GOOD DESIGN AWARD

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CC

2014

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
スタジアム [やわらぎ 森のスタジアム]
事業主体名
小島健康保険組合
分類
産業用の空間・建築・施設
受賞企業
株式会社竹中工務店 (愛知県)
受賞番号
14G110921
受賞概要
2014年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

自動車部品メーカーグループの福利厚生施設として建設された4,820席収容のスタジアムである。29万㎡を超える広大な計画地からは、愛知県を代表する猿投山をはじめ緑豊かな自然の風景が連なる。敷地中心にある既設グラウンドの東側には過去に造成された高さ約12mの段地が広がっている。計画にあたり、スタジアムが豊かな自然と対峙するのではなく、そっと寄り添い風景に溶け込むことを目指し、段差を利用したスタジアムを地形に埋め込んだ。過去の造成以来土がむき出しのままとなっている段地には植樹を行い、森の復元を2期計画として行う。創立100周年を迎える25年後頃には、全てが木々に囲まれた「森のスタジアム」となる。

デザイナー

竹中工務店設計部 長谷川寛、本多英行、浅野三男、蔦壁潤一郎

利用開始
2013年10月
販売地域

日本国内向け

設置場所

愛知県豊田市

仕様

敷地面積:293,373.43㎡ 用途:観覧場(スポーツ練習場) 構造・規模:S造 地下1階・地上1階 建築面積:12,427㎡ 延床面積:12,480㎡

受賞対象の詳細

背景

年に一度、グループ企業の社員と家族約6,000人が一堂に集う体育祭が既設グラウンドで毎年開催されてきたが、雨天時は中止となることも多かった。そこで、天候に左右されず様々な競技に対応可能なアリーナと、それを取り囲むスタンド席を持つスタジアムが企画された。設計にあたっては、周囲の豊かな自然にスタジアムがどのように向き合い、グループの理念である「和」をどのように表現するかが課題となった。

デザインコンセプト

周囲の豊かな自然の風景に溶け込み、大地や森との「和」を体現する「森のスタジアム」の実現

企画・開発の意義

周囲の景観を阻害しないよう屋根の高さを極力低く抑える、スタジアム全体が風を受け流して風の通り道となるような配置とする等、スタジアムと周囲の豊かな自然との一体感を感じることが出来るよう心がけた。グループの創立75周年記念事業としてスタジアムを建設するだけでなく、過去の造成以来土がむき出しとなっている部分への植樹等、敷地全体の環境の保全も行われる。

創意工夫

開口の最大スパン147.5m・一般部スパン125mを無柱空間とした。周囲の豊かな緑や山並みの景観を阻害しないよう屋根はアーチ形状のキールトラス架構とし、競技に必要な高さを確保しながら極力低く抑えた。軽量で透過性のある膜構造屋根のアリーナや客席は、豊かな自然の風景との連続性を感じることが出来る。通常のアーチ形状の架構では、屋根のライズ(=高さ)に対する柱スパン比は約0.2である。やわらぎ 森のスタジアムのキールトラス架構は約0.09と、その半分以下であり、「超・低ライズ」な膜構造屋根を実現した。屋根は11本の山型のキールトラス架構を更に山折りにすることで空を映す影を作りながら、ウォータースライダーのように足元に雨水を集めるための集水のデザインとした。また、客席のベンチや壁のルーバー等、人の手に触れる部分には間伐材(檜・杉)を活用し、森の中のスタジアムに相応しい木のインテリアを展開した。

デザイナーの想い

今この目の前に広がる豊かな自然が、社会にとって貴重な財産であり価値であるということが、社会に広く伝えるべきメッセージであると考えた。そして、このスタジアムが一企業の福利厚生施設であることを超えて、他のどこにもない「ONLY ONE」の施設となることを目指した。

審査委員の評価

企業の社員と家族6,000人が一堂に会する体育祭を視野に入れてプロジェクトが始まり、天候に左右されない、かつ様々な競技に対応可能なアリーナとして企画された。最大スパン147.5mという大空間を飛ばす小さなライズのトラスの技術と意匠のバランスが素晴らしい。周囲の豊かな自然との一体感、企業を支える社員と家族の一体感が、企業理念である「和」を上手く表現している。将来裸になっている造成地に森が復活する日が待ち遠しい。

担当審査委員| 安田 幸一   高橋 晶子   廣村 正彰   山梨 知彦  

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