GOOD DESIGN AWARD

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2005

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

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受賞対象名
コンクリートの急傾斜面を森に変えるフォレストベンチ工法 [滋賀県 大津市 石山寺 地内]
部門/分類
建築・環境デザイン部門 - 環境デザイン
受賞企業
グリーンベンチ研究会 (埼玉県)
受賞番号
05B02009
受賞概要
2005年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

クライアントの概要 大津放水路は、永年大津市膳所地区を襲い続けてきた洪水を瀬田川へ迂回させようと計画されたものである。名刹石山寺の協力によってその所有地通過が叶い、瀬田川の新しい支流となる親水公園が実現した。コンクリートで囲われる人工河川であるが、施主である国土交通省近畿地方整備局は、限られた敷地の中で豊かな自然を創出しようと、切り取った山の斜面にも森を育成しようと模索され、その計画は本工法によって実行された。

デザインのポイント
1.放水路の大半はシールドトンネルによる閉水路で、瀬田川に注ぐ直前の約2百m区間のみが開水路である。開水路と並行する管理道路構築工事等が輻輳する中、のり面工事には限られた時間での完工が期待された。
2.コンクリート吹き付け工は全て剥ぎ取り、埋め戻す土砂と地山とを一体化することが基本である。このとき一度に裸にしてしまうと、崩壊が懸念されたため、根の生育に支障のない範囲については剥ぎ取りを断念した。
3.森の育成を促すには、埋め戻し土と地山との水の行き来を可能にし、同時に水はけを良くして垂直面からの酸素が入り込み易くすることが肝要である。そこで、各段の最下部に有孔管を埋設し、排水機能の向上を図った。
プロデューサー

清水建設 大津放水路 事務所 宮川欣治

ディレクター

グリーンベンチ研究会 理事 栗原 光二

デザイナー

グリーンベンチ研究会 滝沢織依

開始日
2005年7月1日
価格

-

受賞対象の詳細

デザイナーのコメント

コンクリートを被せられたのり面が醜く映るのは、命が息吹く可能性を失った上に、材質劣化が何れ危険を及ぼすという懸念を抱かせるからであろう。斜面安定は恒久のものでなければ、経済面でも不安が付きまとう。応急的措置としか思えないコンクリートのり面を森に戻すことは、防災や地球環境改善を図る上でも急がれる。水循環の中で清く澄んだ川を取り戻すためには、斜面の土にも「水呼吸の権利」を返すべきである。

デザインサイドに提示された要求・要望
1.放水路の大半はシールドトンネルによる閉水路で、瀬田川に注ぐ直前の約2百m区間のみが開水路である。開水路と並行する管理道路構築工事等が輻輳する中、のり面工事には限られた時間での完工が期待された。
2.コンクリート吹き付け工は全て剥ぎ取り、埋め戻す土砂と地山とを一体化することが基本である。このとき一度に裸にしてしまうと、崩壊が懸念されたため、根の生育に支障のない範囲については剥ぎ取りを断念した。
3.森の育成を促すには、埋め戻し土と地山との水の行き来を可能にし、同時に水はけを良くして垂直面からの酸素が入り込み易くすることが肝要である。そこで、各段の最下部に有孔管を埋設し、排水機能の向上を図った。
使用者、社会等への取り組み

ユーザーの使いやすさや商品の親切さの向上のためにデザインが特に取り組んだ事項

太古の昔から、雨水の大半は地下を通って川から海へと達してきた。地表を通る割合が増え、しかもコンクリート表では高速で移動するので、水は命を育まないばかりか凶暴になり、人々の生活を脅かしてくる。

製品の寿命を長くするための工夫、あるいは寿命を全うした商品が廃棄される段階での対応

地表の地形は、地球の営みの中で造られた後に植生によって保護され、生き物にとって重要な役割を果してきた。土を用いて地形を忠実に再現することは、自然の永続的な営みを確かなものにする上で大きな意味を持つ。

デザインが技術・販売等に対して行った提案

土や水に働く最大の力は重力であり、平らな地盤は重力を摩擦力に変えるので、土は自立が可能になる。浸入してきた雨水による浮力も、大気圧を吸引力として用いれば消すことが出来る。自然力は低廉かつ永遠である。

審査委員の評価

以前にも応募があり、それを高く評価している工法である。おそらく事例ごとに新しい問題があり個別に回答を与える努力が継続されているようである。本年度も応募いただいており、変わらずこの工法を見守り、継続して支持していきたいと考えている。

担当審査委員| 北山 恒   川上 元美   内藤 廣   韓 亜由美  

評価ポイント( :評価された項目)
1. 良いデザインであるか (グッドデザイン商品、建築・環境等に求められる基本要素)
  • 美しさがある
  • 誠実である
  • 独創的である
  • 機能・性能がよい
  • 使いやすさ・親切さがある
  • 安全への配慮がなされている
  • 使用環境への配慮が行き届いている
  • 生活者のニーズに答えている
  • 価値に見合う価格である
  • 魅力が感じられる

2. 優れたデザインであるか (商品、建築・環境等の特に優れた点を明らかにするポイント)
  • デザインコンセプトが優れている
  • デザインのプロセス、マネージメントが優れている
  • 斬新な造形表現がなされている
  • デザインの総合的な完成度に優れている
  • ユーザーのかかえている問題を高い次元で解決している
  • 「ユニバーサルデザイン」を実践している
  • 新しい作法、マナーを提案している
  • 多機能・高機能をわかりやすく伝えている
  • 使いはじめてからの維持、改良、発展に配慮している
  • 新技術・新素材をたくみに利用している
  • システム化による解決を提案している
  • 高い技能を活用している
  • 新しいものづくりを提案している
  • 新しい売り方、提供の仕方を実現している
  • 地域の産業の発展を導いている
  • 人と人との新しいコミュニケーションを提案している
  • 長く使えるデザインがなされている
  • 「エコロジーデザイン」を実践している
  • 調和のとれた景観を提案している

3. 未来を拓くデザインであるか (デザインが生活・産業・社会の未来に向けて積極的に取り組んでいることを評価するポイント)
  • 時代をリードする表現が発見されている
  • 次世代のグローバルスタンダードを誘発している
  • 日本的アイデンティティの形成を導いている
  • 生活者の創造性を誘発している
  • 次世代のライフスタイルを創造している
  • 新しい技術を誘発している
  • 技術の人間化を導いている
  • 新産業、新ビジネスの創出に貢献している
  • 社会・文化的な価値を誘発している
  • 社会基盤の拡充に貢献している
  • 持続可能な社会の実現に貢献している

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