GOOD DESIGN AWARD

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CC

2009

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
YKKセンターパークにおけるランドスケープ及び丸屋根展示館 [YKKセンターパークにおけるランドスケープ及び丸屋根展示館]
事業主体名
YKK株式会社
領域/分類
社会領域 - 公共・文化教育関連施設
受賞企業
株式会社アプルデザインワークショップ (東京都)
オンサイト計画設計事務所 (東京都)
YKK株式会社 (東京都)
受賞番号
09D06010
受賞概要
2009年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

ファスナーの製造で世界のトップシェアを誇り、建材でも有数の企業であるYKKの製造と技術の中核拠点である黒部事業所に残る最も古い工場(昭和33年竣工、ファスナーの基布の紡績工場)を企業の技術史料館として再生するプロジェクトである。残っていたRC造シェル屋根を戴く約12,000m2の建物から約3,000m2だけを残して耐震補強を施し、一棟を史料保存と機械の展示室(非公開)に、もう一棟を解説付きの展示室および多目的利用を想定したラウンジ、それに付随した外部テラスとした。また、二棟の間に鉄板でできたエントランスキャノピーを新設した。この施設はYKKセンターパークの休憩施設としても位置づけられている。

デザイナー

大野秀敏+吉田明弘/APLdw 、三谷徹+戸田知佐/オンサイト計画設計事務所

左上:大野秀敏 右上:吉田明弘 左下:三谷徹 右下:戸田知佐

詳細情報

http://www.apldw.com/public.html#maruyane

利用開始
2008年9月10日
販売地域

日本国内向け

設置場所

富山県黒部市吉田200

受賞対象の詳細

応募対象が達成しようとした目標

ありふれた建築でありながら、会社にとっても社員にとっても思い出深い工場建築に新たな生命を吹き込むこと。これを、オリジナルの建物に対する尊敬からも、経済的な理由からも最小の改変で実現すること、この二つを目標とした。

デザイナーのコメント

環境問題の解決への取り組みが全地球化するなかで建物の長寿命化が叫ばれながら、日本では依然としてスクラップアンドビルドの発想から抜け出せない。煉瓦造などの近代初期の建物であればいざ知らず、昭和の産業建築は非情に打ち壊されてゆく。こうした建物に建築家の知恵を注ぎ込み、新たな魅力を付加できれば少しでも世の中の流れが変わるのではと期待している。

使用者、社会等への取り組み

どのような使用者・利用者を想定したか

産業観光施設の一部として通年常時(ただし冬場は平日のみ)開放するので、あらゆる階層と年代の来訪者を想定している。外来者以外にも、工場内にあることから社員の来館も期待している。

その使用者・利用者にどのような価値を実現したか

企業による技術開発史の展示により、日本の優れたものづくりの軌跡を示し、さらに未来の物作りに関心をもって頂くことが主目的である。同時に、使命を終えた昭和期の産業施設も使いようによっては魅力的な施設に生まれ変わることができることを身を以て体験し、建物を長く使うことの意義を理解して頂くこと。

社会・文化および地球環境の視点から解決すべき問題点

私たちは、新たな設計方法論として「引き算」という概念を提唱している。ここでは、古い建物から様々なスケールでの「引き算」と少しばかりの「足し算」をすることで、魅力的な環境を作り出そうとしている。「引き算」によって、必要な部分以外を撤去し、テラスや中庭をつくり自然と一体化し、「足し算」によって史料館には必要なエントランスキャノピーを加えた。残りの部分は、元の工場の内外観をそのまま活用している。

その問題点に対し、どのように対応したか

これまで、日本では、発展=拡大であり、古いもの=機能的に劣ったもの、という観念が官民を問わず優勢であった。有限な地球環境と資源を大切に使い、次代に引き継ぐことの必要性が認められ始めている。そのためには、リノベーションを「間に合わせ」と考えず、新たな価値の創造と考える文化が育つことである。そのためには、建築設計に新たな方法論と技術が育たなければならない。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

YKKセンターパーク(富山県黒部市吉田200)
http://www.ykkcenterpark.jp

審査委員の評価

優れた工場建築を、地域に開かれた社会教育施設として再生した好例である。元の工場建築の形態的ユニークさを巧みに生かし、より魅力的な場へと転換させている。また、周辺のランドスケープデザインも施設とのバランスが良く考慮されているとともに、将来の森の形成までを考えた計画がなされており、好感が持てる。将来は、豊かな緑と空間的ボイドがバランスよく形成され、施設の魅力がより引き立ってくるに違いない。

担当審査委員| 南雲 勝志   黒川 玲   田中 一雄   廣村 正彰   森山 明子  

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