GOOD DESIGN AWARD

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2007

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
三瓶小豆原埋没林保存施設 [島根県大田市三瓶町多根ロ58-2 ]
部門/分類
建築・環境デザイン部門 - 環境デザイン
受賞企業
株式会社大建設計 (東京都)
受賞番号
07B03004
受賞概要
2007年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

三瓶山の中腹(標高約220m)に於いて耕作地の中から埋もれ木が見つかっている報告を受け、島根県は約1haのエリアの本格的調査を開始した。そうした状況を受け、埋没林保存の基本構想を策定することになった。景観自然課では奈良文化財研究所の指導を仰ぎ保存方法を模索・検討する中、仙台や魚津の埋没林と全く異なる日本で初めて生木状態で見つかった縄文杉を、ポリエチレングリコールを使用して保存すると同時に一般に展示する方針が決定され、世界でも類を見ない埋没林保存展示施設の実現への取り組みが行われることとなった。

プロデューサー

島根県 景観自然課 課長補佐 佐藤仁志 (現在 島根県緑化センター勤務)

ディレクター

株式会社大建設計 広島事務所 取締役所長 藤井洋

デザイナー

株式会社大建設計 広島事務所 課長補佐 高畑憲明

詳細情報

http://www2.pref.shimane.jp/sanbe/azuki/

開始日
2003年5月2日
問い合せ先

株式会社大建設計  広島事務所
Email: fuji@daiken-sekkei.co.jp
URL: http://www.daiken-sekkei.co.jp

受賞対象の詳細

デザイナーのコメント

三瓶山の中腹に約3500年の時を経て発見された埋没林を現地保存する施設設計にあたり、現地を訪れた人々が、縄文後期の地形をイメージしながら地中の埋没林に出会う物語を敷地全体計画に意図した。他に例のない用途、日々刻々と変化する要求条件に対し柔軟に対応しながら、機能とデザインの融合を図るよう取り組みを行った。

デザインサイドに提示された要求・要望
1.直径30mの鋼製土止め工作物を打込み掘り下げている状況下、立木の埋没林を残したまま屋根を掛けること、底部の古土壌を残したまま計画することが求められた。
2.埋没林保存手法として、デンマークでバイキング船保存を行っているPEG(ポリエチレングリコール)を噴霧し樹木の腐敗を防止する為のシステムも併せて設計する課題を与えられた。
3.積雪片荷重・PEG噴霧システム重量支持可能な架構・屋根デザイン、地下15mの空間に人が入る安全性確保、博物施設としてのバリアフリー対策など限られた予算の中でクリアするべき多くの課題が与えられた。
使用者、社会等への取り組み

ユーザーの使いやすさや商品の親切さの向上のためにデザインが特に取り組んだ事項

屋根架構は大型ドーム案や膜構造案などを比較し、最終的に国内でも最大級の鉄骨造ステンレス屋根の上に緑化する提案を行い、外周リング梁・先端ディテールにより屋根の沈み防止と高さを押さえる解決を図った。

製品の寿命を長くするための工夫、あるいは寿命を全うした商品が廃棄される段階での対応

外気給気により地下室内の安全確保を図り、高価な油脂の一種であるPEGは底面で回収し、再利用するシステムを設計した。

デザインが技術・販売等に対して行った提案

発掘現場でリアルタイムに起こる条件変更、PEGの噴霧装置の納まり、デッキ位置やレベルの設定など設計段階から施設完成まで、本施設に最も相応しい技術・デザインの解決に取組んだ。

審査委員の評価

「埋没林の発掘状態をできるだけそのまま残す。」というシンプルなデザインコンセプトが結果的に周辺の豊かな自然環境を損なわない施設の設計と、新たな土木的、建築的な技術的解決が行わることに繋がった。条件に対し素直に前向きに対応したことがそのデザインを生み出し、結果控えめな施設群からは想像できない高さのある展示空間と埋没林の迫力を伝えることに成功している。見せるものと守るものの区別が明確に行われている。

担当審査委員| 田中 一雄   川上 元美   黒川 玲   南雲 勝志  

評価ポイント( :評価された項目)
1. 良いデザインであるか (グッドデザイン商品、建築・環境等に求められる基本要素)
  • 美しさがある
  • 誠実である
  • 独創的である
  • 機能・性能がよい
  • 使いやすさ・親切さがある
  • 安全への配慮がなされている
  • 使用環境への配慮が行き届いている
  • 生活者のニーズに答えている
  • 価値に見合う価格である
  • 魅力が感じられる

2. 優れたデザインであるか (商品、建築・環境等の特に優れた点を明らかにするポイント)
  • デザインコンセプトが優れている
  • デザインのプロセス、マネージメントが優れている
  • 斬新な造形表現がなされている
  • デザインの総合的な完成度に優れている
  • ユーザーのかかえている問題を高い次元で解決している
  • 「ユニバーサルデザイン」を実践している
  • 新しい作法、マナーを提案している
  • 多機能・高機能をわかりやすく伝えている
  • 使いはじめてからの維持、改良、発展に配慮している
  • 新技術・新素材をたくみに利用している
  • システム化による解決を提案している
  • 高い技能を活用している
  • 新しいものづくりを提案している
  • 新しい売り方、提供の仕方を実現している
  • 地域の産業の発展を導いている
  • 人と人との新しいコミュニケーションを提案している
  • 長く使えるデザインがなされている
  • 「エコロジーデザイン」を実践している
  • 調和のとれた景観を提案している

3. 未来を拓くデザインであるか (デザインが生活・産業・社会の未来に向けて積極的に取り組んでいることを評価するポイント)
  • 時代をリードする表現が発見されている
  • 次世代のグローバルスタンダードを誘発している
  • 日本的アイデンティティの形成を導いている
  • 生活者の創造性を誘発している
  • 次世代のライフスタイルを創造している
  • 新しい技術を誘発している
  • 技術の人間化を導いている
  • 新産業、新ビジネスの創出に貢献している
  • 社会・文化的な価値を誘発している
  • 社会基盤の拡充に貢献している
  • 持続可能な社会の実現に貢献している

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