GOOD DESIGN AWARD

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2010

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

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受賞対象名
闘牛場の空中観覧席増築+メモリアル・ギャラリー新設+すり鉢状ランドスケープの整備 [山古志闘牛場リニューアル]
事業主体名
長岡市
領域/分類
社会領域 - 公共・文化教育関連施設
受賞企業
長岡造形大学 (新潟県)
受賞番号
10D06022
受賞概要
2010年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

中越地震により被災した山古志には、500年も千年も続くと言われる「牛の角突き」の歴史がある。滝沢馬琴は、南総里見八犬伝に「実に是、北国中の無比名物、宇内の一大奇観なり」と記している。闘牛場リニューアルに際し、何ができ、何をすべきか、長い検討期間を要した。アプローチ坂道のメモリアル・ギャラリーは、八犬伝錦絵など闘牛の歴史と震災復興を来客に伝える。新しい空中観覧席は2つに分け隔てられ、神聖なるブナ林をひきたてる。観覧席の上げ裏の板張りは、被災者を励ます全国からのメッセージを伝える。天皇皇后の歌碑は、ブナ林から闘牛場を見守る。こうして壮大なる「現在進行形の闘牛絵巻」をお見せできるようになった。

プロデューサー

長岡市長 森民夫

ディレクター

長岡市山古志支所産業課+長岡市建築住宅課+松井治二/山古志観光開発公社社長+鎌田豊成/長岡造形大学学長(当時)+山下秀之/長岡造形大学教授

デザイナー

山下秀之+江尻憲泰/長岡造形大学教授+同大学山下研究室(朝野剛、山下真理子、桑野洋紀、廣田真治、武井奈津美、諏佐圭太郎、柿崎洸哉、渡辺宣一、ケ・エム・イフテカル・タンヴィル)+大原技術株式会社

設計と施工の面々/あまりに配筋が難しく鉄筋工「しびれました」

詳細情報

http://soiga.com/togyu/

利用開始
2009年10月11日
販売地域

日本国内向け

設置場所

新潟県長岡市山古志南平(池谷地区)

受賞対象の詳細

応募対象が達成しようとした目標

闘牛運営者からは、2つの要望「雨をしのぐ場所が必要」と「観客数の増加を見込みたい」が出された。それは具体的な目標になったが、上位には、牛の角突きによる「伝統と歴史を重んじる」「地域活性を進める」というコンセプトがある。中越地震により被災した越後の中山間地は、復旧から復興への転換期に入り、生活・産業・観光の機能を取り戻しつつある。この事業には、古きを伝承しながら新たな魅力を生む目的がある。

デザイナーのコメント

すべての設計やデザインが終わり、着工直前に、天皇皇后の歌碑建立の計画が持ち上がった。復興の山古志で、天皇皇后が牛の角突きを見学された時に詠まれた歌の碑である。その位置は、あらかじめ2手に分けた空中観覧席の間、ブナ林の中央高い位置しかないと思った。闘牛場を見守るかのような石の形や大きさや位置と、そこに至る階段デザインを関係者に提案し、宮内庁の了解のもと建立された。予定調和のような御授かりに感動した。

使用者、社会等への取り組み

どのような使用者・利用者を想定したか

使用者として「実際に興行をする勢子たち」「牛を愛し育てる牛飼い達」、利用者として「牛の角突きの伝統を守ろうとする地域住民」「あたたかく見守る長岡市民や新潟県民」「大会を遠くから見に来て下さる熱心なファンの方々」「日本の里山が好きで、山古志の棚田や錦鯉池の風景を愛する観光の方々」「震災復興の際に、応援をして下さった全国の方々」、そして最後に「ふるさとがない、もしくは忘れてしまった方々」を想定した。

その使用者・利用者にどのような価値を実現したか

「人々を結びつける場の力」の価値を実現した。消滅しつつある日本の伝統や里山環境において、それを維持しようと頑張る人々(地方)と、それを忘れてしまった人々(都市)を結びつけることは容易ではない。上記の人々が、山古志闘牛場リニューアルという場を通して、結ばれる価値は重要と思われる。結果、都市が抱える様々な問題に対して、様々な答えを用意して待っている地方の存在が、より深く理解されるのではないだろうか。

社会・文化および地球環境の視点から解決すべき問題点

全長40mの屋外ギャラリーを提案し設計した。八犬伝の錦絵や書など、現在までの角突きの歴史や、山古志の風景を、石壁画や写真パネルで表現した。アマチュア片桐恒平さんの2万点もの闘牛写真などから選んだ。また、スタンド建設場所には、全国の方々の応援メッセージが描かれた屋外ボードウォークがあった。全ての板を一枚一枚丁寧にはずし、スタンドの上げ裏に張り巡らせギャラリーにした。コンクリートの塊が命を授かった。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

http://www.soiga.com/togyu/

審査委員の評価

「牛の角付き」は全国に知られた山古志村の独自の行事である。中越地震により中断されていたその行事を復活し、山越の力のシンボルとなるべくリニューアルされた。どちらかというと無骨で力強いデザインである。雪深いこの地で生きていく意思の表れとも感じる。牛の角突きの歴史や震災の記憶をアプローチに表現し、全国から寄せられた応援メッセージをデザインに取り入れるなど、この地域がひとつとなり、過去から現在、そして未来に向けての強いメッセージを持ち得たことに共感と敬意を表したい。

担当審査委員| 南雲 勝志   森田 昌嗣   安田 幸一  

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