GOOD DESIGN AWARD

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CC

2014

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
展示館 [黄檗山萬福寺第二文華殿]
事業主体名
黄檗山萬福寺
分類
公共用の空間・建築・施設
受賞企業
黄檗宗大本山萬福寺 (京都府)
受賞番号
14G110946
受賞概要
2014年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

日本三禅宗のひとつ、黄檗山萬福寺の境内の歴史的景観に溶け込む外観と、季節・気候・時間によって移ろう朱色の光に包まれた、時空を超えた仏教美術にふさわしい展示空間をめざした。 数多くの重要文化財が建つ伽藍の中で、瓦色の外装材で包み隠した文華殿が、土塀と樹々の間に隠れてひっそりと建つ。建物の四周には地窓を設け、拡散された自然光を建物内部に導き入れる。朱色の布で包まれた展示空間の足元には、特殊形状の光ダクトで屈折を繰り返した自然光が布の背後に忍び込む。布にはプリーツ加工が施され、裏面に金属を蒸着することで、方位や時刻、天候や季節によって刻々と光の様相が移り変わる。

プロデューサー

黄檗山萬福寺

ディレクター

株式会社竹中工務店 設計部 森田昌宏+足立裕己

デザイナー

株式会社竹中工務店 設計部 森田昌宏+足立裕己 AZU設計工房: 田村利夫(照明デザイン) 安東陽子デザイン:安東陽子(テキスタイルデザイン) 山内麻起子(アートワーク)

竣工
2012年2月15日
販売地域

日本国内向け

設置場所

京都宇治

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

赤い光による変容と回帰

背景

萬福寺は、我が国が鎖国政策中の江戸期における中国文化受容の最重要な器として機能していました。高名な画家、伊藤若冲も黄檗文化のエキゾチックさに傾倒し、後年は黄檗宗に改宗し、その塔頭にて生涯を終えたほどです。こうした歴史的文脈の中、総本山萬福寺の文化的財産を展示する施設をデザインするに当たり、その空間そのものがエキゾチックな黄檗文化に心を致す機能の一端を担うべきだと思い至りました。

デザイナーの想い

赤い布の表側には室内の人工照明の灯りが反射し、見る人の立ち位置によって様相を変え、また室内をめぐる気流にも敏感に反応します。布越しにはアングルのストラクチャーがおぼろげに透け見えています。シームレスな黒い床も、リン酸処理加工されたファインフロアの手すり壁もステージも、朱色の特別な空間の中にシルエットのように沈みこみ、そうした天と地の間に三枚のアート板がわずかな光を拾いつつ浮かぶ構成としました。

企画・開発の意義

中国的「赤」という色彩が、日本における黄檗文化のシンボルとして機能し始めるだろうという考えに達しました。赤い光に包まれた黄檗文化の展示空間。塗料で塗られたのとは異なり、自然の光で移ろうように変化する光。ここに黄檗文化の和への変容とオリジナルへの回帰を同時に表現しつつ、宇治の小さな展示空間から古黄檗にまで思いを馳せ、時空をすら超えることのできる空間の実現を期待したのです。

創意工夫

今回増築棟となる第二文華殿の外皮は、瓦色のスレート粒によるアスファトシングル葺き、足元四周の地窓にはグル―チップの複層ガラス、雨落ちには樹々の葉の間を抜けてたどり着いた光を反射する白い砂利を敷き詰めました。内部は一面が朱色の布に包まれた空間。壁の布にはプリーツ加工が施され裏側には金属膜が蒸着されています。足元からは地窓を経た自然光が拡散と反射を繰り返した果てに布の裏側に忍び込み、布の方位や時刻・空・天候・季節によって刻々と移ろい変わります。

仕様

構造:S+RC造 建築面積:238.09㎡ 延床面積:247.99㎡

どこで購入できるか、
どこで見られるか

京都府宇治市黄檗山萬福寺
黄檗山萬福寺

審査委員の評価

主要構造には見えない繊細なストラクチャとデリケートな朱色のテキスタイルが足元から移ろう光をまとい、空間全体が印象的な現象であるかのような浮遊感を描き出している。伝統を重んじながら新しい表現を積極的に試みていることが評価された。

担当審査委員| 安田 幸一   高橋 晶子   廣村 正彰   山梨 知彦  

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