GOOD DESIGN AWARD

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2008

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

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受賞対象名
乗用自動車 [モビロ]
事業主体名
トヨタ自動車株式会社
領域/分類
移動・ネットワーク領域/身体の移動 - 身体の移動に用いられる機器・設備
受賞企業
トヨタ自動車株式会社 (愛知県)
受賞番号
08C12011
受賞概要
2008年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

トヨタは地球や社会への持続的な発展に貢献するため、「家庭内での家事支援」「介護・医療支援」「製造・モノづくり支援」「近距離のパーソナル移動支援」という4つの領域において、人と空間を共有するパートナーロボットの開発に取り組んでいる。MOBIROは近距離のパーソナル移動支援のひとつとして、高齢者や歩行弱者の方が、あらゆる路面でも安定、かつ、安全に移動できるモビリティロボットを目指した。また、常時歩行支援を必要としない方向けに、呼べば来る、ひとりで帰る「自律移動機能」や、重荷運搬が困難な方向けに、人の後を付いてくる「追従機能」にてポーターとして支援するなど、使用者とその移動空間の拡大をも目指した。

プロデューサー

トヨタ自動車株式会社

ディレクター

トヨタ自動車株式会社 常務役員 平井和平

デザイナー

トヨタ自動車株式会社 デザイン本部 デザイン開発部

詳細情報

http://www.toyota.co.jp/jp/tech/robot/conference/index.html

発表
2007年12月6日
価格

0円

販売地域

日本国内向け

設置場所

08年後半からのトヨタ関連施設(ラグーナ蒲郡、トレッサ横浜)で実用化試験を開始。

受賞対象の詳細

応募対象が達成しようとした目標

高齢者や歩行弱者の方に対して、ひとりで外出することに対する不安を払拭するとともに、安全で快適な歩行者空間内の移動、移動空間の拡大、さらには移動への自信と喜びを提供。また、使用者を常時歩行支援を必要としない方や重荷運搬が困難な方まで拡大することで、使用者の豊かな移動生活を支援。誰もが移動の価値を享受し続けられる、サステイナブルな社会への貢献を目指した。

デザイナーのコメント

MOBIRO単体での意匠性だけでなく、乗り込んだ人との調和性をも追求し、従来の電動車椅子とは画期的に異なる、独自のプロポーションの実現。特に、ロボットの可動部分(アッパーボディー、ロアボディー、左右スィングアーム)においては、最先端ロボット技術と使用する人に対する優しさの融合を目指し、全体で日本人の美意識にも通じるシンプリシティーを感じさせる高次元なデザインに仕上げた。

使用者、社会等への取り組み

どのような使用者・利用者を想定したか

既存の歩行エリアにおいて歩行移動が困難、もしくは、自信のない方を主眼に、常時歩行支援を必要としない方や、重荷運搬が困難な方も想定。例えば、大型商用施設の駐車場にMOBIROを停めたまま買い物をし、終了後、「呼べば来る」機能を使いMOBIROを呼び出せば、迎えに来てくれる。その時、使用者自身がMOBIROに乗車してもよいし、荷物のみMOBIROに載せ使用者に追従しながら運んでもらうこともできる。

その使用者・利用者にどのような価値を実現したか

ひとりで外出することへの不安を払拭するとともに、安全で快適な歩行エリア内の移動、移動空間の拡大、さらには移動への自信と喜びを提供。具体的には、あらゆる路面でも常にシート着座面を水平に保ち、乗員の転倒を防止する機能により安心な移動を提供(斜面±10度、片輪段差100mmまで対応)。また、自律移動により常時歩行支援を必要としない方の移動空間の拡大や、追従機能により荷物運搬支援など、豊かな生活を提供。

社会・文化および地球環境の視点から解決すべき問題点

1)パートナーロボット開発による地球や社会の持続可能な発展への貢献。2)近距離でのパーソナル移動支援。3)既存の歩行エリアにおける安定、かつ、安全に移動できる、車椅子規格寸法のモビリティロボットの開発。倒立二輪による旋回性能向上。4)人に優しい形状の実現。5)「呼べば来る」「ひとりで帰る」など雑踏の中での流れに乗った自律移動、インフラに頼らない地図生成機能の開発。6)人に付いてくる追従機能の開発。

その問題点に対し、どのように対応したか

1)少子高齢化による、社会の発展の鈍化。2)高齢者、歩行弱者の移動距離の縮小化。3) ユニバーサルデザインを考慮した、車椅子向けインフラの不整備。電動車椅子の安全性、乗り心地、旋回性能不十分。4)電動車椅子と他歩行者との共存への課題。5)常時歩行支援を必要としない人への支援ツール不足。電動車椅子の自動、自律運転不可。6) 重荷運搬が困難な方への支援ツール不足。電動車椅子の追従走行不可。

審査委員の評価

家庭や福祉の領域で活動が見込まれる「次世代ロボット」の模範を示すロボットである。次世代ロボットは性能や用途に多様性が望まれているため、製品としての魅力に(市場性を期待させていない)乏しいプロトタイプばかりである。しかし、モビロは開発意図と機能性が具体的に形として解決されている。ロボットの市場投入に向けて、福祉との融合を最適な方法で具体化したこと自体をデザインと捉えたい。「モビリティロボット」という言葉も具体的に示した点も評価できる。イノベーション+デザインとはそういうものである。ロボットデザインの最もクリエイティブな部分の評価は用途選定の設定の潔さと見事さにつきる。実用化を期待させる企業の誠実な製品開発能力を高く評価したい。全体的なデザインには安定感のある椅子のイメージを連想させるが、機構やコンピュータをモジュール化し内部をコンパクトに設計するともっとスリムなデザインの実現も考えられると思われる。家庭を想定するとよりスリム化されたデザインは需要として大きいと考えられる、と期待が膨らむのである。

担当審査委員| 山村 真一   木村 徹   沢村 慎太朗   松井 龍哉  

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