会社東芝 (東京都)
受賞番号
15G070681
受賞概要
2015年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

地球にあふれる水。その水から水素を「つくる」、燃料としての水素を「ためる」、必要に応じて電気と温水に換えて「つかう」。系統電源から自立した再生エネルギーと水素によるエネルギー供給システム。災害等でライフラインが寸断された「もしもの時」でも電気と温水を供給。標準規格のコンテナサイズだから、どこへでも輸送し設置できる。「いつもの時」には、CO2を排出しない地産地消システムとして、電力のピークシフトおよびピークカットに貢献する。自立分散型エネルギー社会の新たな可能性を示しながら、各国が抱えるエネルギー問題、地球環境問題、災害問題などの危機的状況に対して問題解決を行うソリューションパッケージである。

プロデューサー

株式会社東芝 次世代エネルギー事業開発プロジェクトチーム プロジェクトマネージャー 前川 治

ディレクター

株式会社東芝 デザインセンター デザイン第一部 コミュニティ担当 グループ長 乙葉 茂

デザイナー

株式会社東芝 デザインセンター デザイン第一部 社会システム担当 主務 大向 真哉+株式会社マエショウ 技術管理部 技術統括グループ 統括リーダー 磯貝 浩

詳細情報

http://www.toshiba.co.jp/newenergy/

発売
2015年4月
仕様

1台につき、W:6,000mm × H:2,300mm × D:2,438mm、重量:約7t / パッケージの仕様例、太陽光発電量:30kW、水素製造能力:1N㎥/h、水素貯蔵量:270N㎥、発電出力:30kW(燃料電池、蓄電池出力の合計)、温水供給量:75L/h、太陽光発電設備の外形:約192㎡ (以上の数値はシステムの規模など諸条件によって異なります)

受賞対象の詳細

背景

日本のエネルギー自給率は6%であり、消費量は世界第5位、CO2排出量は世界の約3.8%を占めている。2014年に閣議決定したエネルギー基本計画では、水素を日常生活や産業活動で利活用する水素社会の実現が明記された。一方、世界では化石燃料の枯渇、エネルギー需要の増大、エネルギー分配の格差、環境汚染、災害等による電源供給の断絶など数多くの危機的問題を抱え、その対策は急務である。

デザインコンセプト

柔軟な分散型エネルギーシステムを世界に行き渡らせること、それを安心の象徴として機能させること。

企画・開発の意義

エネルギーの自立分散は大規模集中型電源の送電ロスや送電網配備の投資負担、一極集中のリスクを軽減し、必要な規模で簡単に素早い設置を可能とする。さらに、分散したシステムを集結・移設させることで、規模の増幅も可能。また、駅や学校や病院、事業所や工場、離島や孤立集落、世界で多く残る無電化地域など目的や課題に応じて様々なモデルプランを提案・共創でき、クリーンでレジリアントな社会をつくる。

創意工夫

構想の初期段階から参画してあるべき姿とコンセプトを描き、安心の価値を生み出すためのサービスやビジネス、仕組みづくりにデザイン的解決を持ち込んだ。分散型の実現のために、トレーラーや列車などで輸送できる世界標準規格のコンテナサイズで機動性・可搬性を高め、20ftコンテナ3台を基本パッケージとして規模や要求に応じてカスタマイズできる拡張性をもたせた。また、システムの具現化のためには、防水性と水素滞留を防ぐ通気性の両立、長期運用に耐えうる堅牢性や環境要因の影響を最小限にする耐候性、防犯性やメンテナンス性の実現が必要不可欠だった。ベースフレームに対し観音扉となる2層構造のアウターカバーを組み付けるという実装設計、機能ごとに集約した内部レイアウト、ビスや配管を外部露出させない等の工夫でそれらを達成した。更に、導入の敷居を下げるシンプルな運用管理を目指し、管理常駐者が不要となるようシステム設計を進めた。

デザイナーの想い

3.11直後、震災復興プロジェクトで現地に入った我々は社会基盤の脆さを目の当たりにした。電力を失うということは生命に関わるということ。エネルギーは大きな責任を持っており、エネルギーが抱える問題の解決はそれを見続けてきた我々の責務でもある。本システムが、次世代に向けての安定したエネルギー供給や安心できるコミュニティの実現のためのひとつの選択肢となることを社会に示したい。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

川崎マリエン(川崎市と東芝による共同実証)
株式会社東芝ホームページ 東芝が目指す水素社会
Youtube Toshiba News and Highlightsチャンネル

審査委員の評価

地球全体問題であるエネルギーの解決役として、期待の集る水素エネルギーだが、その実用化にはまだまだ多くのハードルがある。このシステムは、普通の水から水素を「つくり、ため、電気と熱に変えてつかう」システムとして、未来にむけた具体的かつ大きな一歩を提案した。コンテナサイズにより、エネルギー供給システム自体がモビリティをもち、また、水素のもつ一部不安なイメージを一層する、クリーンでさわやか、とにかく明るい未来を予感させるハードウェア、外装のデザインも秀逸である。

担当審査委員| 小林 昭世   内田 毅彦   内田 まほろ   緒方 壽人   村上 存  

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