GOOD DESIGN AWARD

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CC

2008

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
空港/環境デザイン [成田国際空港第2旅客ターミナルビル サテライト 到着コンコース アートワーク]
事業主体名
成田国際空港株式会社
領域/分類
社会領域 - 公共施設・建築
受賞企業
成田国際空港株式会社 (千葉県)
株式会社日建設計 (東京都)
株式会社タウンアート (東京都)
受賞番号
08B11028
受賞概要
2008年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

国の玄関口である空港。なかでも到着コンコースは降り立って初めて目にする空間である。日本を代表する国際空港として歓迎の意を表し、日本の文化度を指し示す質の高い快適空間を提供することにより、ここから日本の美しさを感じ、関心を高めてもらえたらと、アートによる環境整備を実施した。コンセプトは「日本の手わざ」。日本が誇れる細やかな手の技に着目し、漆・蒔絵といった工芸的なものから竹・瓦・漆喰等職人の手わざが光る素材を12点のアートワークとして展開。自然とともに生き、自然の素材をうまく生活の中にとりこみながら、巧みな技と美意識で麗しい環境と文化を醸成してきた日本人の感性と意匠を、本物の素材をもって表出した。

プロデューサー

成田国際空港株式会社 空港運用本部 施設保全部 建築グループ マネージャー 笹本満

ディレクター

株式会社日建設計 設計室長 金内信二+株式会社タウンアート 天野澄子+インディペンデントディレクター 吉岡幸雄

デザイナー

株式会社日建設計+株式会社タウンアート+吉岡幸雄+ラウンドテーブル、他

詳細情報

http://www.narita-airport.jp/jp/fun/airport/sanpo/

公開
2008年4月22日
販売地域

国内・海外共通仕様

設置場所

成田国際空港第2旅客ターミナルビル サテライト 到着コンコース

受賞対象の詳細

応募対象が達成しようとした目標

日本文化を感じる空間を創出し、その美しさと文化度の高さを伝えることによって、外国人にとっては日本への期待感と関心を高め、日本人にとっては安堵感とともに日本を誇りに思うきっかけになることを目指した。表現の切り口として、文化を支えてきた職人技の象徴として“手”に焦点をあてて展開。卓越した手わざと本物の素材がもつ力強さが、言葉を超えて旅客の心に響き、日本の美を再発見する指標となることを目指した。

デザイナーのコメント

到着コンコースは一定方向に人が一気に移動する空間。留まることがない空間であるため、インパクトがあるものとし、なおかつ手工芸の細やかさが建築空間のなかで埋没せずに映えるように、一定のフレームを与えグリット状に整然と並べることで大きな画面を構成した。また職人の手わざであることを一目で伝えるために、制作中の職人の手に着眼。匠の歴史が凝縮したその手をアーティスティックな写真に映し出し、実物の作品に添えた。

使用者、社会等への取り組み

どのような使用者・利用者を想定したか

外国人観光客、ビジネス客を中心に、日本人の旅客も視野に入れて計画した。

その使用者・利用者にどのような価値を実現したか

外国人の旅客にとっては、間近に見て触れることのできる工芸作品を見て、日本への期待感を高めてもらえている。これまで簡素だった通路空間が、手漉き和紙の壁紙によってやわらかな印象が創り出され、日本人にとっては安心と誇りのもてる空間を実現できた。記念撮影をしていく旅客も多く見かけることができるようになった。

社会・文化および地球環境の視点から解決すべき問題点

日本人は本来、自然の恵みである木や土等を生かし、手入れを繰り返しながら用いることで持続可能な空間を形成してきた。例えば紙は障子や襖など居住空間に用いられてきた。紙は破けやすいがメンテナンスも容易である。また漆などのように、日常の中で使い込んで見えてくる黒漆の模様を美ととらえて愛でる感覚も日本人にはある。その文化を再確認し、あえて柵やケースを使わずに展示することで、ものを愛し維持する心を提示した。

その問題点に対し、どのように対応したか

漆、蒔絵、金箔、磁器、和紙屏風作品等、すべて本物の素材をそのままに展示し、直に味わってもらい、本物の日本を感じてもらうことを主旨としているため、様々な人々が往来する空間で、人為的な破壊がおこるのではないか、という人々のモラルを問う課題があった。

審査委員の評価

無機質で無個性な成田空港にあって、「日本」を感じさせる質の高い演出である。ともすれば、表層的になりがちなこの種の計画にあって、本物の素材と技を積極的に活用し「嘘のないもの」として仕上がっている。計画としては地味なものであるが、その価値は高くグッドデザインとして大いに評価したい。

担当審査委員| 田中 一雄   隈 研吾   黒川 玲   南雲 勝志  

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