GOOD DESIGN AWARD

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2008

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

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受賞対象名
美術館 [国立新美術館]
事業主体名
文化庁
領域/分類
社会領域 - 公共施設・建築
受賞企業
株式会社日本設計 (東京都)
株式会社黒川紀章建築都市設計事務所 (東京都)
受賞番号
08B11010
受賞概要
2008年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

国立新美術館は5番目の国立美術館として誕生した。延床面積は約5万m2で、美術展示施設としては日本最大の規模となる。いわゆる収蔵作品を収集する美術館ではなく、公募展や企画展のためのギャラリーである。世界の美術館から借り受ける作品のための高度な安全・温湿度管理の他、一度に15,000点を超えて集まる公募作品のための機能が求められた。搬出入・整理・保管といった物流機能、審査・選別機能の他、直前の展覧会から1日で展示替えが行える機動性などである。また、六本木と青山の人の流れを繋ぎ、青山霊園とミッドタウン・桧町公園の緑を結ぶ「森の中の美術館」として展覧会入場者だけで年間310万人を超える来館者が訪れる。

デザイナー

株式会社黒川紀章建築都市設計事務所 黒川紀章+株式会社日本設計 建築設計群 チーフアーキテク 千鳥義典、シニアアーキテクト 柴草哲夫

黒川紀章/千鳥義典/柴草哲夫

詳細情報

http://www.nact.jp

オープン
2007年1月21日
設置場所

東京都港区六本木7-22-2

受賞対象の詳細

応募対象が達成しようとした目標

一般の美術館として当然求められる、作品に対する安全性の追求と快適で機能的な展示空間の実現に加えて、同時並行して開催される複数の公募展のための高度な機能の充足を第一の目標とした。加えて、六本木・青山といった都心に立地する美術館として、都心の緑を強化連携し、人々で賑わう「街に開かれた森の中の美術館」の実現を目指した。

デザイナーのコメント

地下の物流機能において審査された入選作品のみが展示室へ運ばれて展示される。1つの展示室は、さらに細かく分割間仕切りすることも可能である。この施設は、巨大展示機械と呼んでもよい。波打つ透明なファサードを持つアトリウムは、機械に対する3次元的な自由の表現である。アトリウムは街並みの一部として六本木の街と連続し、人々で賑わう。周囲の樹木が生長すると、このアトリウムは森に囲まれたパブリックスペースとなる。

使用者、社会等への取り組み

どのような使用者・利用者を想定したか

本施設の利用者は、一般来館者、企画展関係者、公募展関係者の3者と想定された。一般来館者は、主に美術展鑑賞者であり、初年度は310万人を超えた。企画展は、世界各国から国宝級の作品を借り受ける関係上、厳密な安全性と保管・展示環境の維持が求められる。公募展は、年間約69団体展が同時並行して開催される。1つの公募展では、最大15,000点に及ぶ作品の搬出入・整理・保管・審査・展示が行われる。

その使用者・利用者にどのような価値を実現したか

一般来館者に対しては、エントランスアトリウムを設け、最大12の展覧会が同時に行われても、目的の展示室がすべて目視できるわかりやすい空間構成とした。作品の保管・展示環境としては、室温は±1℃、湿度は±2%を実現している。地下1層を作品の物流機能にあて、大量の作品の搬出入・整理・保管が容易な計画とした。展示室は、床吹出し空調、間接照明、可動展示パネルにより均質で、機動性に富んだ展示空間を実現した。

社会・文化および地球環境の視点から解決すべき問題点

青山公園と一体となる植栽により緑の繋がりを強化し、桜の列植により龍土町から青山霊園まで花の道を連続させた。これらの緑を借景に、地下鉄乃木坂駅と直結したエントランスアトリウムを配置し、逆立ちコーンにはカフェ・レストランといった都市機能を誘致した。足元に生まれるゆとりスペースには、デザインされた椅子を多数設置し、読書、居眠りなど今までの美術館では見られない美術鑑賞目的以外の来訪者の流れを誘引した。

その問題点に対し、どのように対応したか

本施設は、旧東大生産技術研究所用地にあり、六本木と青山の人の流れ、青山霊園・青山公園-龍土町-旧防衛庁-桧町公園と続く緑を繋ぐ要に位置する。計画を通して街の繋がり、緑の繋がりを創出し、新たな都市的価値を生み出すことを重要な課題とした。

審査委員の評価

アトリウムによって、展示空間を接続する手法をとることで、巨大な展示空間の複合体に空間としての一体感を与えた。

担当審査委員| 田中 一雄   隈 研吾   黒川 玲   南雲 勝志  

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