グッドデザイン賞受賞概要

2017年度|メッセージ

主催者挨拶

公益財団法人日本デザイン振興会は、2017年度グッドデザイン賞の受賞結果を発表致しました。主催者を代表して受賞者の皆様に心よりお祝いを申し上げます。
今回のグッドデザイン賞はこの30年来で最多となる4,495件の応募デザインの中から選定させていただきました。本年度の1,403件の受賞デザインは、82名の内外の審査委員による約5か月間にわたる厳正な審査を経て決定されたものです。
今年もプロダクトや建築デザインはもちろんのこと、社会や地域における様々な活動や取り組みのデザインなど、多様な領域からの応募がありました。
こうしたデザインの広がりは、我が国が抱えている技術革新、少子高齢化、地方創生、人材育成・教育、医療福祉、防災など様々な社会課題に対して、デザインが真摯に向き合い、そのソリューションにチャレンジして来ていることが、多くの人々に注目され評価されていることによるものと思います。
また、海外、なかんずくアジア諸国からの応募も急増している背景には、デザインの重要性を官民が戦略的に認識し、優れたデザインを生み出すための環境造りに積極的に取り組んでいることが挙げられます。アジア諸国からの応募・受賞作品に、「モノ」のみならず「コト」のデザインが増えてきていることも、デザインが必要とされる領域がグローバルに広がっていることを象徴しており、興味深い傾向といえます。
受賞デザインは、いずれも様々な人々の生活にきめ細かい気配りがなされ、それぞれのストーリーを豊かにし、新しい時代に向かって一歩を踏み出したものです。
受賞デザインに籠められた心や思いを多くの方に読み解いていただきたく、グッドデザイン賞受賞作品が勢ぞろいする「GOOD DESIGN EXHIBITION2017」(東京ミッドタウン11月1日~5日)、2017年度のシンボルデザインとなる「グッドデザイン大賞」候補作品の出展と一般投票を行う「みんなで選ぶグッドデザイン大賞」(GOOD DESIGN Marunouchi 10月4日~28日)、審査委員お気に入りのデザインが集合した「私の選んだ一品2017」(東京ミッドタウン・デザインハブ10月4日~27日)を開催いたしますので、多数お越しいただければ幸いです。

2017年10月4日

公益財団法人日本デザイン振興会
理事長 大井 篤

審査委員長挨拶

本日、2017年度のグッドデザイン賞を発表しました。受賞1,403点のデザインを手がけられた皆様に心よりお祝いを申し上げます。
今回のグッドデザイン賞には、この30年間でもっとも多くの応募が寄せられました。それだけに、受賞デザインのジャンルや方向性が多岐に富むのがグッドデザイン賞の大きな特徴ですが、最近では共通したひとつの傾向がみられるようになっています。それは、日本や世界におけるさまざまな社会課題を意識したデザインが明らかに増えていることです。グッドデザイン賞としても、フォーカス・イシューに代表される、社会に対してメッセージを示す取り組みを3年前から着手して、それに対する共感の声をさまざまな方面からいただくことが増えました。
「デザインには社会の課題を解決できる力がある」そのような意思を持った方が、デザインを活用したり、自分たちの活動それ自体のあり方や進め方をデザインとして見立てることで、目標をよりよく達成していこうとする意欲的な動きが、今年の受賞結果にも多くみられます。デザインが持つ力を社会の中で発揮していくうえで大切なことですし、新たなデザインの可能性を見つけ出していくという意味でも、グッドデザイン賞として積極的に支援したい傾向です。
さらに、今年のグッドデザイン賞では、「かたちの役割」を重要なものとして考えました。これは最終的な造形として現される「形」という意味とともに、目的を持った活動が社会の共感を得て、その価値をより広めていくためには、コミュニケーションの接点となるなんらかの「表出」が重要で、その部分のクオリティがどれだけ高められているかに注目することが、デザインの役割であると考えたのです。
特に、グッドデザイン賞にはテクノロジーの進化と密接に関わるデザインが多く集まります。単に新技術の導入というだけにとどまらず、「何のための技術であるか、誰のための技術なのか」という問いかけがあることで、結果として私たちに豊かさや心地よさがもたらされるため、そうした面に対するまなざしは不可欠なものでした。
これらは、もちろんデザインを生み出す側が何より意識すべきことであるとともに、いかにそのデザインからこれからの社会に向けた豊かな可能性や、ユーザーにとってのよりよいストーリーを引き出せるのか、次へのモデルとしての規範性を認めるのか、審査する側にとっても大きく問われる部分でした。
結果として、今回受賞したデザインに対して、社会においてますます重要性を高めるテーマへの提案性や、それぞれのデザインを使う人への配慮、私たちに何かを気づかせてくれるようなひらめきなどを感じ取っていただけることを期待しています。グッドデザイン賞が問う「グッドデザイン」が、一つひとつのデザインそれ自体のよさだけを意味するのでなく、そのデザインが必要とされる状況や文脈の中で、人々のためのよさを築こうという意思を象徴するものとご理解いただければ幸いです。

2017年10月4日

2017年度グッドデザイン賞
審査委員長 永井 一史

2017年度グッドデザイン賞
審査副委員長 柴田 文江