GOOD DESIGN AWARD

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CC

2014

GOOD DESIGN|グッドデザイン金賞

受賞対象名
医療ガス供給設備 [ユニライン]
事業主体名
株式会社セントラルユニ
分類
研究・教育・医療用の機器・設備
受賞企業
株式会社セントラルユニ (東京都)
受賞番号
14G070632
受賞概要
2014年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

病院内では、人工呼吸器を始めとする機器を使用して、患者の生命を維持する医療行為が行われます。 医療ガス供給システムは、これらの行為に欠かすことのできないガスを、安全に供給するための一連の設備です。 医療ガスには、酸素、空気、笑気、吸引などの種類があり、設備は固有の色で識別されます。 供給源から送り出されたガスは、建物内に張り巡らされた配管を通って、手術室や病室へ送られます。 医療ガスは監視装置により常に監視され、たとえ災害が起こったとしても、一時も供給を止めないための多重防護の設計がなされています。 unilineは、安全性と使いやすさを飛躍的に向上させた、新時代の医療ガス供給システムです。

プロデューサー

株式会社セントラルユニ CPS技術課 田中一哉、田坂欣一、上田拓誠、筒井孝徳、永松章、花田彩

ディレクター

有限会社オッティモ 山本秀夫

デザイナー

有限会社オッティモ 山本秀夫、瀧下琢也+SHIMSITE 清水儀久

発売予定
2014年12月1日
販売地域

国内・海外共通仕様

設置場所

病院敷地内

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

災害に強く、人に優しく、医療の現場を美しく生まれ変わらせる柔軟なシステムの構築

背景

医療ガス供給システムは、建築付帯設備であるため、発注者はユーザーではなく建築業者や設備業者です。また、既製品は各社同等で、選択肢と呼べるものではありませんでした。 病院の建物は30年以上建て替えられることはありません。しかし時代や社会の要請に応じ、地域での役割や経営方針は絶えず変化します。これに伴い、医療ガスの供給能力の増強や監視項目の追加が求められますが、運用後の変更は困難なものでした。

デザイナーの想い

医療ガスを使用する場所は、患者にとっては回復するための空間であり、医師や看護士にとってはこれを手助けするための戦い場所です。 病院では水道や電気のコンセントと同様各所にガスのアウトレットが配置されています。美しく使いやすいアウトレットをデザインすれば、病院の雰囲気は確実に変わります。機能一辺倒だったこれまでのシステムを整理整頓し、患者と医療従事者の両方に優しいデザインにしたいと考えました。

企画・開発の意義

災害を想定した分散配置可能な供給源、供給状況が一目でわかる監視装置、災害対策設備の強化など、どんなときでも確実に機能し、医療従事者が処置に専念できる強い供給システムの構築を目指しました。運用後におこる供給能力の増強や、監視項目の追加などに対応できる柔軟性も必要です。また、近年医療設備には、患者の心理に配慮した優しさが求められています。患者の目に触れる部分には特別の気配りが必要であると考えました。

創意工夫

アウトレットは、医療従事者の使い勝手を高めるべく取り付けピッチを広げた新モジュールを制定しました。内部の全面的な設計変更により施工精度は上がり、メンテナンス性も大きく向上しています。エリアごとに配置されるシャットオフバルブは省スペース化を徹底し、空気、吸引の供給源はコンプレッサーや吸引ポンプをパッケージ化、エレベータで移動できるサイズにまで小型化したため、病院運用中であっても分散配置工事を行うことが可能です。 設備の色調は整理して、建築との親和性を高めたシンプルなデザインを目指しました。ガス種を判別しやすくするため、供給源からアウトレットまでガス固有色以外の色を使わない、徹底したカラーコーディングを行っています。 監視装置にはGUIを取り入れ、ガスの供給状況、空瓶状況、異常、流量、トレンドなどが一目で理解できるようデザイン、日常の管理と非常時の対処における実用性を飛躍的に向上させました。

仕様

医療ガス供給システムは、供給源、配管、アウトレット、監視の4要素で構成されます。 今回の応募範囲は、空気、吸引の供給源、配管経路中にあるシャットオフバルブ、各種ガスのアウトレット、そして監視装置です。 なお、納入先病院の規模は、ベッド数200〜1000床(配管総延長10,000〜50,000m)の、中規模以上の施設を想定しております。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

東京都文京区湯島2-21-25 SKYビル
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審査委員の評価

病院内の医療行為の中で、医療ガスは患者の生命を維持するために欠かせないものだが、これまでは建築付帯設備としての側面が強く、ユーザー目線のモノづくりに欠けていた点は否めなかった。本システムは「見えないガスを見えるガスに」をコンセプトに開発された、先進的な医療ガス供給システムとなっている。ガスの供給装置は従来は建物の地下などに設置されていたが、エレベーターへ積載できるサイズまでコンパクトにパッケージ化され、移動性の向上と共に建物屋上などへの分散配置を可能とした。この発想は東日本大震災における津波被害の教訓から生まれたという。人々を救う機器はどのような非常時においても働き続けなければならない。これは災害時における医療の継続性を守る視点において重要な取り組みであろう。ガスの出口である病室用アウトレットは、システムの中で唯一患者の目に触れる機器である。これまで操作時に隣り合う機器の操作部に触れてしまうなどの問題点があったが、本製品では基本モジュールを見直すことでそれらの課題を解決している。新たなモジュールの採用によって生まれた心地よい「間」のあるデザインは、機能的であるだけでなくシンプルで美しく、院内空間に優しい佇まいをもたらしている。建築付帯設備であることや、工業規格の任意基準に慣例的に準じてきたことで進化の遅れていた設備機器において、一つ一つの課題に対しこうあるべきという信念のもと、トータルな問題解決型デザインを提供している点を高く評価した。

担当審査委員| 安次富 隆   内田 まほろ   重野 貴   田川 欣哉  

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