GOOD DESIGN AWARD

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2015

GOOD DESIGN|日本商工会議所会頭賞

受賞対象名
旅客車 [箱根登山電車3000形 アレグラ号]
事業主体名
箱根登山鉄道株式会社
分類
移動用機器・設備
受賞企業
箱根登山鉄道株式会社 (神奈川県)
株式会社岡部憲明アーキテクチャーネットワーク (東京都)
川崎重工業株式会社 (兵庫県)
受賞番号
15G060623
受賞概要
2015年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

3000形「アレグラ号」は、粘着式鉄道では日本一となる80‰の急勾配、最小半径30mの急曲線を走行する本格的な登山電車である。先頭は前面に大型ガラス、運転室後方の側面には床からフルハイトの展望窓を両サイドに配置し、箱根の自然を間近で楽しめる展望ゾーンとし、車両中央にはクロスシートをまとめ、荷棚を設けず大型開閉窓とすることで自然の風を感じつつ車窓を楽しむゾーンとしている。外部デザインは登山鉄道としての力強さと親しみを表現するきっぱりとした面構成でまとめ、外板色に箱根の四季にふさわしい「バーミリオンはこね」と名づけた赤い色彩を施すことで形態と色彩により箱根の自然を際立てている

プロデューサー

箱根登山鉄道株式会社 取締役社長 府川光夫+川崎重工業株式会社 常務取締役 車両カンパニープレジデント 金花芳則

ディレクター

株式会社岡部憲明アーキテクチャーネットワーク 代表 岡部憲明

デザイナー

岡部憲明アーキテクチャーネットワーク 山口浩司(統括)、宮坂知明、森山智就

詳細情報

http://www.hakone-tozan.co.jp/

運行開始
2014年11月1日
販売地域

日本国内向け

設置場所

神奈川県

仕様

形式 クモハ3000 構体材料 ステンレス鋼(まくらはり部、前面構体:耐候性鋼板)空車質量 35.6t 定員 75人 最大寸法 長さ14660mm、幅2574mm、高さ3974mm 軌間 1435mm. 電気方式 直流750・1500V 加速度 1.11m/s2(4.0km/h/s)減速度 常用1.11m/s2(4.0km/h/s)、非常1.25m/s2(4.5km/h/s)

受賞対象の詳細

背景

登山電車は2両または3両編成で編成されている。しかし繁忙期には箱根湯本駅で1時間近い乗車待ちが発生しする一方、早朝深夜には観光客はほとんど乗車しない。そこで、両運転台の単車を製造し、ピーク時には全て3両編成とし、輸送力増強と需要変動に細かく対応できるよう計画した。製造に当たってはお客様にとって乗車すること自体が目的としていただけるような魅力的な車両を目指した。

デザインコンセプト

箱根観光をイメージした旅行の楽しみを演出する車両、伝統と現代性を併せ持ち箱根の風景に溶け込むデザイン

企画・開発の意義

当社初となるVVVFインバータ制御装置やLED照明の採用により使用電力量削減に努めたほか、「箱根旅行の楽しさ」をテーマに、見た目のみならず触感も柔らかな印象となるなるよう趣向を凝らした内装とするなど、90年を超える山岳鉄道としての伝統を感じさせつつ、現代的な雰囲気を併せ持った車両とし旅の豊かな思い出づくりの一助となるようとした。

創意工夫

自然の緑に包まれる車内、風景の全てを捉える大きな眺望をもつ車体をつくり上げるために、前後にある運転室と客室の仕切りを最大限透明にし、運転台を低く抑えて前後のフロント窓を大きくしている。そのために運転席に装備される機器類を一部天井上に見出した新たなスペースに収納し、尚且つその部分を外観デザインのポイントとしている。床から天井近くまでの展望窓の設置は、山から谷へと上下に広がる箱根の景観を意識した。この展望窓には、優先席、車椅子スペース、立ち席を配置し全ての乗客がこの眺望を楽しめるように留意した。渓谷に沿って走る登山列車は上下に広がる景色が特徴であり、そのため側面の開口窓も従来より高さ方向を大きくしている。座席下に荷物置きスペースを確保して荷棚を取り去り、天井の仕上げ、握り棒、照明なども極力めだたたない表現でデザインし座席からも雄大な景色を楽しめるよう工夫している。

デザイナーの想い

鉄道車輌のデザインは公共性と、激しい条件に耐え、何十年も使われる耐久性など,大変シビアなデザイン領域。開業以来4世代の車両が利用者から親しまれながら運行しているなか、25年ぶりの新造車として、時代に合わせたユニバーサルデザインの導入や両側に運転台を持つ単車として、現代的な装備にあわせ、デザインも120年の歴史の積みかさねの延長にある伝統と現代性を併せ持ち箱根の風景に溶け込むようにと心がけた。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

箱根登山鉄道 箱根湯本駅〜強羅駅間にて運転
箱根登山電車 3000形 特設サイト

審査委員の評価

伝統ある国際観光地箱根の中でも登山鉄道はそのハイライトといってもいい。急勾配・急傾斜の移動において、フルハイトの展望窓を配置することで箱根の自然を身近に感じられる展望ゾーンを設けると共に、大型解放窓を設置したことで自然の風が感じられるなど豊かな移動体験が可能となる。箱根の移動風景を生かしたモビリティデザインを高く評価したい。

担当審査委員| 森口 将之   青木 俊介   根津 孝太   羽藤 英二   原 研哉  

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