GOOD DESIGN AWARD

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CC

2014

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
個人住宅 [SHIRASU]
事業主体名
ARAY Architecture
分類
住宅・住空間
受賞企業
ARAY Architecture (東京都)
受賞番号
14G100826
受賞概要
2014年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

住人は高温多湿な南九州の気候の中でもエネルギーに頼らず、環境とつながりをもつエコロジーな暮らしを望んでいた。 その土地の風を感じ、雨水を貯め、土いじりを楽しむ。そんな土着な生活だ。敷地は鹿児島市中心市街地から程近いシラス台地の上に広がる住宅地。そこでこの台地を形成する土、シラスを基にして造られたブロックによるシラスの洞窟のような家が生まれた。 台地に蓄積された地質やその地形は、この土地の自然や気候風土をつくりだす要因となっている。自ら空調設備の設置を止めた住人は、ブロック壁全体に温熱環境のコントロールを任せ、身近な自然との生活を拠り処とし、台地との結びつきを楽しんでいる。

プロデューサー

ARAY Architecture 鈴木亜生+株式会社ストーンワークス 上中誠+タグズハウス 徳永功一郎

ディレクター

ARAY Architecture 鈴木亜生

デザイナー

ARAY Architecture 鈴木亜生+ tmsd萬田隆構造設計事務所 萬田隆

詳細情報

http://www.asei.jp/works/works012.html

竣工引渡し日
2013年7月15日
販売地域

日本国内向け

設置場所

鹿児島県鹿児島市

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

シラスの人造自然石による環境調和を生む組積の家

背景

施主よりエコハウスの要望を受け、メインコンセプトに「鹿児島だけのエコハウス」を掲げた。敷地はもちろん、鹿児島一帯の姶良カルデラの地形をなすシラス台地は、この鹿児島の自然や気候風土をつくりだす要因となっている。このシラスの特性を生かした舗装用ブロックを製造する地元業者に開発協力を依頼し、国内初めての試みとなるシラスの建築用ブロックを製造した。

デザイナーの想い

鹿児島は、桜島を中心にした姶良カルデラの様々な自然の恩恵を受けている地域である。シラスはその中でも代表的な地域資源です。そのため建築もその恩恵に授かり、シラスを生かして、素材にすることが環境に順応できると考えた。その土地の土を使えば、建築は環境調和の器となると共に、周辺の街並みにも調和できる。この新しい技術によるシラスブロックが、今後の地域の公共建築へ利用されることを期待している。

企画・開発の意義

施主はリビングで寝そべりながら、2階吹抜け越しに見える月明かりを楽しんだり、屋上では芝に寝転びながら、街並みや桜島を眺めている。町の角地に開いたリビングデッキや畑庭では、子供たちが畑を手入れして遊んでいたり、周りでは近所の人たちが談笑していたりと、近隣との交流の場になっている。シラスの環境調和の効果を最大限生かし、自然と地域と同居できる場を用意することで、施主の自由なライフスタイルを誘発している。

創意工夫

鹿児島市内の歩道などで普及し始めていた舗装用シラス平板ブロックの加圧成型技術を生かし、初めてシラスの建築用ブロックの製造を試みた。シラスは耐火性・断熱性・調湿性・軽量など多くの特性をもっている。外壁ブロックは、シラスの配合を調整して材料強度を確保し、内壁ブロックは、吸放湿性を高めるためシラス原石をそのまま象嵌した。 これを外周全体に中空層二重壁として積み上げたことで、内部への熱負荷が大きく軽減されている。さらに内壁ブロックは仕上げのまま、室内の湿度を調整している。よって夏はひんやり涼しく冬は暖かく、年間を通して安定した温熱環境となっている。台地に蓄積された地下資源のエネルギー性能をブロックへ再生することで、環境循環型の新しい空間を提案した。 同時にこのシラスの性質は、内壁ではシラスの地層の表情として表れ、外壁では風雨や桜島の降灰を吸着しながら、建物が台地とのようにエイジングされていく。

仕様

敷地面積/228.91㎡ 建築面積/88.00㎡ 延床面積/143.94㎡ 1階床面積/88.00㎡ 2階床面積/55.94㎡ 建蔽率/38.4%(許容60%) 容積率/62.8%(許容80%) 構造・規模/鉄骨造 地上2階 屋上1階 最高高さ/6.40m 屋上緑化/シート防水 + シラス緑化基盤敷 外壁/シラスブロック積み + 撥水剤 内壁/シラスブロック積み (シラス原石象嵌)

どこで購入できるか、
どこで見られるか

鹿児島県鹿児島市
ARAY Architecture
ロンドン デザインWEBマガジン Dezeen
鹿児島経済新聞(掲載記事)

審査委員の評価

シラス台地から得られる地場産シラスセメントを開発。素材の開発アイディアそのものがユニークで価値がある。シラスは水を含んでいるため今まで外壁等には不向きであったが、日本に一台のプレス機を使用した、圧力をかけながらの成形により初めて使用可能な建材となった。そのせいの表情を生かした造形も、この住宅が立地する風土ととても調和している。

担当審査委員| 古谷 誠章   篠原 聡子   難波 和彦   日野 雅司   松村 秀一  

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